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『花の城の音姫』 ~音の章~ 序
世の中に『不思議』な事は結構ある。
例えば『私』。そして『香奈』。
そんな私が『不思議』を扱う『何でも屋』をしてた事実は『この世』には無くなった。
・・・私自身の存在さえも。
『祠』の地下・・・『桜』の下に位置する広間に『私』は居る。
その姿は巨大な黒い獣。隣には白い狐が控えている。
ちゃらん・・・
少し体を動かすと、今にも切れそうな鎖・・・封印が音を立てる。
その鎖の存在で封印が辛うじて機能している事を示している。
「のう、姫よ。」
「その封印・・移し身に魂の一部を移すまで・・・持つのかの?」
移し身。黒猫の『かのん』
魔術で召喚した使い魔で精神体に近い存在だが・・・移せるチカラはほんのひとかけらになるだろう。
あの人形・・・『霧島華音』の様には行かない。
「さてな。『鍵』を持っているのは、海魔。それ以外でここに来れる可能性のあるのは花子。そして・・・」
「・・・恐らく香奈。」
「姫よ。何故そこまで桃井香奈をかっているのだ?」
「親友だ・・・とは、さっき聞いたが?」
狐は何となく香奈が”普通では無い”という事には気が付いている様だ。
そう、香奈は”普通では無い”。
その事は、追々・・・いや、此処に香奈が来るだろう、その時に話そう。
私の・・・
狐と出会う以前・・・
私が里に住み、『音』という名で呼ばれていた頃の話を含めて。




