お宅訪問
「すっごい馬車だね。」
「…お姉様緊張してきました。」
ルークのお家に行く日が来て、馬車はルークが用意してくれた。王宮に行くのだから普通は簡単には行けないのだから当たり前なのだけど…まさかこんな豪華な馬車だなんて。
「ニコラ見て。この装飾綺麗ね。こんな細かい細工初めて見たわ。」
「お姉様ってやっぱり変ですね。気になるのはそこですか?」
「え?そう?王宮のレモンパイ楽しみね。どんなのかしら。」
やっぱり変ってため息をつかれる。これでも一応緊張はしているんだから。クリス様ルートで見たことある王宮よ?!聖地巡礼ができるなんて、昨日眠れないくらい楽しみなんだから!
「メイ!いらっしゃい!迎えに行けなくてゴメンね。」
「馬車用意してくれてありがとう。凄くクッションがフワフワだった。」
「クリス様ありがとうございます。」
「あ、ニコラ嬢もよく来たね。さ!メイ行こう。」
サッと私の手を取り歩き出す。にこやかに笑うルークを見て何故か周りがざわついているみたい。チラッと人々を見ると目を逸らされる。まぁ王子様が客人連れてきたらそうなるよね。
「わぁ!あの絵!」
「ん?気になる?普通の絵だと思うけど。」
「ルークここに立って!」
戸惑うルークは言われるままに動く。登場シーンのバックにあった絵だ!ここなんだわ。神々し過ぎて涙が出そう。
「…最高。ルークありがとう。」
「よくわからないけどメイが喜んでくれるならいいよ。」
「庭も見たいな!」
「あぁちょうど良かった。お茶を庭に用意してるんだ。レイもそろそろ来る頃だから行こうか。」
やったー!クリス様ルートではヒロインに庭で求婚するんだよね。高感度がMAXになったら王宮に招かれて2人は永遠に結ばれるってあれは嬉しかったな。高感度上げるためにどれだけ頑張ったか。はぁぁぁ噴水!あの前で手を繋ぐの!あぁ来てよかった。
「メイ?大丈夫?緊張してるの?」
固まって動かない私に気を使ってくれる。まさか本人と聖地巡礼出来るなんて…
「ルークいつまでも幸せでいてね。私応援してるから!」
「ん?ありがとう。メイが一緒に居てくれたら私は幸せだよ。」
堪らない。王宮にいるルークは2倍増し…いや、3倍4倍増しで格好良い。今日は特に王子様仕様になっていてとんでもなくオーラを放っている。
「あ…」
「メイ?!大丈夫?ちょっと待って!誰か来て!」
ついに本当に鼻血が。興奮が限界突破してしまった。格好良すぎるルークが悪い。平常心で立ち向かえるヒロインって凄いんだな。迫られても落ちないルートがあるなんて信じられない。
「落ち着いた?ゆっくり食べてね。」
「お騒がせしました。もう大丈夫。わぁ見た目が綺麗!美味しそう!」
先にお茶をしていたレイ様とニコラは呆れた目で見ている。王宮に来て鼻血出す人はなかなかいないよね。
「お姉様ってもっとしっかりした人だと思ってました。最近ずっと変ですよね。」
「少し抜けている所も可愛い。お姉さんしてる所も可愛いし、何してても可愛いなんてズルいよね。」
「「は?」」
「ルーク急にどうしたの?!」
「クリス様って盲目になるタイプなのね…。」
「クリス落ちついて。メイリーン嬢が引いているよ。」
「メイあとで庭を案内するね。レイとニコラ嬢は好きにしてていいよ。」
「お姉様以外見えてない。」
「だね。諦めよう。本人には響いてないのがうけるよね。」
レモンパイ美味しい。これは好物になるわ。もっと食べてとお皿に入れてくれる。
「美味しいよね。」
「うん!1番好き!ルークありがとう!」
付いてるよって指で取ってくれる。口元を触られ照れてしまう。子供みたいで恥ずかしい。庭に行こうって手を取り歩き出す。
「ねぇメイ。私はメイが好きなんだ。婚約者になって欲しいな?」
「え!!無理!」
「え…無理…?どうして??メイも私を好きでしょ?」
「好きだけどルークはこの先凄く好きな人が現れると思うんだよね。その時が来たら後悔しちゃうからやめた方がいいと思う。」
「メイ以外好きにならないよ!」
「わからないじゃない。学園で出会うかも。」
「どうしたら婚約してくれる?私はメイを諦められない。一緒に居たい。」
「学園を卒業したら?その時もしまだルークが私を好きならかな?」
「12才だから…卒業まで6年近く?ずっと好きな自信はあるしそれは待てる。けどそれまでメイに触れないの?」
「婚約者じゃないので。」
「誓約書にしない?婚約をしてメイが言うようにもし好きな人が現れたら婚約やめる。条件はメイが決めて良い。私はこの先メイ以外を好きにならない自信がある。」
「でも…」
「嫌いって断られるならまだ納得できる。そんな理由なら納得出来ない。私は婚約者が居るのに他に懸想して捨てるような男に見えるって事?」
「違うけど。ルークには素敵な人と幸せになって欲しいんだよ。」
ヒロインがルークを癒してくれ幸せにしてくれる。ニコラが婚約者じゃない今その未来が待っているのに。ヒロインじゃなくても良い人がいるかも知れない。それはモブの私じゃない。
「私の幸せはメイと居る事だ。幸せを願うなら卒業するまで好きな人がメイだった場合すぐ婚姻して?私を一生幸せにしてよ」
「…強引だね。私を今選ばなくていいんだよ?まだまだ出会いがあるんだから。」
「無いよ。私にはメイだけだ。メイにも私だけ。君を誰にも取られたくない。」
「んー……わかった。どうせルークは引かないよね?約束事を決めよう。」
メイ大好きって抱きつかれる。いや早いって。まだヒロインに会ってないから、そんな事を言ってくれるだけ。会わせばいいのか?でもまだルークに好かれていたいなんて我儘かな。
「早急に決めよう。」
ルークの一言により婚約の手続きは直ぐ様進められた。好きな人出来たら解消で、ルークを原因とし財産から慰謝料を支払う事。出来なかったら卒業後すぐ婚姻する事。を明記し誓約書を結んだ。
「メイは私のだね。これで安心して留学に行けるよ!」
「は?留学?」
「春から入学まで留学に行くんだ。毎月会いに来るし毎日手紙も書くね。」
確かに公式ガイドブックに留学から帰国後って記載があった気が…えぇ!これからいく話だったの?!




