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ソラ・ルデ・ビアスの書架  作者: 梢瓏
第三章 世界樹の守護者
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第24話 出身地

 セレスが気が付くと、辺りはすっかり夕暮れのオレンジ色の光に包まれていた。

 グレアラシルの部屋のベッドに横たわっていたので、これは一体どんな状況だ?と眠りこける前の状況を思い出そうとする。

 何となく窓の設定を変えた所までは覚えていたが、それ以降はトンと記憶が真っ白だったので、セレスはあの窓の風景を直した後に、魔力切れで倒れて寝てしまった事にようやく気が付いた。

「うっかりたくさん昼寝してしまった!!」

と、頭を抱えて後悔しても先に立たず。

 勢いよくグレアラシルの部屋を出ると、すぐ横にある台所からイイ~匂いが漂って来た。

「ああ~寝過ぎた!グレ済まん、引っ越し早々アタシがベッドを占拠してしまった!」

言いながら、いつもの自分のテーブル席に着く。

 すると、寝起きで寝ぐせで髪がモッサリとしたセレスを見ながら、

「そうですよ、姐さん。俺も少し眠りたかったんですがね、姐さんがベッドを占拠していたんで出入り口の近くの長椅子で昼寝してたんですよ~!」

少し拗ねた様にグレアラシルはセレスに抗議した。

「悪い悪い、何かアタシも疲れが溜まっていたのかね~。年甲斐もなく張り切って、窓と空間の魔法の修正しまくってしまった所為だな。」

 セレスは肩を撫でながら軽く謝罪する。

 そして、今台所で作っているのは何の料理何だろう?と、思いを巡らせた。

「う~~ん、今日の夕飯は美味しそうだな~。」

と、匂いを深呼吸しながら嗅いでいると、

「今日の料理はコレットの母上から習ったんだち!あちしの腕をガンガンに振るうから、覚悟しててくれだち!」

と言うミカゲの声がした。

「あれ?ミカゲ、コレットの家にお泊り会じゃなかったのか?」

 セレスは、コレットとミカゲの仲の良さだったらお泊り会までは行くんだろうと踏んでいたのだが、何故か帰宅して夕飯の支度をしているミカゲに疑問を抱いた。

 疑問を抱いて首を傾げ気味にしているセレスを見たミカゲは、

「あちしも、セレスの言った通りになりそうな予感が最初はしてたんだち。けど、セレスがコレットの親に渡して欲しいって言う書簡を見せたら態度が変わったんだお。何かあと、あちしが魔王の御影だった竜ってのも知ってたっぽくて、それでお泊りは出来なくなったんだち。」

そう言って、ちょっと悲しそうなテンションになった。

 どこの馬の骨とも知らない古本屋の店主だと怪しまれると思って、御名御璽まで引っ張り出した書類を渡したのがかえって裏目に出たか・・・・・と、セレスはまたしても頭を抱えながらテーブルで唸る。

「ああああ、何か難しいな~!あの、中途半端な立場の人たちは!ここいらの商店街の商工会の方がよっぽど付き合いやすいったら無いよ!」

長年の、メルヴィの貴族階級連中との付き合いの方が難しい現状に頭を悩ませた。

「って事は多分、残念ながらしばらくコレットとは会えない気がするけど、ミカゲなら我慢出来るよな?」

 セレスはミカゲに申し訳無さそうに尋ねると、

「大丈夫だち!セレスは心配性だな~~!」

と、全く気にしていない様な感じで答えた。


 台所のコンロの方からは、何かを加熱調理するジュージュー言う音が聞こえる。

 多分グレアラシルには、このミカゲとのやりとりはあまり聞こえていなかっただろう?とセレスは思っていた。

 コレットの事はしばらくした後に話せばイイか~とセレスは考えていた。

 それにしても、そんなにお泊りを門前払いにされた割には、よく料理なんて教えてもらったな?と思っていると、コンロ前調理の終わったグレアラシルから声がかかった。

「姐さん、この料理、コレットさんからミカゲさんが教わったって言う料理、実は俺の故郷の料理と同じなんですよ!さっきこの料理のレシピ聞いた時、めちゃくちゃ懐かしくて思わず泣きそうになっちゃいましたよ!」

グレアラシルが結構興奮気味に話すので、セレスは「へぇ~!」と感嘆しながら反応する。

 そして、何とな~くグレアラシルの故郷はどの辺なのか?を聞いてみることにした。

「へぇ~世間は狭いよな~。まさかのコレットの親の故郷とグレの故郷が同じかも知れないとか!ってその故郷って一体どの辺なんだ?」

 何とは無しに聞いてみたセレスは、グレアラシルから言われた地名に驚愕する事になる。

「俺は生まれも育ちもメルヴィレッジなんですがね、メルヴィレッジ内は結構転々として来たんすよ。この辺に来たのは割と結構最近なんすよね。あ、出身地でしたよね!ど田舎だけど結構有名っすよ!何せ世界樹があるあの『クレモストナカ』の街なので!」

「く、クレモストナカ・・・・・だとぉ・・・・」

 セレスはテーブルに突っ伏し、今にも息絶えそうな状態になった。グレアラシルが心配そうにオロオロし始める程に、テーブルの上に上半身をうなだれさせた。

 それを見ていたミカゲは反対に、大笑いをこらえながら息苦しそにしている。

「え!ミカゲさん?一体何がそんなにオカシイんすか?!俺にちゃんと説明しててくださいよ!!」

 心配性なグレアラシルも倒れられると困るなと推察したミカゲは、テーブルに突っ伏したままのセレスを放置してその理由を話し始めた。

「実はセレス、世界樹の守護者やってたりするから、クレモストナカ行くと神様扱いされていつもすんごく疲れて死にそうになるんだち。でもって、守護者って世界樹といつも繋がっている様な状態だから、多分ライカンスロープ君も昔セレスに会った事あるんだち。」

そう説明した後は、我慢もせずに大笑いしていた。

 セレスは突っ伏しながら、早く世界樹の守護者を辞めようと決意するのだった。

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