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『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』 ~音の章~
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『花の城の音姫』 ~音の章~ 其の八

「音。」


「・・・千重か。」


私が一人になると、千重が姿を現した。

なんだかんだ言って、最近は度々起きてくる。


「いえ、音が寂しがっているかなっと思って。」


「べ、別に寂しくなんかないっ」


そう、一人で居るのにはもう慣れている。慣れている筈だった。

最近は、花子が居て、香奈達が居て、狐も居た。友達と呼べる者が大勢できた。

その所為かも知れない。


「・・・いや、千重には敵わないな。私は寂しく感じていた。」


暗い地下の広間に一人きり。それが寂しく思える。


「やはり、友達と呼べる者が出来た所為なのかも知れんな。」


「あら?私や・・・華は友達じゃないとでも?」


勿論、そんな事は無い。私の中で消えてしまう程小さくなってしまった華の魂。そして封印の時以外でも時折姿を現す千重。

どちらも私にとってかけがえの無い存在だ。


「勿論、友達だと思っているよ。」


「ん、宜しい。」


うんうんと頷く千重。私の中の華からも、同じ様な感情を感じた。


「で、千重。出てきた意味・・・それだけじゃ無いんだろう?」


「ええ。封印の準備が整いました。後は・・・貴女の憑代だけですね。」


私の憑代・・・黒猫の『かのん』。香奈達ならばそう時間もかからずに見つけてくれるだろう。


「私に実体があれば、あの人形を再び作る事も出来たのだけれど・・・」


「なーに、猫の体も案外良いかも知れんぞ?気ままに縁側で昼寝とかしてな。」


(それって・・・昔の音様と変わりませんよ・・・)


華の声がした気がした。



・・・

・・・

・・・


翌日。


「ただいま。華音さん。」


「おかえり。」

「『かのん』は見つかったようだな。」


「はいっ。」


昨日の今日だと言うのに、香奈達はもう『かのん』を見つけた。

『かのん』は香奈の手をすり抜け、私の隣にちょこんと座る。

私の封印の事もある。儀式は早い方が良い。


「早速儀式の準備をする。」

「その後此処の広間は封印され入る事は出来なくなる。」


「狐。ありがとう、私を守ってくれて。」


「何を言う。儂は姫の為だったら、命だって惜しくないのじゃ。」


「クラーケンも色々と面倒を掛けたな。」


(いえいえ。この程度、華音様から受けたご恩に比べたら・・・)


「香奈。」


「はい。」


「これより儀式は1週間程はかかるだろう。」

「・・・店で、私達が出会った場所でまた会おう。」


「はいっ華音さん。」


「最も・・・この次に会う時は私は猫の姿だがな。」


「どんな姿だろうと、華音さんです。私の大切な友達の・・・」


私は一人一人にお礼の言葉を掛ける。此処には居ない花子、香織、知真、葉和。皆かけがえの無い友達だ。

そして、千重も居る、華も私の中にまだ存在する。

もう、寂しくない。暗闇の中に一人で居るとしても。

私には大切な友達がいる。

そして・・・



『霧島華音』でまた会おう。

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