↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/22

レイナは目覚める②

続きです。

レイナの目覚めは、いつも重く、辛いものだ。


軋む体を、まるで棒の様な腕で押し上げる様は、自分の体の重みにさえ耐えきれない私は一体なんなのだろうかと、いつも疑問に思ってしまう。

爽快な目覚めというものを、一度は味わってみたい、そう願ったこともあったが、それも随分と昔に諦めてしまった。


生きることは、レイナにとって苦痛以外の何者でもない。

だから、その日の朝のことをレイナは、一生忘れることはない、そう思った。


「ん・・・」

柔らかな光を瞼越しに感じ、瞳の奥に火が灯るように熱くなる。

随分と長い間、寝ていた様だが、頭の中にある記憶は、クラレント卿の屋敷に通された後に、ぐらりと体のバランスを崩したところまでは覚えている。


それから一体、どれだけの時間が経ったのだろう。

1日か、2日・・・長旅の疲れもあるだろう。4日程度は寝込んでもおかしくないかもしれない。

レイナの意識が徐々に覚醒をしていくのと同時に、いつもの覚悟を決めていく。

そう、苦痛に耐え続ける覚悟を・・・。

この寝起きの油断を突くような痛みを耐え切った後に、体を起こすのが、「おはよう」より早い、レイナのあいさつなのだ。


しかし、それはいつまで待っても訪れなかった。

意を決して、目を開き、体を起こすと、肩に掛かる、手入れの行き届いた赤い髪がサラリと流れる。


「ここは・・・」

そこは、ガラス張りの温室だった。

空の日は、すでに高く、陽の光が身体を包む。

ベットの絹の柔らかな優しい感触。光の暖かさ、心地よい眩しさ。

遠くの山々まで煌めくような白銀の世界。


世界が変わったような錯覚を覚えるほどだった。

自分の置かれた状況もそうだが、、体の変化にも驚愕した。

体が軽いのだ。ゴリゴリと身を削る様な痛みもヘビが這い回るような熱も、氷が体の中を抜けていく様な悪寒も何も感じない。


身体が感じる全てが優しく、世界の全てが愛に満ちていた。

一ヶ月に一回は更新できるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。