表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音・結』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第4章 『自分攻略サイト』 ~華音の章~
24/53

『自分攻略サイト』 ~華音の章~ 其の一

〜9月14日〜



ふぁぁぁぁぁぁ。


私の口から、大きな欠伸がこぼれる。

先日の『異世界』騒ぎの後、盛り上がって徹夜でオンラインゲームに興じていた為だ。

不在だった『漆黒』と『紅蓮』が復帰した事により、グランドクエストは大きな進展を見せた。

メーカーはこのゲームを10年持たせようとしているらしく、攻略した後からドンドン追加されるので、まだ先は見えないのだが。

そんな訳で、私も花子も寝不足という訳だ。

そこはそれ、毎日が日曜日な私は、今から寝ればすむ事だが・・・


「ジャ、私は寝る。」


と花子に告げて、寝室に向かおうとするとコンコン・・・っと扉がノックされた。


「花子。」


「はい、華音様」


とたたたたっとスリッパを鳴らして駆け寄り、「はーい」と返事をしながら扉を開ける花子。


「何か御用ですか?」


「すみません、『霧島華音』・・・様?でしょうか?」

「俺・・・いえ、私は、佐藤一郎と・・・」


緊張しているのか?しどろもどろになりながら自己紹介をする。


「あ、すみません、私は華音様じゃないんですよ。」

「ノック2回だったので、私に用事かなーって思っちゃいました。」


ノック2回はトイレのノック。

花子を呼び出す条件の一つでもある事から、私も花子に用事と早とちりをした。

・・・眠くなければ、そんな事も無かっただろう。


「お客の様だな。」


「花子。」花子に促し、男・・・佐藤一郎を中に招き入れる。

花子がソファーを薦めると、ソファーに腰を下ろす。

20台半ば・・・くらいだろうか。とりあえず、用件を聞くことにする。


「さて、むー佐藤一郎・・・だったか?」

「『霧島華音』に来た訳を聞こう。」


「貴女に、『霧島華音に来い』と言われました。」


ふむ、面白い事を言う男だ。

私は佐藤一郎と言う人物に面識は無い。


「私は、お前に会った事は無いと思うのだが?」と聞くと、さらに面白い答えが返ってきた。


「ええ、この時点ではそうですね。」

「ですが、21日の夕方に、私は貴女にそう言われたんです。」


「面白い事を言う、まるで未来から過去に戻った様だな。」


「・・・正に、その通りです。」と、佐藤一郎は此れまでの経緯を話し始める。


佐藤一郎は、9月14日から21日までを繰り返しているらしい。

最後、21日の18時45分に何らかの形で死ぬ。そして14日の朝に目覚める。との事だ。

興味深い事例だ。

もし、佐藤一郎の言っている事が事実ならば、『時間の概念から外れた存在』であるという事になる。

当然、そんな事は『この世のモノ』には出来る事ではない。

その事について語るには先ず、時間の概念について説明せねばなるまい。

端的に言えば、過去には戻れない。時間とは川。人の認識の違いだけで、それら全てが一郎の未来と言う事。


「えっと・・・さっぱりわかんないんですけど?」


まあ、花子は兎も角。


「私も良く分かりませんでしたが、21日の次の日が14日でも未来って事でしょうか?」


と、一郎も半信半疑のようである。


私は、「哲学的にはな。」言い


『時間の概念から外れている。』


と結論図ける。

やはりよく分かっていない一郎に対し、私は結論を述べた。

そして、こう続ける。


「お前は選び続けなければならないようだ。」


「選び続ける?」


「そうだ・・・」


何十回、何百回と繰り返す同じ刻の中で唯一つの正解を求めて。

ループを抜けるその日まで、何度でも、何度でも・・・



〜9月21日〜



「間に合わなかったか・・・」

「いいか? 次の刻でも私を探すんだ。この日、この時間を迎える前に!」


私は、普段出さないような大声で叫ぶ。

突如として現れた強大な気配、因果と歪。

『ココロード』に駆けつけた私が見たのは、居眠り運転だろう、ワゴン車が男を轢いた所だった。

その瞬間、強大な因果と歪を持った『何か』の気配は立ち消えた。

この事が、この先どのような影響をもたらすのかは分からない。

唯言えるのは、


『今回も』正解ではなかった。


という事だ。

後に残された、ワゴン車に引かれ息絶えた一郎からはもう、そのチカラは感じない。

一郎は過去・・・一郎にとっては未来に旅立ったのだろう。



これは、起こりうる可能性の一つ。



その先に待つものは・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ