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空白

 それから。

 俺は少しずつ人と話さなくなった。

「今日遊ばない?」

「ごめん、勉強あるから」

「部活終わったら?」

「小説書かなきゃ」

「じゃあ今度な」

「うん」

 その「今度」は。

 どんどん遠くなった。

 学校に行っても。

 頭の中では予定を考えている。

 帰ったら何時間勉強する。

 そのあと部活。

 そのあと小説。

 ゲームもやりたい。

 友達とも話したい。

 でも全部は無理。

 何かを削る。

 削った自分を責める。

 そんなことを繰り返した。

 そして。

 ある日。

 何も考えられなくなった。

 机の上には教科書。

 パソコンの画面には小説。

 時計の音だけが聞こえる。

 なのに。

 何もできない。

「……俺、何してんだろ」

 答える人はいない。

 頭の中が真っ白だった。

 そして。

 俺は、自分を追い詰めるところまで行ってしまった。

 これ以上は書かない。

 あのとき何を考えていたのか。

 今でも全部は思い出したくない。

 ただ。

 もう無理だと思った。

 何もかも終わらせたくなるほど。

 自分を追い込んでしまった。

 世界が、ものすごく狭くなった。

 勉強も。

 部活も。

 小説も。

 ゲームも。

 友達も。

 将来も。

 全部どうでもよくなった。

 ただ。

 苦しかった。

 それだけだった。


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