『花の城の音姫』 ~音の章~ 終
「では、最後の儀式に取り掛かります。」
「音、貴女の意識は黒猫・・・『かのん』に移り、その記憶、ほんの僅かなチカラも受け継ぎます。」
一週間に及ぶ長い儀式も無事に終わろうとしている。
私のチカラの殆どは、沖にある『犬岩』と『桜』の元に封印された。
そして、最後に記憶と僅かばかりのチカラは、黒猫『かのん』に移される。
私は、黒猫としてだが『現世』に再び存在する事が出来る。
この世に『不思議』な事はまだ沢山あり、夜魅の存在も消えたりはしない。
私と夜魅の王の戦いはまだまだ続くのだ。
だからこそ、私は『現世』に存在し続けなければならない。
たとえ姿が変わっても・・・
「でも、音。」
「本当にアレで良かったのですか?」
「ああ、と言うか、アレ以外に方法は無いだろう。」
封印の最中、私は『現世』に新たな『霧島華音』の存在とその主を定めた。
猫の姿の私ではもう『不思議』な出来事を解決する事は難しいだろう。
私以外でそれが出来る人物は・・・香奈以外に居ない。
さあ、これから忙しくなるぞ。
先ずは香奈にチカラの使い方を覚えて貰わなければなるまい。
その後は、花子だ。花子を存在させるチカラを身に着けて貰う。
本格的に『霧島華音』が機能するのはその後になるだろう。
私は忙しくなるであろう日々を思う。
再び目覚める時は・・・猫になっている。
そして、『霧島華音』で香奈と再会するのだ。
私は暗い闇に意識を落とした。




