玄武、初めての感情。
白虎は空翔と応戦中。現在押され気味。
白虎と空翔の力はさほど差は無いように見える。
だが、空翔は強力な頭脳・陸翔がバックに付いている。
逆に考えれば、陸翔という指令塔を倒してしまえば、指示をもらえなくなった空翔は白虎にも殺れる。
とりあえず陸翔を殺る。それが第1目標だ。
俺は陸翔の背後に回り、首筋に手をかざしたが、その手を陸翔に掴まれた。
咄嗟に手を振り払って、距離を1メートルほど取る。
さっき握られた時、結構な力を感じた。
頭脳タイプだと思っていたけど、身体能力もある程度強いのかもしれない。
俺は姿勢を低くして、陸翔の元に走る。けれどそれをひらりひらりと避けながら、俺の攻撃も受けながら、
俺に攻撃もしてくる。
そうやってお互いが削って、削って、そうしているうちに俺たちは御前試合という事実を忘れ、ただ単純に拳を交えることを楽しんでいた。
俺は、近接で戦っていたところを、一度距離を取って口元の血を拭った。
陸翔が息を整え、口角を上げる。俺も自然と口角が上がる。
こんなにも誰かと闘うことが楽しいと思ったのは初めてだ。
今、俺は心からこいつと闘うことを楽しんでいる。
いつかの漫画の先生キャラが言ってたっけ。
『闘うことは拳で語り合うこと』って。
そんな感情を心に灯しながら、気がつけば俺と陸翔は地面にひれ伏していた。
遠くで聞こえた引き分けという声。
頑張れ、白虎。
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