『黒歴史ノート』 ~直哉の章~ 終
俺は、ゆっくりと目を開いた。
そこは見慣れた自分の部屋。『アース』ではない。
窓の外は夕暮れに赤く染まっていた。大分・・・寝過ごしてしまったようだな。
寝過ごしたけれど・・・とても清々しい、晴れやかな気分だ。
「全部・・・やり遂げたんだよな。」
俺はひとり呟いた。
ピロロロロピロロロロ・・・初期設定の何の変哲もない着信音が現実に引き戻す。
妹の香織からだ。
「は・・・」
「お兄ちゃん!?良かった起きたのね!?」
食い気味の香織。
「なんだ?携帯に出てるんだから、起きてるに決まっているだろ?」
「そういう意味じゃなくて!!・・・も、もう、起きているならいいのよ・・・」
泣き声の様に聞こえる。
そうか・・・
「・・・心配かけた。」
「そ、そうよ、心配したんだから・・・」
「香織。ありがとう。」
「それから・・・香奈と『裂光』、『深闇』にもよろしくな。」
「うん・・・あ、『深闇』って言うか、華音さんが後でこちらに来るようにって?」
「華音さん??ってひょっとして『華音様』の事か?」
「え?あれ??知ってるの??」
「ああ、会った事は無いが、噂程度ならな。」
『不思議』な出来事を解決する。『不思議』を扱う『何でも屋』を経営する人物。
地元の住人には『華音様』と崇められている・・・か。
「分かった、明日にも其方に伺います。と伝えてくれ。」
「うん、分かった。」
俺は携帯を切ると、再びベットに横になる。
『霧島華音』か。俺達が体験した『不思議』の理由をどう、解説してくれるのか楽しみだな。
そんな事を考えていると、先程まで眠っていた筈なのにまたも睡魔が襲ってくる。
俺は、その睡魔に身をゆだね、眠りへと落ちた。




