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自縄自縛


さてこちらの世界に来てから約一月が経った。

生徒の皆さんは流石日本人と言いたくなる位この世界に適応していた。

ちなみに俺は半ボッチです。


何故だ...

何故未だ俺はボッチなんだ...

流石に一か月経てば元にとはいかないまでもそこそこ元に戻ると思うんだが...

まぁ...理由は知ってるけど理解する必要は今はない。

俺は何も知らない子供演じとけばいいんだし。




この一か月は色々あった。

まずは生徒の全員が完全に各種族に変化したことだ。

種族が鬼だった者は角が生え全身が赤くなったり青くなったり

吸血鬼とかは日光が苦手になったり

俺に外見的変化はなかった。


キカイとかいうステータスを測ってくれるやつも色々あって工学専攻の奴に改良されたらしい。

キカイという名称だけあって現代工学が若干通用したらしい。

機能が追加されたり、元々あったけど働いてなかった機能も復元したり、まだ変化の余地はあるらしい。


次に派閥とかがあるらしい。

勇者推し、聖女推し、その他諸々。

俺推しはいません。


戦闘能力方面も各自レベルアップしたんではなかろうか。

まだ血とかはあまり見てないけどね。

実戦以外はそこそこみんなイケるようだ。


しかして良いこと面白いことのみに限らず悪いこともあった。

なんかよくわからない洞窟が発見されたのだ。

王国の真南、つまり魔王がいる方向で膨大な量の魔力を放つ洞窟が見つかったらしい。

王国側はこれを魔王の仕業と思い、この洞窟を破壊するために俺たちを派遣するらしい。


らしいというのは俺は情報通じゃないから今までの情報がどれほど正確かわからないからだ。

そもそも俺に情報が回ってこない。

まるで『誰か』に俺に情報が回らないようにされてるみたいに

しかし間抜けにも犯人は分かってるしその理由もわかるけど、今は知らない振り。


そうそうそういえば、ログリアの体調が優れてないらしい。

俺たちがこの世界に来てから一週間たったあたりで体調を崩したらしい。

本人から聞いたので間違ってはいないのだろう。

過程が何であれ結果は間違っていないのだろう。



こちらに来てから一週間経った日というと『何故か』『俺は何もしていない』のに敵視され始めた時期だ。

そのせいでボッチは加速した。

しかし『何故か』ログリアは俺に対して何もないのか別段変わった様子はない。

あって体調不良位だ。


『だから今は』『知らない振りで』『被害者として』『何も知らない道化』として踊ってあげよう。


この選択が吉と出るか凶と出るかは流石のハル・アカツキにもわからない。

しかしハル・アカツキの運は非常に悪いということは忘れてはいけない。





この世界に来てから一か月と三日、例の洞窟への遠征の日である。

ここいらで活躍して、俺の現在の立ち位置の修正を図りたいところである。

ついでに原因潰そうかな。

でも度合いによってはもう取り返しがつかない気がするけど。

その時はその時だ。


「2年2組班、行くぞ!」

勇者様ことオオトモの声が響く。

遠征はクラスごと戦闘員、回復員に班に分かれて行くのだ。

王国にはキカイ改良組3名と魔法改造組15名、その他10名

合計28人の生徒が残っている。

その大半が2年2組のため先頭は2組だ。

ちなみに組とか班とか意味が被ってるのは気にしちゃいけない。


勇者様は先陣斬って行くものと相場が決まってるので先頭で俺たちを率いて行く役。

俺は何故か勇者様直々に監視されるらしい。

曰く【ハル・アカツキは魔王の手先】曰く【ハル・アカツキはすでに殺されていて乗っ取られている】

曰く【ハル・アカツキはその能力の高さからまるで暴君のように振る舞いメイドや生徒たちに手を出している】

曰く【ハル・アカツキは快楽殺人鬼、元居た世界でも人を殺していた】


監視がついている理由はこれらを含めたいろいろな噂が俺にはあるからだ。

全てが全て突拍子もないものである。

確かに人肌は恋しいがそんな無理やりにはしないし、俺は運命的な恋愛主義者だし、童貞だし。

人肌は恋しいけど死体愛好家じゃないし、カニバリズムでもないし。

そもそも俺が能力の高さを鼻にかけて威張ってるならこんな風に監視つけさせないし。


さてこんな噂がある中、何故かログリアのみ俺に普通なのだ。

さて何故でしょう。何故でしょう。

.......

確かに『望んだ』がこんなのは望んでない。


イライラするし悲しくなるし、気分が悪くなる。

今日は一か月と二日ぶりにあの夢を見そうだ。

見たくないのでストレスは目の前の洞窟にぶつけるけど。


...もう一度言うがハル・アカツキの運は非常に悪いのである。



洞窟内は何故か明るい。

ドクンドクンと壁や床が脈打っている。

まるで生きているみたいだ。

故に第一印象は気持ち悪い、だろう。

それに対し俺はこの洞窟に不安を感じた。

この世界に来てから俺は一部を除き、順風満帆だったと言える。

楽あれば苦あり、こんな言葉が頭をよぎる。

なにか俺のアイデンティティを壊すような、固定観念を崩すような

詳しくは表現できないが一言で言うのならば

『ハル・アカツキにとっての悲劇』

とにもかくにも俺個人に対して絶大なまでの不運が襲い掛かってくる気がする。




洞窟は驚くほど何もなく、はっきり言って拍子抜けだった。

こっそり周りを見るが何人も安堵の表情で気を抜いている。

突入してから今まで漂っていた重い空気はすっかり露散している。

そうほとんどの者が洞窟に突入し、もしかしたら戦地になる可能性のあるところで気を抜き安堵していたのだ。

もしこの光景を闘いの神が見ていたら俺たちは問答無用で殺されているだろう。

故に天罰が下った。

壁が変形し床が盛り上がり、俺たちを覆うようなドーム状に変形したのだ。

誰もその光景に反応できない困惑し足を止めてしまったのだ。


唯一反応できた俺は腕に魔力を込めるが......


「ねぇ勇者くん、今の状況分かってる?」


「黙れ、屑が...お前は動くな」

味方のはずの勇者様に剣を向けられ動きを封じられた。


結果として全37人の生徒が全員閉じ込められた。



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