表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第6章 『千重の桜』 ~華音の章~
39/53

『千重の桜』 ~華音の章~ 其の四

1週間程たった。

漸く私達は結界の準備を終えていた。


「しかし、姫よ。結界を張るとは、千重さんの結界だけじゃ『祠』は守れんという事か?」


「いや、これは誘いだ。」

「今居るような、雑魚じゃ結界は破れんが、やつらが入れんような大きな結界を張れば、大物が出ざるを得まい。」

「それに・・・」


「香奈達も安全になるだろうからな」


「誘いか・・・」


「先ず結界は2段構えとする。一つはてうし全体。此れは、雑魚が入れなければよい。」

「もう一つは、『桜』周辺。大物以外入れん様にし、ここに誘い出す。」


「それは、危険な賭けじゃないか?」


「うむ、だが、時間が無い。」

「海魔に調べさせていたのだが、海底に『楔』が4本確認された。」


『楔』を使い『常世とこよ』を『現世うつしよ』に引っ張り上げる。

常世とこよ』の夜魅やみは『現世うつしよ』に溢れ・・・人の世は終わりを告げる。

4本程度の『楔』で『常世とこよ』を引っ張り上げる事は出来まいが、私のチカラを利用すればそれも可能だろう。

私を殺し、その瘴気を溢れさせれば。

本来ならば、私など封印してしまえば良いのだが、私のチカラが無くともいずれ事はなされてしまうだろう。

故に私自身を囮に使う。

封印が弱まり、私自身が完全に覚醒していないこの時期を利用して。


「姫、儂は何をすればいいのじゃ?」


「狐は、花子と共に、てうし全体を包む結界を頼む。」

「私は、千重と共に『桜』周辺に結界を張る。」


千重はまだ眠っているがな。

最悪は、私自身でもある程度の結界は張れるだろう。


「分かった。行くぞ、花子。」


「え、ちょっと・・・ここちゃんが仕切るのぉ??」


私の命を受けると、狐は山道を駆け下りる。


「待ってくださいよぉぉぉぉ」


花子も慌ててそれを追いかけて行った。


「頼んだのじゃ。愛しい子狐。」


私は、昔の口調で呟いた。


「千重・・・千重・・・起きているか?」


私は『桜』に語り掛ける。


「ええ、起きていますよ。」


ぼぅっと『桜』から巫女装束に身を包んだ少女、千重が姿を現す。


「じゃあ、早速始めよう。」


「ええ。」


その夜、眩しい光がてうし市を包み込んだ。

私と千重、狐と花子の張った結界は、弱き夜魅やみを祓い、全ての準備が整ったのだ。

その光は一瞬の事。直ぐに夜は静寂を取り戻したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ