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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-71 稽古場を見張る怪しい人物

 ――芳野幸信の視点から――


「おー、なんか久しぶりじゃん!」

「やっほー!」

「どもー。ごめんね、ちょっと別件でごたついてて」


 偽ペイルライダー疑惑が晴れ、僕とミヤタはバンドイベントのお手伝いに復帰するとイナデラたちは何も聞かずに歓迎してくれた。


 いやまあ、うん。そもそも彼女は一般人だし大変な事があっただなんて知る由もないだろう。下手をすれば白き帝の軍勢と赤月会とアラディア王国の三つ巴の戦いが繰り広げられている事も知らないんだろうね。


 ただそれは僕らとしてはありがたかった。五城楼の時は民間人にも被害が出ていたけどそれらの抗争は表の人間には全く影響がないという事を意味していたからだ。僕らが一番恐れている事は民間人が巻き添えになる事だけど、そういう事ならばその辺に関して憂慮する必要は無いのだろう。


「よーし、大分仕上がって来たし後は細かい調整だけだね!」

「そしてゆくゆくは夢のスターダムに!」

「えへへ、有名人になったら美味しいものいっぱい食べれるかな~」


 バンドメンバーは演奏が上手くいき上機嫌だ。この出来栄えならば本番もきっとうまくいくだろう。


「サクラギはどう?」

「あ、うん。良かったんじゃないかな」

「……そう」


 ただサクラギは何か気になる事があったのか上の空だった。スイメイも不安げだし演奏に響かないといいんだけどな。


 僕らは適当に差し入れをし、月影さんの依頼をガン無視して引き続きバンドイベントのお手伝いをする。ただ僕とミヤタが不在の間に大分進めていたのか出来る事はもうそんなにはなかったのが残念だった。


 ツァルとロイは無事に逃げ切っただろうか。彼女たちが生きていたとしても死んでいたとしても僕たちがそれを知る事はない。正直何も出来ないという事はわかっていても、何もしないというのはやっぱりもやっとするものはあった。


 ……いや、余計な事は考えず仕事に集中しよう。それが僕たちの本来の役目なのだから。


「……………」


 稽古場のビルを出て、僕はひたすらポスターを貼るため商店街周辺をうろちょろとしていた。


 前述の通りめぼしい場所は貼りつくしてある。だけど僕には別の目的があったので出来る限り自然に振る舞い周囲に目を光らせる。


「あ、ヨシノくん、お疲れ様なのー」

「お疲れ様ー」


 移動中僕は同じくポスター張りをしているミヤタとフィリアさんとぶたにくを発見した。そしてフィリアさんはミヤタとぶたにくが一緒にポスターを貼っている間にさりげなく僕に近付き小声で尋ねた。


「気付いていますか」

「ええ。イギリス政府の人じゃないですよね」

「はい。技術もありますしプロなのは間違いありませんが」


 SPメイドである彼女はやはり不審な人物に気が付いていたらしい。


 一人や二人じゃない。やはり何者かが稽古場を監視している。そうされる理由には心当たりがありすぎたけど一体誰なのだろう。


 僕が知る限りチーム明日花のメンバーで気付いているのは僕と彼女だけだ。アキヅキさんあたりは多分そろそろ察知していそうだけど、それだけでも相当相手が一流である事がわかる。


 警察と赤月会は偽ペイルライダーが僕ではない事を既に知っている。では監視している連中は白き帝の軍勢か。あるいは……。


 やっぱり最後の最後まで気を抜かないほうがいいかもしれないな。もしかしたらとばっちりを食らうかもしれないし。

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