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『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』 ~音の章~
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『花の城の音姫』 ~音の章~ 其の五

山を下り、ふと、港の方を見ると明かりが見えた。


スンスンスン・・・


鼻をならし、匂いを嗅ぐ。

ああ、これは餌の匂いだ。向こうに餌が居る。

儂は地を蹴り、匂いの元へと向かう。


ドガァァァァァァァッ


明りの元、小屋らしき物を壊し、中を見ると餌が居た。


ジュルリ・・・


実に美味しそうな餌だ。

だが、この餌では腹の足しにはなっても、チカラはつくまいな。

まあ、良い。


「※%&$#”!!」


餌が泣きわめく。

儂は構わずかぶりつこうとする。


こつんっ


何かが当たったようだ。

見ると先程より少し大きい餌がいる。


「$%&¥¥@&”!!」


少し大きい餌は何か叫びながら、儂と小さい餌の間に割って入る。

なんじゃ?お前から食べて欲しいのか??

儂は口を大きく開ける。


「・・・けて下さい。」


言葉が聞こえる。餌が言葉を発したのか?


「どうか、この子だけはお助け下さい。」

「物の怪様、私はどうなっても構いません。私を生きたまま食べても良いです。」

「ですが、どうか・・・どうか。この子だけはお助け下さい。」


今度ははっきりと聞こえた。

ドウカコノコダケハオタスケクダサイ。

オタスケクダサイ。

お助け下さい。

儂の動きが止まる。

・・・コレは餌じゃない。

コレは・・・人間だ・・・


は・・・ははははは・・・儂はすっかり物の怪になってしもうたようじゃ。

もう、人と食べ物の区別すらつかない。

儂がここに居れば、生き残った民を全て喰らい尽くしてしまうだろう。

儂は意を決し、人に話しかける。


「警告するのじゃ・・・儂はあの山に居る。何人たりとも、あの山に近づくでないぞ?」

「もし、この警告を破り、山に踏み入れようものなら・・・其の者の命は無いと思え。よいな?」


「え・・・?そのお声は・・・姫様??」儂の声に、人が反応する。

どうやら、儂と会った事がある人の様じゃ。

儂は其れすら分からない。


儂は、山へと戻った。

儂の体からは、常に瘴気が漏れている。

その瘴気は木々を枯らす。しかし『桜』だけは枯れない。

『桜』には何かしらのチカラがあるのではないか?

あの物の怪は『桜』を狙ってこの国に来たとも考えられる。

何にしても、儂の体が瘴気を発する以上、このままにはしておけない。

儂は『桜』の傍に穴を掘って行く。ある程度掘ったら其処を広めの穴にし、広間の様にした。

儂は此処から出る事は無い。

もう・・・2度と。

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