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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-46 容疑者芳野幸信2

 セントマリアから脱出した僕はひたすら神渡の街を逃げ回る。


 サードマンモードという利点があるとはいえ頭脳明晰なアキヅキさんの追跡をかわすのは容易ではない。おかげでビルの上や建物の中とか変な場所も逃げる羽目になったよ。


「よっほっはっ」


 外階段を駆け上った僕はビルとビルの間をくるんと回転しながらジャンプする。久しぶりのパルクールだけど案外うまくいくものだ。ここは十階くらいだから落ちたら普通に死ぬけども。


 ただ警察に捕まるだけならまだいい。しばらく鬼ごっこを続けていた僕は別の勢力の人間が近付いてきている事に気が付いた。


「(あいつだ捕まえろ!)」

「(逃がすな、追え!)」


 その強面の男たちは中国語を話していた。何を話しているのかはわからないけどとりあえず僕に危害を為そうとしているのはわかる。


 今回殺害されたのは赤月会の人間で僕はその犯人と疑われているらしい。なら普通に考えて僕を殺そうとしているか捕まえて情報を吐かせようとしているのだろう。


 もちろん連中は所詮ただの人間なので倒せるっちゃあ倒せる。けど相手をしている暇はないし今はとにかく逃げないと。


 ととっ、中華街エリアに来てしまった。こんな場所に中国マフィアがいたらする事は一つしかないよね。


「アイヤー!」

「わーお」


 予想通りスキンヘッドで棒を振り回すというわかりやすいモブカンフー使いたちが現れる。周りの人もあまりのテンプレっぷりに映画の撮影かフラッシュモブか何かと思ってそこまで怖がってはいない様だ。


「そぉい!」


 彼らは叫びながら突撃して来たので僕は雰囲気にのまれダンスを踊る様に回避、背中を地面につけ飛び跳ねて敵さんの首を両足で挟んで腹筋をフル活用して空中へジャンプと我ながらアクロバティックな動きでその場をどうにかやり過ごした。


 ただここは敵さんのお膝元、当然わらわらと増援が湧いてくる。こんな場所からは一刻も早く逃げださないと。


「ヨーシーノーくーん!」

「あらミヤタ、来ちゃったの」

「(ウビェー!?)」


 しばらく戦っていると僕の後を追いかけてきたミヤタが出現、猛牛の様な突進で敵をポンポンポコンと吹き飛ばしてくれた。僕はあんなに頑張って避けたのに結局最後は力技なのかあ。


 この状況でミヤタと一緒にいるとイギリス政府の人が青い顔をするだろうけど……仕方ないか、連れて戻るわけにもいかないし。


「(なんだ!?)」

「(うわあ!?)」

「およ?」


 脱出経路を探していたその時、細い鎖がどこからともなく現れカンフー部隊を縛り上げる。この攻撃はもしかして?


「早く逃げなさい」

「こちらです!」

「律子、黒鬼さん!」


 僕らの逃走を手助けしてくれたのは何故か黒鬼さんたちだった。状況が飲み込めないまま黒鬼さんの後を追って走りコンビニの駐車場に向かうとそこには一台の白いワンボックスカーが停まっていた。


「どうして黒鬼さんが、」

「ホワタァッ!」

「ふにっ!?」


 けれどその進路を妨害するかのように体感で身長三メートルくらいのかなり強そうなカンフー使いが現れる。パワータイプの中国人にとって定番の武器である錘も装備しているしこいつは苦戦しそうだ。けれど、


「戦わなくていいです。551の豚まんをたくさん食べてください」

「うっ! わかっタ……」

「へ?」


 戦う覚悟を決めた時黒鬼さんの眼が光り、彼がそう囁くと男は戦いを放棄して去っていく。まるで催眠にかけられたみたいだけど今のは一体何だったんだ?


「って母さんも!?」

「説明は後よ、早く乗って!」

「ふに、わかったの!」


 訳が分からないまま駐車場の車のすぐ近くまで移動するとその車の運転席に座っていたのはなんと母さんだった。僕たちは言われるがまま車内に飛び込み、発進しながら一応コンプラを護るためにシートベルトを着用する。


 僕はバックミラー越しに去りゆく車を睨みつける敵の恨めしそうな顔を見る。よくわかんないけどとりあえず助かった……って事でいいのかな?

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