何故
「会いに来るからね!私を忘れないでね。」
「私も会いに行くから!」
留学行ってくるねと告げ旅立ったルークは、何故かほぼ毎週帰ってきていた。来ないのは私が行く時だけ。それ以外はほぼ居る。我が家にだけ来て戻るときもあるくらいだ。最近では我が家の者も皆慣れまた来ましたくらいの扱いになっている。
「ねぇお家帰らなくて良いの?先週も家に居たよね?」
「メイに会いに来ているからいいんだ。会えなくても良いの?私はこんなに会いたくて仕方が無いのに。」
「いや…毎週会っているし。留学行く前のほうが会ってなかったよね?」
「好きだよ。」
頬に唇が落ちる。去年くらいから接触が増えた気がする。15才になったルークはさらに色気を増してきていつもドキドキしてしまう。留学に行って3年…もうすぐ入学の年になる。入学して2年後ついにゲームが始まる時がくる。
「メイと学園通えるのが楽しみだよ。毎朝迎えに来るね。一緒に行こう。」
「来なくていいから。ルーク遠回りになるよ。魔術師の訓練もあるんだから無理しないで。」
「メイが居ないと頑張れない。」
「じゃあ来れる時だけにしてね。ルークの体も心配なんだよ。」
「あ!メイが王宮に住めば解決するよ?家においでよ。婚約者なんだから問題無いよ。」
「嫌よ。」
「本当メイは変わらないよね。いい加減私にドロドロに甘やかされてよ。」
「充分甘やかされてるよ。」
この3年婚約者として色々連れ回されたし、沢山の贈り物も貰った。王宮内でも良くしてくれるし王族の方々にもルークを頼まれている。住むのは確かに許されるだろうな。でも無理。まだルークは気持ちが変わるかもしれない。
「もっと甘やかしたい。」
「卒業したら毎日甘やかしてね。」
拗ねるルークに告げると、可愛いって抱きしめられる。ゲームでは知らなかったけど割りと甘えてくるタイプのようだ。また来週来るねって留学先に帰って行った。あの人留学先で上手くやれているのだろうか。
「お姉様ー。クリス様帰った?毎週毎週よく付き合うよね。3年間続くなんて尊敬しちゃう。」
「レイ様もよく会ってるじゃない。」
「レイ様は月1くらいだもの。クリス様みたいにマメではないわ。」
結局私がルークと婚約してすぐくらいに、レイ様とニコラも婚約をした。共に留学するレイ様も留学前に婚約をって感じだった。レイ様は婚約者居なかったのにな…まさかニコラと婚約するなんて思わなかった。
「皆と学園通いたかったな。私だけ2年先だなんて寂しいわ。」
「仕方無いわよ。2年後一緒に通いましょうね。」
ヒロインとは結局会っていない。ルークが留学に行ったのもあるし、パーティでもなかなか出会わない。家格が違うのもあるし会うのが怖いのもある。ルークを取られたらどうしよう。セシリアはあの年であんなに可愛かったのだから、入学する頃にはさらに綺麗になっているだろう。ゲームより早く伯爵家に入っているから素敵な令嬢に成長している可能性がある…自業自得だが会ってほしくないな。
「メイおはよう!」
無事帰国し入学を終えた私達は学園に通い出した。ルークは毎日迎えに来るし帰りも送ってくれる。無理な時は必ず護衛騎士かレイ様を付けてくれ過保護で困る。レイ様はニコラに会うついでと言ってくれるが申し訳無い。
「メイ一緒に住もうよー。」
「無理だって。」
17才になったルーク様は来年の婚姻に向けて王宮へと誘ってくる。本当に1年後婚姻するつもりらしく困る。もうすぐ開幕がやってきてしまう。
「あと1年だよ?まだ信じられない?」
「この1年が大事なんだよ。好きな人が出来たらすぐに言ってね。」
「そんな泣きそうな顔して言わないでよ。私はメイが大好きだよ。」
抱きしめてくれ背中を撫でてくれる。寂しい。ルークが私を好きじゃなくなる何て想像も出来ない。でも信じて心変わりしたら?私は耐えられないかも知れない。気づくとルークの顔が目の前にある。唇がそっと触れ合う。
「ダメだよ。」
「絶対話さないからね。」
また唇が重なり愛おしいそうに見つめられる。指で涙を拭ってくれ微笑まれる。
「ねぇメイ。今までは黙って聞いていたけど聞くね?3年になったら何があるの?私は誰に出会うの?」
「言えない。」
「辛そうなメイを無視できない。教えてよ。問題があるなら一緒に考えよう?」
「…」
「今まではそこまでじゃなかったよね?3年を前に毎日泣きそうになっている。」
「ルークが好き。」
「うん。私も好きだよ。」
「私はルークを手放せないかも知れない。嫉妬で醜くなるかも。」
「手放さないでよ。メイからの嫉妬は嬉しいな。私が大好きって事だよね?」
頷くとギューッと抱きしめられる。可愛すぎるでしょってまた口付けが落とされる。
「当たり前みたいにしてくるけどダメだからね?」
「可愛すぎて無理。我慢出来ない。」
抱きしめられたまま腕の中で言い合う。いつまでもこの関係が変わらなければいいな。
「お姉様セシリア様って知ってますか?」
「え?何故?」
「何か恩人だから会いたいってずっと探してるみたい。今日似てるからって声かけられたのですけど。」
「セシリア様を見て何か思った?レイ様はセシリア様に会った?」
「いえ…何も思いませんでした。綺麗だなって思いましたけど。教室で話をしたのでレイ様には会ってないですよ。心当たりがあるなら紹介しますけど。」
「…そうね。」
会った方が良い?会わない?探してるなら会った方が良いのかな。
「明日1年の所に行くわ。セシリア様に伝えといてくれる?」
「わかりました。」
「1年で変わったことはない?絡まれたりしていない?」
「セシリア様が変な令嬢に絡まれていて、それを少し助けたりしてます。その子何か変で、私もセシリア様も困ってて。」
「名前わかる?」
「ミア·クレマン様です。ご存知ですか?」
「…少しだけ。」
攻略対象であるシン·コルベール様の婚約者だったはず。クリス様とレイ様がいて、あとシン様とハリー様人居た。シン様はお調子者のクラスメイトでハリー様は先生だ。クリス様ルートだけをやり込んでいたから、あまり関わりの無い2人には興味が無かった。
「あら?ハリー様は学園にいる?気づいてなかっただけかしら?」
「ハリー先生ですか?私の担任ですが。」
えぇ!!クリス様ルート以外興味が無さすぎたのも問題ね。明日色々見てみよう。




