『自分攻略サイト』 ~華音の章~ 序
世の中に『不思議』な事は結構ある。
例えば『私』や『花子』。そして、同じ刻を繰り返す『守護霊』。
そんな私達が『不思議』を扱う『何でも屋』をしているのは『不思議』じゃないのかもしれない。
「見つけたッ!」
「お前!『霧島華音』だ!」
「『霧島華音』に来い!」
私は、普段出さないような大声で叫ぶ。
突如として現れた強大な気配、因果と歪。
その前兆を察知した私は、『霧島華音』を飛び出し、『ココロード』でその元であろう男を見つける。
しかし、間に合わなかった。
居眠り運転だろう、ワゴン車が男・・・そして一匹の黒猫を轢いた。
その瞬間、強大な因果と歪を持った『何か』の気配は立ち消えた。
「間に合わなかった・・・のか?」
この事が、この先どのような影響をもたらすのかは分からない。
唯言えるのは、
『何か』は救われなかった。
という事だろう。
後に残された、ワゴン車に引かれ息絶えた男にもう、そのチカラは感じない。
手遅れなになった男の脇をとおり、黒猫を抱き上げる。
『かのん』
それが、黒猫の名前。私と同じ名前。そして、私と同じ存在の一つ。
私にもしもの事があった時、『かのん』は必要だった。
私の手の中で、『かのん』は黒い霧となって消えた。
ピーポーピーポー・・・
誰かが呼んだのであろう、救急車が到着する。
これは、起こりうる可能性の一つの結末。
その先に待つものは・・・
・・・この世の終わり。




