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アイスが食べたい悪役令嬢、聖女の親友と運命をぶっ壊す!  作者: pa2ma2note


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第2話 聖女様には秘密がある

数日後、ミサロッタは親友に違和感を覚え始めた。


セレアは、最近この世界に存在しないミサロッタしか知らないはずの言葉を口にしている。


この世界にない料理の話をうっかりしてしまった時も、それを知っているような雰囲気だった。


そして、ミサロッタが前世の話をすると、妙に懐かしそうな顔をするのだ。


そんなことが何度も続いたある日、とうとう二人きりになった寝室で、ミサロッタは思い切って尋ねた。


「ねえ、セレア。あなたこそ、私に何か隠していることない? ……うぅぅ、単刀直入に聞くわ。あなたは何者なの?」


セレアはしばらく黙っていた。


やがて、静かに口を開いた。


「そろそろ聞かれるんじゃないかって思っていたの。そうよ。私も、あなたと同じ転生者なの」


「……え?」


「私は前世、日本で暮らしていたの」


ミサロッタは言葉を失った。


セレアの前世の名前は、野田清愛。


日本の大学に通う、ごく普通の女子大生だったという。


彼女も前世で『癒しの聖女と銀髪の王子』を読んでいた。


そして、気づけば、その物語の主人公である聖女セレアに転生していたというのだ。


「じゃあ、あなたも原作を知っているの?」


「ええ。でも、あなたが読んだものとは少し違うみたいだわ」


セレアは、自分の知る物語について語り始めた。


彼女が読んだ小説は、ミサロッタが辺境へ追放された後、聖女が王太子と結ばれるところで終わっていた。


しかし、その後には続きがあった。


王国では原因不明の病が流行し、王都は混乱に陥る。


聖女は人々を救おうとするが、治癒魔法は次第に効かなくなっていく。


そして、王国は崩壊の危機を迎える。


「私は、その結末を変えるためにここにいるのだと思っているの」


セレアは語った。


幼い頃から聖女としての力を持っていた彼女は、王宮の権力争いに巻き込まれながらも、原作の未来を変える方法を探していた。


しかし、どれだけ努力しても少し変えても、結局、未来は少しずつ原作に近い形に戻ってしまう。


もうどうしたらいいかわからなくなっていた頃、ミサロッタが転生してきた。


「あなたに助けを求められた時、私は確信したの。この世界をまだ変えられるって」


ミサロッタは呆然とした。


「ちょっと待って。つまり、私たち二人とも日本人で、それぞれ別々に同じ世界へ転生してきたってこと?」


「そういうことね」


「……何それ。そんなふたりが親友になっていたとか、都合がよすぎない?」


「私もそう思うわ」


二人は顔を見合わせた。


そして、同時に笑い出した。


だが、笑いが収まった後、セレアは真剣な表情になった。


「ミサロッタ、やっぱり私たちが転生したのは、偶然ではないのよ」


「どういうこと?」


「きっと、この世界が私たちにさせたいことがあるのだわ」


セレアの話を聞いて、ミサロッタは前世で読んだ小説の内容を改めて思い返してみた。


彼女が読んだ『癒しの聖女と銀髪の王子』は、恋愛小説としては典型的な物語だった。貧しい男爵令嬢が王太子に見初められ、悪役令嬢の妨害を乗り越えて幸せになる。聖女は主人公を助け、王太子との恋を祝福する。


しかし、セレアが読んだ物語では、その後の王国が崩壊することになっていた。


なぜ、物語の結末が違うのか。


二人は原作の矛盾を洗い出すことにした。


まず、ミサロッタが行ったとされる数々の悪行。毒殺未遂、傷害未遂、嫌がらせ。しかし、どの事件も証拠が曖昧で、目撃者の証言も一致していない。


次に、チェリーヌの出自。


原作では、彼女は偶然にも聖女の力を持つ男爵令嬢として描かれていた。しかし、実際に見た彼女の聖女の力は、セレアの持つ聖女の力とは性質が異なっていた。さらに、王太子の側近たちは、チェリーヌが現れる前から侯爵家の権力を削ぐ計画を進めていた。


これらの事実をつなぎ合わせると、一つの仮説が浮かび上がった。


原作そのものが、何かの力で意図的に改変されていたのではないか。


そして、その改変には、王宮の権力争いといった人の力では説明できない何かが関わっている。


二人はまず、この国の歴史に注目することにした。


はじめに、王立図書館のこの国の歴史について詳しく書かれている書物を片っ端から読んでいくことにした。

そこで、二人はこの国が何度か崩壊の危機に瀕してきたことを知った。さらに詳しく書かれたものを探そうとすると、なぜか貸し出し中のものや、他の場所に移動中といった具合に閲覧することができなかった。


「ミサロッタ、おかしくない?こんなに私たちが読みたい書ばかりがないなんて。さすがに多すぎるわ。司書の方に聞いても要領を得ないし」


「そうよね。おかしいわね。ちょっと待って…私、王太子教育の中で、この国の歴史を教えていただいたとき、また結婚が近づいたらもっと詳しくって言われたわ。それって、この国の歴史であまり詳しく知られたくないことがあるってことよね。そういうものもどこかに書き残されているはずだわ。もしかしたら、限られた王族しか読めない禁書庫にあるのかも」


「それよ!でもどうやってそこに入ればいいの…」


結局、ミサロッタは、王太子の婚約者という立場を使うことにした。王太子に調べ物があるといって何とか許可を取ってもらったのだ。


禁書庫に立ち入った結果、いくつか興味深い古い記録を発見することができた。


そこには、数百年前に起きた奇妙な事件が記されていた。


異世界から来た者が現れたとき、その直後は王国は繁栄する。


しかし、その者が物語の筋書きに従って生きると、やがて世界は破滅へ向かう。


そして、その世界を救う唯一の方法は、転生者が与えられた役割を拒み、自らの意思で未来を選ぶというものだ。


「……つまり、私たちが原作どおりに行動したら、王国が滅びるってこと?」


ミサロッタは青ざめた。


「そういう可能性があるわ」


セレアは頷いた。


「だからこそ、私たちは原作の筋書きを壊さなければならない」


ミサロッタは深く息を吸った。


「分かったわ。やりましょう」


そして、すぐに付け加えた。


「ただし、王国を救ったら、チョコモナカチャンピオンの再現に全力を注ぐこと!」


「……あなた、本当にぶれないわね」


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