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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十二章 失われた理想郷【第二部3】

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12-16 謎の中国マフィアの女頭目

 迷惑なお客さんのせいで周囲のムードは悪くなるけど誰もが面倒事を避けて注意しようとしない。でも実際法に触れる事をしているわけじゃないし、うーん。


「(何の騒ぎですか?)」

「ふに?」


 だけどわたしたちが困っていると凛とした女の人の声が聞こえる。その人は昔の中国の人が来ているような鮮やかな服を着ていて、黒くて長い髪がとても綺麗な人だったの。


 その美しさはそれこそゾッとして怖さを感じるくらいに。いくらわたしでもこの人たちが普通の人じゃないって事はわかるの。


「(あん? なんか文句あるのか? ああ!?)」


 だけど男の人にはわからなかった様だ。迷惑客は女の人に掴みかかろうとしたけど、


 ふわりっ。


「(無礼者が)」

「ふに!」

「おおう!?」

「があ!?」


 わたしは今何が起こったのかわからなかった。女の人が右手を伸ばすと男の人はまるで超能力でも使ったかの様に回転しながら放り投げられ、そのまま顔を地面に叩きつけて悶絶してしまったんだ!


「(てめ、よくも……!?)」


 鼻から血を流した男の人は歯を食いしばってよろめきながら立ち上がるけどあちこちから強面の黒服さんがのっそりと現れ顔面蒼白になってしまう。どうやらこの人はようやく喧嘩を売ってはいけない相手に絡んだ事に気が付いてしまった様だ。


 彼らは幽鬼の様に全員ただならぬ風格を漂わせていた。日常生活ではまず出来ない刀傷を負った顔や人間のものじゃない肉食獣の様な瞳は何人もの人間を手にかけた事を瞬時に理解させる。


「(ひ、うわあああっ!)」

「(適当に尾行して人目につかない所で捕まえなさい。殺しては駄目ですよ)」


 迷惑客は慌てて逃げ出し黒服さんの何名かは狩りを楽しむハンターの様にゆっくり追いかける。何となくだけどあのおじさんは大変な目に遭うんだろうなあ……怖い事をされないといいんだけど。


「(あ、え、えーと。ありがとうございます)」

「(構いません。それよりもあの男からはまだ電子マネーを支払われてはいませんね?)」

「(はい、代金を払う前に揉めたのでまだ)」


 女の人はお店の人と何かお話をしていた。でも中国語だからわたしは何を言っているのかちんぷんかんぷんだったの。


「(そうですか。これは迷惑料です。受け取ってください)」

「(めめ、迷惑料って滅相もない! むしろこちらが謝礼金を払う立場ですよ!)」

「(いいえ、受け取ってください。そう遠くないうちに現金が必要になる時が来るでしょうから)」

「(は、はあ。しかし何もしないわけには……ではせめていつもの様に商品を)」

「(そうですね、受け取らせてください)」


 さらに女の人は現金で数十万円くらいをお店の人に渡し、満足げにお礼のシュークリームを受け取った。なんだかちょっぴり表情が崩れて嬉しそうな顔になったけど甘いものが好きなのかな。


「さて、あなたたちも食べますか?」

「おお、本当か!?」

「え? いいの!?」


 女の人は何故か見ていただけだった私たちにそんな提案をした。確かに行列に並ぶのは大変だから嬉しいけどもしかしてこの人はいい人なのかな?


「で、でも知らない人からモノを貰っちゃいけないの」

「ぐむむ、確かにそうだ。ものすごく悪そうな人っぽいし」

「二人ともそう固い事を言うなよ~」


 ただそれはそれ、これはこれだからわたしとアトゥちゃんは困ってしまう。美味しそうなシュークリームに目がくらんだチェルノちゃんはあまりそのあたりの事は気にしていなかったけどね。

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