表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第5章 『学校の七不思議』 ~花子の章~
33/53

『学校の七不思議』 ~花子の章~ 其の三

「って、感じなんですぅ」


私は、華音様の正体の部分を伏せて、香奈ちゃん達に私の事を説明した。

私が華音様の正体を言うのは簡単。でもそれは華音様自身の言葉で伝えるべき事。

華音様は『土地神様』それが、どういう『神』なのかを・・・

・・・なんてね♪

私は自分の正体を皆に明かして、気持ちが楽になった気がする。

きっと、華音様も・・・

何て、思ってたら・・・


「あ、って事は、花子さんは幽霊・・・なの?」


今更な空気を読まない質問をする双子の赤い方こと、知真ちゃん。

んー華音様のトコロをぼやかして説明しちゃったからな〜


「んーみたいなものですけど、正確にはちょっと違うみたいなんですよ〜」


と、あまり分かっていない様な口ぶりで誤魔化と・・・


「花子はどちらかというと、神様になるな。」

厠神かわやがみというトイレの神様・・・みたいなものだ。」


と、華音様が助け舟を出す。

いや・・・ちょっと華音様・・・神様って言っちゃったら、それを従えてる華音様は何なの?ってなりません!?

って、心の中でツッコミを入れる。その間に『厠神』の事を説明する華音様。


厠神かわやがみと言うのは、その名の通りトイレの神様だ。トイレを綺麗にすると美人になる。また、妊娠・出産にも関わりがあると言われている。

それは、トイレ・・・厠が境界、異界的に考えられる事がある為だと言われている。

花子の『扉があれば”どこにでも移動できる”』というチカラはその為だ。

昔は、厠神信仰が盛んで、トイレに美しい花飾りを供える事で、厠神を祀っていた。今のトイレに造花などを飾って綺麗にする。と言うのは、厠神を祀る信仰の名残だと言われている。


とか、なんちゃらかんちゃら。

そんな難しい説明しなくてもアレでいいじゃないですか〜

って訳で分かりやすく追記すると・・・


「ほら歌にあるじゃないですか〜」

「トイレには女神がいるんだよん〜みたいなの」

「あれ・・・私です♪」


私、完璧☆

最近?の女子高生の皆さんなら、これで一発ですぅ♪


びしっ


「調子に乗るな!」


いったぁぁぁぁぁぃ

ドヤ顔をしていた私に、華音様のツッコミが入る。


「はぁ〜話が突拍子もなくて、良く分かんないわ。」

「まあ、華音さんのお蔭で、『不思議』には耐性が付いたけどね。」


と、『紅蓮』こと香織ちゃん。


さて、皆も落ち着いて来た事ですし、次のステップに進まなければなりません。


「えっと・・・その・・・」


これは、私・・・いえ、私達にとって、最も重要な事。

私の正体を知った上で・・・


「・・・こんな、私ですけど、友達で・・・いてくれますか?」


言った後、私は思わず目を瞑る。

不安と緊張が・・・


「うんっ」「はい。」「ええ。」「・・・勿論ですっ」


って、思ったら、即答だった。


「さて、他・・・どうしようか?」


「なんかもう、そんな感じじゃなくなっちゃったね。」


「よし、じゃあ〜お開き〜〜〜」

「残った3つが本当だったって事にしよう!」


そんな事は、些細な問題だと言わんばかりに、この後の話を始める4人。


「え?トイレの花子さんは、本当ですよ??」

「・・・私だし」


「いいんですよ、花子さん。」

「『七不思議』の花子さんはこわ〜〜い存在だけど、私達の友達の花子さんはそんな事は無いからね。」


「香奈ちゃん・・・」


華音様・・・私は・・・

華音様に助けられ、この子達に出会えて、本当に良かったです。

この子達なら大丈夫です。華音様の事も受け入れて貰えます。

さあ、華音様!


私は華音様の方を見る。

華音様は、ぎゅっと口を結んで言いあぐねている様に見える。

他の皆は、校門に向かって歩きはじめる。

私達もついて校門に向かう。

私と華音様は、無言のまま校門へと歩く。

校門に到着する。

皆が「それじゃあ、また明日。」と帰路に着く。

結局、華音様は言いだせなかった。


「華音様っずるいですっ!」

「結局自分の事は何も言わないんですから・・・」


言って、はっとなる。

私と華音様では、重みが違う。


「あ、すみません・・・」

「私とは状況が・・・違います・・・よね。」


それだけ言うと、また無言になる。

やがて、華音様が重い口を開いた。


「いや、私に勇気がなかっただけだろうな。」


「でも、あの子達は分かってくれてる・・・と思いますよ?」


「・・・ああ。」


それは、華音様も分かっている。


「にゃーーー」


足元から、猫の鳴き声がした。


「どうしたの?」


黒猫の『かのん』だ。

私は『かのん』を抱き上げる。

華音様はその鳴き声に反応し、辺りの様子を探っているようだ。


『桜』が咲いている。

学校の裏手、咲く筈の無いご神木の『桜』。季節も秋。時間も夜。

なにより、数十年前より花をつける事は無かった『桜』が咲いていた。

夜の闇に怪しく光り輝く。

しかし、それも一時の事。『桜』の輝きは失われ、夜の闇にのまれていく。


「封印が・・・解ける・・・」


「華音様??」


「私の・・・封印が解けてしまう・・・」


華音様は、再び学校の中へと駆け出した。

私もその後を追いかけ、学校の中・・・そこを抜けて『桜』へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ