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『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第6章 『千重の桜』 ~華音の章~
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『千重の桜』 ~華音の章~ 其の一

『桜』の元で準備を進める私と花子の元に子狐が帰ってきた。

封印が解けかかっている事が子狐にも分かったのだろう。それはつまり、夜魅やみの王も気付いているという事だ。


「む、子狐か。お帰り。」


「おかえりなさ・・・って誰ですか?この娘??」


ああ、そういえば花子は知らないのか。

とりあえず、昔馴染みの妖狐だと説明する。


「ああ、それで子狐ですかぁ〜・・・じゃあ、ここちゃんって呼びますね?」


「儂はもう、子狐ではないのじゃ。」


「そうだな。」


もう、立派な白狐だ。子狐とは呼べないだろう。


「これからは狐だな。」


「え、え〜〜〜わ、私はここちゃんって呼びますからね!?」


「ところでこの”いかにも”な女子は誰じゃ?」


花子が知らないのだから、当然、狐も花子の事は知らない。

狐には、私の属神で、手伝いをしてもらっていると説明する。


「華音様の”唯一の属神”。『厠神』の花子です。」


狐はむっとした表情になり


「ほう、そうか、儂は姫の”親友”の狐で・・・そうじゃの、名前は『桜井さくらい千重ちえ』じゃ。」


と”親友”を強調して自己紹介をする。

狐は昔から、千重が好きだったからな。名を持っていない狐はそう名乗ったのだろう。

我らの間では、「姫。」、「子狐。」で通っていたから、名前に必要性はなかったのだ。

まあ、私が付けても良かったんだがな。


「それはそうと、姫。」

「先程、『祠』から出てきたように思うたが、あの『祠』の扉は開けてはいけないのではなかったのか?」


「ああ、あれはな。花子のチカラで街にある店とココを繋いだんだ。」


「ああ、それでか・・・って封印は!?」


驚いたような表情を見せる狐。・・・まあ、本当に驚いているのだろうが。


「封印はもう少し奥だ。」


実際には、奥の広間に封印がある。

まあ、念の為に扉は中から開かないように簡易的な封印はあるのだが。

その後も、あれやこれやと質問攻めにあい、ようやく落ち着いた頃・・・


「ただいま。姫。」


と、狐は照れながら言った。


「お帰り。狐。」


・・・

・・・

・・・


「狐。お前に頼みがある。」


私はそう切り出す。結界の事もあるが、当面の心配がある。

・・・香奈の事だ。

香奈は、”普通”では無い。霊的なモノが見えている。

見る”チカラ”があるという事は、そういうチカラを糧とする奴等・・・低級な夜魅やみの標的となる可能性を示している。

香奈の”チカラ”、其れはおそらく・・・


「桃井香奈という少女を守って欲しい。」


「桃井香奈?姫では無く、その少女を守るのか?」


狐は少々いぶかしげな表情を浮かべるが、「分かった。」と言ってくれた。

狐には、霧華に転校生として、入り込んでもらう事にした。

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