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隠された証拠

小林と大野は覆面パトカーで事故の起きた4カ所を回った。いずれも夜になると街灯の少ない場所である。


「小林君。この前、君はこう言ったな。

『どこに埋めた』と。マル被の車の話な」


「あぁ、覚えています。埋めるか、切断して海外に送るかしない限り、忽然と姿を消すなんてあり得ません」 


 大野は来る途中、解体屋があったことに気づいた。


「行ってみようじゃないか」


 そこはプレス機で潰された車が重ねられている他、まだ十分使えそうな車も並んでいる。重機の大きな音が響いている。


「あれは部品取りでおいてあったり、状態の良い車は中古での引き合いもあるんですよ」


 解体屋の店主はそう語ってくれた。


「ここに送られてくる車が不動車というケースは、むしろ少ないですよ。だからまだまだ自走できます」


「夜間の保管はどうされていますか?」


「まぁ盗まれるような車でもないのでね、鍵はつけたままです。ナンバーも外していますから、公道は走れませんしね」


「最近、これらの車種が解体に入りませんでしたか?」


 手配の三車種の写真を小林が見せた。


「あぁ、覚えていますよ。かなり酷使された車でね」


「まだありますか?」


「いや、すぐに潰して、ちょうど昨日鉄くずの引き取りがあったんですわ。今頃製鉄所じゃないのかな」


 小林が落胆した。念のため大野がサッカーチームや川野の話をしたが、店主や従業員は誰も知らなかった。


 署に戻り報告をした。課長は背もたれに体を預け、腕を組んだ。


「解体車を使ったのか。間もなく潰される車なら、足もつかないしな」


「この解体屋は門扉が壊れていたので、夜間車を出入りさせるのは、難しくなかったと思います」


 小林が解体屋の写真を見せた。


「課長!大野さん!」


 片山が書類を持って走ってきた。


「先日の鈴江博人君のお母さんが話していた、関西へ転居した子。橋本一馬君の父親の事で分かりました」


 地元県警察の調べで、橋本一馬の父親が最近、数回にわたり出張で家を空けていること。行き先が関東で、川野と接触があった事も判明した。


「課長、黒田君か片山君を関西に行かせてもらえませんか」


「よし、県警には私から捜査協力の依頼をしておく」


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