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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-17 赤月会日本支部総統、闇月影とかつての友との出会い

 シュークリームを受け取るのに躊躇していると、女の人は二人の部下の人っぽい女の子を呼び寄せた。


「ふむ、それもそうですね。ではツァル、ロイ」

「「はい」」


 その子たちは高校生くらいで、鏡写しみたいにそっくりでそれぞれ右半身と左半身が機械で出来ていたの。


「え、もしかしてツァルとロイ!? わあ、久しぶりー!」

「やっほー、久しぶり、アトゥ」

「元気そうで何よりだ」


 そのツァルとロイという女の子たちはアトゥちゃんと知り合いだったみたいで彼女は予期せぬ再会に大はしゃぎしてしまう。でも知り合いも個性的な見た目をしているんだなあ。


「む? お前の知り合いなのか?」

「うん、地元の。見た目は大分変わっちゃったけど……そっかー、無事に手術出来たんだね」

「ふむ、地元? ああそういう事か」


 チェルノちゃんは故郷が同じと知り何かに納得してしまう。手術ってツァルさんとロイさんは病気でこの見た目もそれが理由だったりするのかな。そのあたりの事情はよくわかんなかったけど元気になって生きて友達と会えるのは幸せな事には違いないから細かい事は気にしなくてもいいよね。


「でもこの人って確か……なんで?」

「まあ、いろいろとね」


 ただアトゥちゃんはすぐに女の人とお友達を見比べ困惑しツァルさんも苦笑してしまった。関係性がわかんないけど気まずくなる事があったりするのかな。


「私はアトゥさんの友人の雇い主なので一応知らない人ではございません。部下の友人への贈り物をするという事でここはどうか受け取ってください」

「むむ、ならば仕方ないな。な? な? な!?」

「もう、わかったよチェルノちゃん」


 どちらかといえばかなり知らない人に近い気もするけどわたしは欲しがりなチェルノちゃんに根負けしてシュークリームを受け取る事にした。でもこのお姉さんはそこまで悪い人じゃなさそうだし別にいっか。


「ところでお姉さんは結局誰なの?」

「私は赤月会日本支部総統、アン月影ユエインと申します。以後お見知りおきを、チーム明日花リーダーのミヤタさん」

「あ、初めましてなのー」


 赤月会って確かこの辺に拠点を置く中国マフィアの人だっけ。黒鬼さんはそんなに悪い人じゃないって言ってたけどわたしたちの事も知っていたんだ。


「チェルノ団のチェルノさんとアトゥさんも。以前部下の故郷を救っていただきありがとうございます」

「嫌味か? 赤月会は中国政府とズブズブだったはずだが。第一あの場所はそもそも貴様らが……」

「それはそれ、これはこれですよ。言い訳になってしまい申し訳ありませんがあの問題を引き起こしたのはあくまでも本国の赤月会です。それに私たちは利潤を追求するにあたって中国政府を利用しているだけであり国家に忠誠を誓っているわけではありませんから。金を満足に分け合えるうちは親しくしますがビジネスの障害になれば刃を向ける事もありうるでしょう。実際最近は関係が悪化しておりますし……おっといけません、愚痴を言うべきではありませんね」

「わかりやすいマフィアだな。日本のヤクザも似た様な感じだがその辺の事情は中国も同じなのか。まあいい、今回は中立の立場と解釈していいんだな?」

「そう思っていただき差し支えありません」


 革命家モードのチェルノちゃんは月影さんとなんだかハラハラドキドキするおしゃべりをしていた。むむ、なんだか難しくて楽しくなさそうだなあ。


「まったく、騒がしいので来てみれば。白昼堂々と揉め事を起こさないでくださいよ」

「あれ、黒鬼さん」


 ただしばらくして怖い顔をした黒鬼さんたちがやってくる。麻薬取締官の黒鬼さんはやっぱり反社会的勢力の月影さんを良く思っていなかったみたいだ。


「そちらの子は人を疑う事を知らないピュアな子なので餌付けしないでください。アジア最大級のマフィアの幹部で、麻薬王坂井利一の盟友であるあなたが誰かに贈り物をするというのはそれだけで厄介事を引き起こしますから」

「それはすみませんね。しかし、」

「これはもう吾輩のものだ! 返さんからな!」


 何やら雲行きが怪しくなったけど、チェルノちゃんは必死でシュークリームの箱を両手で抱きしめてガードする。


「悪い事かもしれないけどやっぱりわたしもシュークリームが食べたいの~。うるうる」

「こんな感じですけど」

「……まあ今回は大目に見ましょう。あなたもそれで構いませんね?」

「お嬢様がお望みなら」

「あれ、フィリア。そんなところに隠れてたんだ」


 黒鬼さんはどこかに隠れていたフィリアに気付いていたらしくそっちにも確認を取った。きっといつでも飛び出せるようにしてたんだろうけど、なんだか普段よりちょっと怖い顔をしていたの。


「さ、向こうに行ってシュークリームを食べましょう。いいですね?」

「あ、うん。それじゃあね、月影さん!」

「ツァルとロイもまたねー」

「「ばあ~い」」

「ふふ」


 結局わたしたちは半ば強引に黒鬼さんによって引き裂かれる。アトゥちゃんとかは昔の友達と積もる話もあったしもうちょっとゆっくりしていたかったんだけどなあ。


 でも月影さんかあ。わたしの知り合いにはマフィアやヤクザは結構いるけどあの人はそんなに悪い人じゃない気がしたの。


 立場もあるし難しいかもしれないけど……黒鬼さんがいない時にもうちょっとおしゃべりしてみたいな。

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