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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-67 明らかになる経済テロの計画

 しばらく回転する事数十秒。三半規管が限界に来たところで暴風は止みパリピどもはどさどさと落下した。


「バタンキューであります~」

「うう、世界が回る~」

「あうあう、胃の中からエナドリが逆流しちゃうよ~」

「ひかげちゃんがさんにんいるよー、ぐるぐるぐる~」

「皆平気? たくさん回ったからねー」

「まったくもう、これに懲りたら人に迷惑をかけたら駄目だよ? わととっ」


 ミヤタは戦闘不能になった久我たちを叱りつける。ただ回転しすぎたせいでキノコどもや彼女もまた目が回ってふらついてしまった様だ。


「よっと、大丈夫?」

「ふにっ、うん」


 僕はよろめいたミヤタを受け止めると彼女はえへへ、と恥ずかしそうにはにかんだ。今はお互い水着だし余計にちょっとときめいちゃうね。


「うぇっぷ、ラブコメしてんじゃないよまったく。オロロロ~」

「海を汚いゲボで汚すんじゃないわよ。で? 久我、何か言いたい事はあるかしら。あたしたちを襲った理由を教えてくれたら嬉しいんだけど」


 戦いが終わった所で渉外おどし担当のレイカが威圧しながらグロッキーになった久我に詰め寄る。並の人間ならビビッてすぐにしゃべりそうだけど相手は世界的な傭兵組織、それくらいじゃびくともしなかった。


「うーん、そうだね。それじゃあ君の可愛さに免じて教えてあげようかな」

「え?」

「え?」

「え?」

「何で味方のほうからギョッとした反応が返ってくるのかしら。シバくわよ」

「はは、っていうかこれは社交辞令というかウボ!?」


 レイカは余計な事を言おうとした久我のキャンキャンを無言で蹴り上げる。今は水着で直にダメージが通るからかなり痛そうだ。


「も、もう。冗談だから」

「次に舐めた態度とったらそのヘラヘラした顔を二度と女を抱けないくらい破壊するわよ」

「はいはい。もう気付いていると思うけど偽ペイルライダーは俺たちの関係者、というか白き帝の軍勢と赤月会を潰しあうように画策しているうちの内通者の仲間だね」

「でしょうね」


 観念した久我は僕たちが既に辿り着いた答えを先に言って認めてくれた。言うまでもなくその内通者とはきっとツァルとロイの事なのだろう。やはりあいつらはアラディア王国の人間だったらしい。


「でも本当の目的は別にあるんでしょう?」


 しかしそこに警察モードの母さんが割り込み、レイカを軽く凌駕する威圧感で質問をした。


「っ」


 笑顔が怖すぎる。レイカのすごみとは次元が違い過ぎて彼女ですらたじろいでしまった。やはり普段は優しい母親でも母さんはレベルの違う凶悪犯罪者を相手にしてきた公安の人間なんだと改めて実感してしまったよ。


「ふむ? 具体的にはどんな事を想像しているんですか?」


 だけど久我も負けてはいられない。彼は引きつりながら笑うけどそこに母さんへの恐怖は感じられなかった。その龍虎の睨み合いの様な鋭い視線は一瞬で楽しいビーチを修羅場へと変えてしまい、場違いな存在である僕らは実にいたたまれない気持ちになってしまった。


「白き帝の軍勢と赤月会を潰し合わせるのはついで。本当の狙いは多額の偽造電子マネーの流通による中国への経済テロ……そうでしょ? あなたたちは二つの勢力を利用してたくさんの人に偽造電子マネーのアプリをダウンロードさせたんでしょう?」

「おっと、そのへんにしておきましょう。あなたたちはただのボランティア組織です。このまま何も気にせずに遊びましょうよ。そうする事が一番身のためですよ」


 母さんの推論を久我は肯定も否定もしなかったけどこれは肯定と解釈して差し支えないだろう。その後彼は何かに気が付き、


「撤収だよ撤収! それじゃあまた夢で逢いましょう。シーユーアゲイン!」

「ほなさいなら~」

「であります!」


 部下を引き連れ急いで撤収作業に入ってしまった。カネヒラは後を追おうと動き出したけど、メイリンに制止されてしまう。


「深追いは駄目っす。次はきっと本気を出されちゃいますから」

「……そうだな」


 カネヒラもすぐにその忠告を理解する。戦ってわかったけど彼らは一切本気を出していなかった。最強の傭兵組織のアロウレスがこの程度の訳がないのだ。


 現にきぃの竜巻攻撃を食らっても原因完璧な受け身を取り最小のダメージに抑えてピンピンしている。もし彼らがその気だったのならきっと死人が出ていただろう。


 パレード車やバイクは蜘蛛の子を散らす様に走り去っていく。それとほぼ同時に彼が警戒していたいかつい見た目の連中がわらわらと湧き出てきた。


「探しましたよ、ヨシノさん」


 彼女たちは目当ての久我が不在である事に落胆していたけど、その代わりにぼけっと立っていた僕らに声をかけたのだ。

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