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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-58 二度目の無実の証明

 幸いにしてこれと言ったバトルは起こらず僕らは無事にセントマリアに帰還する。いや、というよりも……。


「みんなー!」

「ぷひー!」

「ぴー!」

「ぷー!」

「ぷぎー!」


 僕が違和感を言葉にする前にそのもやもやした思考は明るい声にかき消される。ミヤタはブタ連中に揉みくちゃにされて感動の再会を全身で味わっていた。


「お疲れ様です、お嬢様。まずはお飲み物でも飲んでゆっくり休んでください」

「はーい! その前に手洗いうがいも忘れずにね!」

「ふふ、そうですね。後ヨシノは後でツラかせや」

「ひーん」


 次に嬉しそうにしていたのはフィリアさんだけど、ミヤタの顔を見て微笑んでいた彼女は冷たい顔に豹変し姫を連れ出した僕を威圧する。弁明をするつもりはないけど不可抗力みたいなものだったのにひどいやい。


「お勤めご苦労様、ヨシノ」

「服役してたわけじゃないけどね」


 ただこれが半年とかならともかく二日間というプチ旅行くらいの期間だったので、レイカを含めて他の面々のリアクションは薄っすらとしたものだった。ぶっちゃけ僕もあんな仰々しく逃げ出した手前ちょっと気まずいよ。


「ヨシノさん……」

「あ」


 でもそれ以上に気まずくなる人物が現れた。それは僕を犯人かも知れないと疑ったアキヅキさんであり、彼女はかなり落ち込んで様子で僕の前に立つ。


「すみません、ヨシノさん。私は何も弁解するつもりはありません」

「いえいえいえ、滅相もないです。でももし謝罪の意思があるなら脱いでください。オークに捕まった姫騎士みたいに悔しそうに」

「おいコラド変態クソ兄貴なに言ってんだ」


 僕は取りあえず場の空気を和ませるためにセクハラジョークをかましてみる。きっと僕みたいにあまり考えずにこんな発言をする人間が訴訟を起こされたりするんだろうけど、こういうコミュニケーションしか知らなかったからね。


「そ、そうですか。わかりました、後で脱ぎます。ちょうどこの後脱ぐ予定もあるので」

「え? いや冗談なんですけど。っていうか脱ぐ予定ってどんな予定なんですか」


 しかしそれを真に受けたアキヅキさんがなにやら頬を赤らめながら奇妙な事を言った。あらん、まさかここでまさかのサブヒロインルートに突入しちゃったり? エロゲの中にはヤるだけヤッて個別ルートがない奴もいるけども。


「あー、その辺については私の口から説明します。とにかくこちらへ。赤月会の内通者についての情報交換もしたいのでね」

「あ、はい」


 困惑しながらも僕は先に到着していた黒鬼さんにそう言われ会議室へ移動する。黒鬼さんはその理由について知っているみたいだけど……?


 ハッ、まさか借金のカタにいかがわしいビデオに出演させるつもりなのだろうか!? 見た目的には完全にそれっぽいしそうに決まってる! 彼女を助けるためにここは僕が何とかしないと!


「黒鬼さん。百万出してくれれば僕のお尻を差し出しますよ。僕のお尻はそんなに安くないのでね」

「はい? 何の話です?」


 が、もちろんそんな事はなく黒鬼さんは困った顔をしてしまう。まあうん、そりゃそうだよね。でもだったらどういう予定なんだろう。服を脱ぐ予定なんて全然見当もつかないや。

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