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ゾンビのミヤタさん~英雄が敗北した未来を変えるために、勇者の剣と愛と勇気と豊橋名産のちくわを携えやって来た二回目の世界、東北には太陽が昇り、花咲く明日への物語が始まる~【完結】  作者: 高山路麒
第十一章 永遠の村と『あの日』の償い【第二部2】

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11-73 VS 怨讐の岩鬼 妖鬼キガンドウジ

 僕は校舎を破壊した今回のボスキャラを壊れた壁からしっかりとこの眼で確認する。


「ウウウゥウウ」

「ふむふむ、岩の鬼か。岡山だからやっぱ鬼なのかな」


 その姿はごつごつした岩で出来た凶悪な鬼だった。岡山には桃太郎伝説を筆頭に鬼の民間伝承がそこかしこにあるけど、そういえばこの辺にも鬼が作った岩の門にまつわる話があったっけ。よくあるそれっぽい奇岩にそれっぽい由緒をこしらえただけとか言わないであげてね。


 初めての敵と遭遇したのならまず名前を付けてあげなければいけない。なので僕はこいつに妖鬼キガンドウジという名前を付ける事にした。


「俺はハ、殺殺すッ! よ繧やく金も名誉にッ~れ唖nダッ! 誰にもこのじゃまzyまあ邪魔ッ頃留守ころずすッ!」


 その時代設定と世界観を間違えたかの様な見た目に似合わず、画像は若干乱れていて少しばかりVRMMO作品っぽくアンバランスである。


 また九割九分そうだとは思っていたけどちょっと聞き取りにくい台詞から僕はこいつの正体がフミの中学時代の担任のユキシモだと確信する。一度倒した事でさらにバグった結果進化しちゃったのかな。


 そう考えると防御力が高そうな岩の皮膚もようやく手にした自分の地位を護りたいという強い想いがそうさせたんじゃないか、なんて考察も出来ちゃうね。


「うへえ、鬼と来たか。文字通りの殺人鬼になりやがって」


 サクタロウは困惑していたが目をそらさず金属バットを構えていた。こんな相手でも友達を護るために戦意を喪失しないだなんて大したものである。


「これ攻撃効くのかな?」


 カヤもまた同様で迷わず戦う事を選び椅子を投げてキガンドウジに攻撃を加えてみる。だが当然そんな攻撃は意味をなさず岩の鎧は微動だにしなかった。


「カヤ、サクタロウ、ゲスミはフミを護って逃げて。ここは僕と紗幸がやる」

「ハア、ハア、悔しいけどそうするしかないみたいだな」


 ゲスミは腹部の痛みを応えてパシュン、とボウガンを撃つけど以下略。ただ赤く光る眼は岩に護られていないからお約束の攻撃方法は出来そうだ。


「ほいズドンズドン」

「グァアアア!?」


 その場合動き回る相手の眼をピンポイントで攻撃出来る射撃スキルが必要になるけど僕ならもちろん問題ない。皆がフミを逃している間に僕は先にさっくりと二つの眼球を破壊して視界を奪っておく。


 暴走体になったミヤタと戦った時と比べれば雑魚もいいところだ。硬い皮膚は厄介だけど上手い具合にやればいいよね。


「あはは、もう終わりよ……何もかも……」

「フミちゃん、とにかく逃げろ!」


 ゲスミは負傷もしているし大人しく退かせたほうが無難だからこれでいいとして、むしろ精神が壊れたフミが何かをしないか心配だけど今さら生存者がやらかすという展開にはならないだろう。


 そういうのは大体映画の序盤か中盤だ。避難民コロニーが頭のおかしい奴のせいで大量のゾンビに襲われるっていうのはあるあるだよね。


「紗幸、今だ!」

「わかってる!」


 敵が悶絶している隙に紗幸は大量の弾丸をお見舞いする。これだけデカければ何も考えなくても当て放題だ。


 敵の皮膚は岩石の様に硬いとはいえ装甲車や防火壁でも余裕で壊せるガトリングなら簡単に粉砕出来る。また当然硬い皮膚があるという事はその下にはそんなもので守らなければいけないものがあるのだろう。


 しばらく撃っていると岩の皮膚が壊れて中からサーモンピンクのいかにも柔らかそうな身体が露出した。紗幸のガトリングの前では微々たるダメージにしかならないけど一応僕も拳銃で撃ってみよう。


「このクソがッッガガ! 繧縷ァ唖アァアアッ!!」


 弾丸の雨が直撃したキガンドウジは相当痛いのかかなり苦しんでいた。ただ岩の皮膚はしばらくして怒りの雄叫びと共に再生してしまう。


 だがダメージは残っているのでこれを繰り返せばきっと倒せるだろう。うん、最初はどう戦えばいいのかわかんなかったけど思いのほか大した敵ではなかった様だ。


「よしよし、この調子でいけば倒せるね。紗幸、もっかいやるよ」

「えーと、それなんだけど……」


 けれど紗幸は少しバツが悪そうな顔になる。うん、わかってるよ、楽勝かと思いきや結局そうそう上手くいかない事も。


「今回は復興のお手伝いだけをするつもりだったから弾をあまり用意してなくて。ほら、その、弾丸って結構重いし」

「ふーむ」


 ちなみにガトリングの弾は一発二百~三百グラム程度なので、十発持てば二キロから三キロ、百発なら二十キロから三十キロになる。


 またガトリングの最大のウリは秒間数十発のその連射性能なので仮に百発持っていたとしても数秒で弾を撃ち尽くしてしまうコスパが極めて悪い武器なのだ。そのデメリットを無視出来るくらい確かに威力はすさまじいんだけどね。


「多分次に撃っても岩の皮膚を壊しきれないと思う。なんかその、ごめん」

「いいよいいよ。でも困ったなあ」


 もしみんながここにいれば何とかなったんだけどなあ。今からセラエノに頼んで追加の弾を送ってもらうのは……うん、無理だね。


「グオアアッッ!」

「あっ」


 しかもどうしようか作戦会議をしている間にキガンドウジは逃げ出してしまう。弾もないしここは見逃そうか?


 いや、それは愚策だ。こいつは逃げたんじゃない、間違いなくもっとも殺したい人間の所に向かうはずだ。


 その標的はもちろんフミであり彼女を護っている人間たちだ。急いで追跡しないと!

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