『黒歴史ノート』 ~直哉の章~ 其の四
「マーク。お前はここで隠れているんだ。」
俺とマーク、リミアは、俺が入ってきた方の入口・・・すなわち、竜の巣と思われる場所に来た。
ガラクタの陰からそっと様子を伺うと、先程は居なかった巨体・・・竜の姿が確認できる。
「レッサードラゴンの様だな。」
レッサーと言えど、ドラゴンはドラゴンだ。
その体は厚い鱗に覆われ、口からは燃えさかるブレスを吐き、その翼は暴風を巻き起こす。
俺は、この場で戦う事を選択する。
この洞窟の中なら、ドラゴンは大きな動きが取りづらく、飛ぶことも出来ない。
魔法が使えない俺は、飛ばれたらどうしようもないのだ。
俺は、二人の元に戻るとここで戦う事を説明し、二人はここから絶対に出ない様に念を押す。
「では、行ってくる。」
俺は、ドラゴンと対峙する。
ドラゴンは、餌を食べ終えたばかりなのだろう。体を丸め、眠っているように見える。
先制攻撃のチャンスだ。
俺は、愛用の大剣『覇皇龍斬剣”戒”』を抜くと、最大の攻撃力を持つスキルを放つ!
「『オーバーエンド』!!」
オーラを纏った大剣を振り下ろす”だけ”のスキルなのだが、”タメ”が異常に長い。
当てるには、このように先制攻撃の時か、仲間によるサポートが必須なのだ。
上段に構え、オーラを最大まで貯める。
そして・・・一気に振り下ろす!!
グォォォォッォォォォオォ
流石は、伝説級の武器に最大の攻撃力を持つ技。厚いドラゴンの鱗を易々と引き裂き、大ダメージを与える。
ドラゴンは目を覚まし、怒り狂って大暴れする。四肢を振り回しガラクタが次々と飛んでくる。
俺は距離を取りながら、回避しドラゴンの隙を伺う。
赤く燃えさかるドラゴンの瞳には、もはや俺しか映っていない。
爪、尻尾など、次々と攻撃を仕掛けてくる。
俺は、爪を『パリィ』、尻尾をバックステップで回避する。
尻尾の攻撃の隙を突き、俺はスキルを放つ。
「『グランドクロス』!」
大剣を横斬り、縦斬りと繋ぐ中級スキルで、攻撃力よりも隙の無さを重視した選択だ。
一度スキルを打ち込んだら、またステップで距離を取る。
その時、ドラゴンが大きく息を吸い込んだ。
・・・ブレスの体勢だ!
ブレスは、距離を取り回り込めば何とでもなる。
俺はさらに距離を取ると、回り込むように駆け出す。
ドラゴンは、大きく息を吐いた。
刹那。眩い雷光が俺を襲った。
「ぐぁぁぁぁぁぁ」
ライニング・・・ブレス・・・だと!?
俺は、最大HPの半分以上ダメージを受け、地面を転がる。
袋から、ハイポーションを取り出しHPの回復をする。
じわじわとHPが回復を始める。
全快するまでに、もう一度喰らったら・・・終わりだ。
ドラゴンは、トドメとばかりに大きく息を吸い込む。
「騎士殿!!」
「来るんじゃない!!」
マークとリミアがガラクタの陰から飛び出そうとするのを制止する。
ドラゴンは大きく息を吐く!!
俺は、懐から短剣を取り出し投擲する。
ライトニングブレスは、短剣に吸い込まれるように被弾する。
「これが、ライトニングブレスの対処法だ。」
「とりあえず、適当なものに落とせばいい。」
ブレスには”タメ”がある以上。見てから対処できる。
ライトニングブレスと分かった以上、もう喰らう要素は無い。
ブレスの隙に、俺はまたスキルを叩き込んだ。
グォォォォォ・・
こころなしか、ドラゴンが弱ってきた様に見える。
やはり最初の攻撃はドラゴンのHPを半分以上削っていたんだろう。
俺は、トドメのスキルを放つ!!
「『ライトニング・バースト・ストーム』!!!」
大剣をまるで片手剣かの様な速度で斬りつける。
唐竹、袈裟、逆袈裟・・・トドメに大上段からの斬りを放つ!!
グォォォォォッォォォォォォォォォォォォォオォォオォ
ドラゴンは断末魔の叫びをあげ、ズシンとその巨体を落とした。




