青龍、相棒と。
ただいま私、青龍は廊下を全力疾走しています。
いやぁ、寮の廊下に誰もいなくてよかった。
先生がいたら間違いなく怒られるし、後輩やヤタちゃんがいたら驚いて失神でもされるだろう。
私は部屋の前につくと勢いに任せ、扉を開けた。
「シオン!!ただいま!」
「おかえり、セイ」
木製のフローリングで白と統一された殺風景な私たちの部屋。
シオンは共同で使っている大きめのちゃぶ台の上で教科書とノートを広げていた。
「シオン!ねえ、シーオーン!勉強教えて!」
「はぁ?お前勉強できるんじゃなかったのかよ」
ちゃぶ台に手をつき、乗り出す私を呆れたように見るシオン。
「んー、英語と数学は出来てるらしいんだけど他教科は壊滅的らしいわ。テスト中寝てたからかしらね…?」
「絶対にそれだろ。俺も教えられるほど理解していないかもしれんぞ」
「私は!シオンがいいのー」
それはもうイヤイヤ期のお子様の如く私はシオンの腕にしがみつきながら叫んだ。
「うるせぇ。はいはい、わかったよ。明日からで良いか?」
「わーい!やった、何か学生っぽいわね、こういうの!」
しぶしぶ了承してくれたシオンの腕をぶんぶんと振って、子供のように喜ぶ私。
それを嫌な顔一つせずに微笑んで見つめてくるシオンが何だかいじらしい。
やっぱり私の相棒は最高、そして私はこいつに一生勝てる気がしないのであった。
「ちょっと!何なんですか?!青龍の悲鳴が聞こえましたけど!」
「ど、どうしました…?」
「セーリュー?大丈夫そう?」
「いや、誰かシオンの心配をしてやれよ…」
私が少し負けた気がして、シオンの手を振り続けていると同じフロアの皆んなが私たちの部屋に集まってきていた。
朱雀とヤタちゃんは私のことを心配してくれていたようだ、可愛い奴らめ。
白虎は何だか黒い表情でシオンに詰め寄っているし、それをおろおろと止めようとしている玄武が面白い。
「大丈夫よ、皆んな。シオンと仲良くしてただけだから!」
「くっ…!それはそれでシオンさんが羨ましい…っ」
何だか悔しそうな朱雀を見て私は笑った。
空は茜色に染まっていた。私たちの心はどこまでも純粋だった。
「大丈夫、大丈夫!




