劇終秒読
途中無理やり感ある
あかん、アカン。
これは不味い。
一対一なら何とかなるけど、30と少しという数の荷物を抱えてちゃ勝てない。
逃げるという策は成功しない。
勝つというのも無理。
囮とかは無しの方向でどうにかできないか。
相手に知能があれば何とかできるかもしれない。
しかし何を考えても効果があるかは分からない。
ならまずは司令塔たる勇者と聖女を起こすか。
「起きろ、勇者と聖女」
控えめにあまり刺激しないように、もし洗脳解けてなかったら最悪刺されるからね。
「ん...んう?」
「チッ...誰だよ寝てんのに...」
殴っていいかな?このクソ勇者
聖女は二度寝すんな
「いいから!早く起きろ!ヤバい奴が来てるんだ!」
クソ!焦ってきた。
『俺』でこんなに焦るとかいつぶりだよ。
11年ぶりだよ!
ダメだ、思考がずれる。
「んんぅ......」
「ヤバい奴って誰だよ?...あ、あと今までわ」
「煩い!戦う準備をしろ!」
面倒くさい奴め、
...もしかしてこいつ近づいてくるヤバい奴の魔力を感知できてない?
そうだとしたら何言っても仕方がない。
あぁもうやはり『俺』は運が悪い。
聖女は三度寝すんな
いったい何なんだ。
アカツキの奴はめったに崩さない顔の表情を崩して怒鳴るし
周りの皆は倒れてるし......?
しかし『なぜアカツキだけが立っているんだ?』
敵の襲撃にあっていたとしてそれに俺たちが気づかないはずがない。
......!
そう言えばアカツキは実は魔族、ていう噂があったな。
もしその噂が本当のことだったら...
さっきは今までのことを謝ろうとした。
理由は今まで『何故か』俺たちはアカツキを敵視していたからだ。
正直言って敵視していた理由がわからないがな。
そして突然そのことに対して罪悪感が湧いてきた。
だから謝ろうとしたんだが、俺の推測通りなら此奴は敵だ。
「なぁ、アカツキ...お前何言ってんだ?」
正直に言ってくれ
「俺にはそのヤバい奴のを全く感知できないんだが」
周囲の魔力を使って前後20メートルは感知範囲にしているが、反応はなし。
「実はそのヤバい奴はお前...とか?」
勝手な主観での考えだが、俺はアカツキの力を異常視しているから
この考えか、アカツキがふざけている、とかしか考えられない。
だがこんな仲間を疑うなんて最低な思考をしていると俺の感知範囲に何かが入ってきた。
その瞬間、俺の目の前で理解できないことが起きた。
アカツキが二人に増えたのだ。
正確には道の先からアカツキがもう1人歩いてきたのだ。
「ちがう、俺とお前じゃ感知範囲が違う」
なんでやねん!
このクソ役立たず何考えてやがる。
俺を疑うなよ!
ここは信じろよ!
なかなかに理に適ったことを言っているが、残念。
いまヤバい奴は少なくとも50メートルは離れてるから勇者の感知能力じゃ感知できない。
勇者が周りを索敵したか、その感知範囲は精々が20メートルくらい。
なんでわかったかと言うと
今は俺の魔力がここら一帯を埋め尽くしているからどこに何があって何がどうしてるか手に取るように分かる。
前後左右半径500メートルの範囲を感知可能だ。
幸いなことにこの洞窟、迷路みたいだからヤバい奴が来るのにまだ時間がかかると思ってたんだが
野郎、壁ぶち抜きやがった。
そしてぶち抜いたら優雅に歩くなよ!
ムカつくな!
緊張とかめったに感じない焦りとかで悶着してたら、ヤバいのが勇者の感知範囲に入って俺たちの視界に現れやがった。
なんで俺と同じ姿してんだよ。
アカンこの状況アカン
この状況だと俺が魔族、なんていう噂の信憑性が増す。
ここ1か月で習った中に魔族の特徴は血縁関係にあると稀に容姿が酷似した個体が現れる、というのがあった。
しかもこういう姿かたちを真似てくる敵、もしかしたらマジで俺と似ているだけかもしんないけど
まぁこういう敵はえてして何故か記憶や口調、行動さえも真似てくるのだ。
そしてそんな敵は今の俺に対して唯一の天敵である。
勝てるが勝てない。
俺と同じ体格でさらに同じ思考なら、勝てる。戦いは、だが。
もしこいつが言葉で俺に攻撃するなら、負ける。
言霊、という言葉がある。
意味としては言葉には言ったことに関する力が宿る、その力の籠った言葉を言霊...と思っている。
此奴の吐く俺に関する言葉は他の奴の知ったかより遥かに力が籠った言霊になる。
モノによっては俺の本性バレちゃう。
これは一大事。
あれ勇者気絶してね?
でも先手必勝!
「悪いな、死ね」
目の前に転移して心臓目掛けて手刀を繰り出す。
『ねぇ、いきなりは酷くない?』
kieeeエエエエaaaaシャベッタァァァ!
避けんじゃねぇ!
クソミソが喋れねぇようにしてやる!
「煩い今すぐ死ねいいから死ねお願い死んでください」
『おいおい、そんなこと言っていいの?』
『今のボクは君で今の君はボクだ』
『自身を否定されること、一番嫌いなことだよね?』
『いいのかなーいいのかなー』
『そんなこと言っちゃって』
『いいのかなーいいのかなー』
本当に煩いなぁ...もう...
バックステップで避けた『ボク』に追撃として腰のベルトに挿してある短剣を投げる。
だが同じところから同じ短剣を取りだし弾かれ甲高い音が鳴る。
「俺とお前は違う。存在からして違う。それに今は違う」
『そうだね【今は】違うね』
そのムカつく顔に首から下を残して転移を仕掛け空間が歪むが一瞬にして空間は元に戻る。
レジストされたのだ。
ふ、残念。
「お前は1つミスを犯したな」
『......なにをかな?』
俺の顔でちょこんと首を傾けるな、気持ち悪いぞ。
「俺はそんなにうざい喋り方はしないし、お前が俺ならそんなに回りくどい方法は取らない」
『まぁまぁ口調はいいでしょ』
「それに俺は言いたいことは一気に言うタイプだ」
『仕方ない、それはボクが君なんだからこうなっちゃうよ』
『それにいいの?ストレートに心抉りにいっちゃうよ?』
ならば右ストレート。
『本当に君って恐ろしいよね』
『たかだか3回の攻防で今のボクが本気で反応するレベルの攻撃するなんて』
今のは体感でも光速とはいかないまでもそれに近い数字は出てた筈、空間が歪んで腕が少し歪んで見えたし
しかしソレを避けるとかなんだよ。
というか黙りなさい。
本気で怒るよ?
『実際今までのは...ボクの目で追えた、つまり人間の限界は超えてなかったんだよ』
『今のは空間歪ませてたし、ゆっくりに見えた』
『おめでとう』
『元々おかしかった君がもっとおかしくなったよ!』
『生まれた瞬間から自我を持ってたキチガイくん』
『今度は精神、心根、才能だけでなくその身体能力すら人間やめたね!』
......
『多分君の称号欄に【人間やめたもの】とか出るかもよ?』
.......
『あ、種族が修羅な時点で人間やめてたね!』
......
『ごめんごめん』
.....
『君のたった一つの願いが叶う可能性がさらに減ったね』
....
『そうそう君の願いってなんだっけ?』
...
『あ!、思い出した』
..
『【皆と同じになってトモダチが欲しい】だっけ?』
.
『無理無理、君みたいなキチガイな化け物』
『生まれた時から自我があって』
『生まれた時から願いがあって』
『周りを観察して』
『真似て』
『取り繕って』
『必死に健全で周囲に溶け込める子供演じてた君が』
『個としての考えを願い以外持たなかった君が』
『そんな分不相応な願い叶えられるわけないよ』
『ここまで言われたのにさっきからどうして止まってるんだい?キチガイくん』
『あれ?やりす』
「ドンマイボクの真似っこ」
「最後の最後に君は口調がおかしくなったよ」
「自分でボクを真似たくせに怖気づくなよ」
とりあえずこいつは殺す。
『この化け』
とりあえず腹から下を転移で消し飛ばす。
「ドンマイ」
長いよボク長い。
ボクのことを語るのにボクが話をまとめることができなくてどうすんの。
今のこの状況から考えてボクたちの話を聞いている者は.........あ
「な、なんでアカツキ君が2人いて1人死んでるの?」
『ハル・アカツキの称号欄に【人間をやめたもの】【理解者】【特別な異常の特殊】【間抜け】が発現しました』
『ハル・アカツキの技能欄に【自分殺し】【虚栄】を追加します』
『ハル・アカツキの憤怒が規定値を超えました。残りの条件【魔力1000万以上】をクリアすると【憤怒の魔眼】が発現します』
『ハル・アカツキの自制が規定値を超えました。残りの条件【自我の統一】【自我の確立】【2度目の規定値クリア】をクリアすると【自制の魔眼】が発現します』
『【自制の魔眼】を発現したのち【忍耐の魔眼】は【情熱的な恋】をすることによって発現します』
『真似っこゲンの技能欄にハル・アカツキの技能全てを追加します』
『真似っこゲンの称号欄に【間抜け】【愚か者】【所詮は雑魚】【ヘタレ】を追加します』
『ミズキ・ミズノの称号欄に【修羅にとどめを刺す者】【間の悪さは天下一品】を追加します』
『以上の情報は随時開示されます』
『ハル・アカツキは【理解者】を得たので隠匿された情報が全開放されます。ご注意を』
真似っこゲンは実は雑魚敵




