『黒歴史ノート』 ~直哉の章~ 其の十
『ベータ大侵攻作戦』
開始まで・・・あと5分。
「総員、配置についたな?」
俺達は、5つの部隊、すなわち『幻影』のギルド、『新羅』のギルド、『深海』のギルド、『白狼』のギルド、そして俺達5人の部隊を編成し、各攻撃ポイントに部隊を展開している。
「我の方はおっけーじゃ。」「『幻影』部隊、配置完了だ。」「『深海』、準備良し。」「・・・・」
「『白狼』、何か言え!!」
「『漆黒』、準備完了だ。」
離れているのに会話が出来るのは、『新羅』の『ウインドチャット』という、離れたフレンドと会話する為の魔法の効果だ。
「って言うか、風属性の魔法・・・案外便利ね。」
「これがあれば、すぐに凍夜兄さんと合流できたのに・・・」
まあ、俺達の場合は、二人並んでプレイしていたからな。
その魔法は、必要なかった訳だ。
「ギルマスの必須スキルじゃぞ?」
「兄と”イチャラブ”プレイばかりしておるから・・・」
『新羅』のツッコミが入る。
そんな『新羅』は『幻影』と”イチャラブ”プレイとやらをしていた訳だが・・・
「し、してないって!!」
「まったく、緊張感がありませんねぇ〜」
「あ、華音様、お茶です。」
「うむ、頂こう。」
「花子さん達も緊張感ないからーーー」
力いっぱい叫ぶ香奈。
こちらの陣営も緊張感が無い。
まあ、緊張していては何時も通りの力は出せない。良い傾向と取る事にする。
そしてついに、最終ステージの幕は上がった。
『ベータ大侵攻作戦』
開始・・・ステージ1・・・スタート。
「皆の健闘を祈る。」
「「「「了解ッ!!」」」」
この『ベータ大侵攻作戦』は、5つのステージに分かれている。
それぞれのステージで侵攻してくる『ベータ』を殲滅させるというものだ。
そして、最終ステージでメインとなる『ベータ本隊』の所に、『ベータ指揮官』が現れ、それを撃破ができればクリア・・・
・・・と言う事になるらしい。
「『ベータ』確認・・・近接タイプ20です!」
「まずは小手調べって訳か・・・」
「俺と香奈、花子さんは、前衛・・・香織、華音さんアタック宜しく!」
これまで通りのフォーメーションに新たに、花子さんを加えたものだ。
なお、パーティは4人までなので、俺と香織、華音さんと香奈と花子さんのパーティに分かれている。
「全員のHPが目視が出来ない状況なので、華音様と、香織さんはHPの管理の情報共有をお願いしますね〜」
「言われんでも、分かっておる。」
「彼の者たちの動きを封じよ!『シャドウバインド』」
無数の影が、『ベータ』の動きを鈍らせる。
「燃やし尽くせ紅蓮の業火・・・『クリムゾン』!!」
其処に香織の火属性魔法が炸裂する。
中心程威力の高くなる魔法である『クリムゾン』の外周部分では、何体かの『ベータ』が残った。
俺は、そこにスキルを叩き込む!
「雷光一線・・・『スラント』!」
「雷槍一線・・・『スライド』!」
さらに花子さんが、槍の同系統スキルで合わせる。
大剣と槍。
それぞれ対となるスキル『スラント』と『スライド』、この2つのスキルで、残った『ベータ』も一掃する。
「この、『裂光』の技の冴え・・・見たか!」
槍をヒュンヒュンっと回し、ポーズを決める花子さん。
この動作も『演武』という、槍のスキルで次の攻撃の攻撃力及び効果範囲を上げる。
「花子さんっかっこいいです!!」
「っと、来ますっ近接20に遠距離タイプ10・・・」
ヒュンヒュンヒュン・・・
遠距離タイプ『ベータ』のレーザー攻撃が降り注ぐ。
「通しませんっ!『ゾーンシールド』!!」
が、香奈の盾スキルによって、全て弾かれる。
「必殺の一撃を受けよっ! 『スライド・エンド』!!」
先程の『スライド』をさらに高威力、広範囲にしたスキルが炸裂する。
こちらも負けてはいられない。
「やるな!『烈光』!!」
「こちらも行くぞ・・・『ハイ・スラント』!!」
俺は、先程の様に、対となる大剣のスキルを発動する。
「なんか、前の方が楽しそうだな。」
「お兄ちゃんの浮気者ーーーーッ『ヴォルケーノ』!!」
巻き起こるマグマの渦が遠距離タイプを焼き尽くす。
「・・・妹よ・・・浮気者って表現に疑問を感じるのだが・・・」
「気にしたら負けっ!」
「ブラコン・・・」「ブラコンだよね?」「ブラコンだな。」
とりあえず、ステージ1は問題なさそうだ。
まあ、流石に最初からムリゲーなバランス調整はおこなっていなかったって事だな。
(エマージェンシー・・・エマージェンシー)
その時、機械的な音声が鳴り響く。ステージ1のボスの出現だ。
現れたのは、『サイクロベータ』
時間さえ掛ければ、俺でもソロで討伐できるボスだ。
「なんだ、『サイクロベータ』じゃない。」
「復活怪人は、雑魚なのよっ『クリムゾン・ノヴァ』」
「うむ、『エクリプス』」
「だよなぁ・・・『シャイニング・エッジ』」
とりあえず、速攻でスキル、魔法を叩き込む各人。
哀れ『サイクロベータ』は瞬殺されてしまった。
(ステージ1・・・クリア。)
(10分のインターバル後、ステージ2を開始します。)
「・・・ところで、復活怪人ってなんですか?」
一人取り残される香奈だった。




