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あの日拾った花は 触れてはならない華だった  作者: 日昇
第四章 白き姫編

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六、変えられなかった運命

琳琅(リンラン)を乗せた馬車はある場所に向かっていた。

琳琅もようやく落ち着き、母が話したことを思い返していた。

「ここで休憩しましょう」

近くに川が流れており、濤(タオ)たちは水を補給していた。

琳琅は馬車の外に出て、大きな石の上に座って、濤たちを見ていた。

家豪(ジャーハオ)は視線を感じ、振り返ったら、琳琅と目が合った。

家豪は、布の隙間からのぞかせる琥珀色の瞳から目が離せなかった。

「何か用ですか?」

琳琅は警戒している目をしていた。

「いや、何でもない。ただ、美しいなと思っただけで・・・」

「家豪、妹を口説かないでもらえるか」

家豪は首と両手をものすごい速さで振って、否定した。

「家豪、その気持ちはわかるぞ」

志偉(ヂーウェイ)もにやにやしながら、家豪の肩に手を回した。


そんな時だった。白竜(バイロン)のもとに鳩が飛んできた。

白竜は鳩が持ってきた文を見た。

その文を見た途端、驚いた表情をし、すぐに濤に渡した。

その文には、皇帝が高瑾(ガオジン)に対し何をおこなおうとしているのか、それに参加している者たちの名が書かれてあった。最後の一文には、楊剛泰(ヤンガンタイ)と劉家軍(リウジャージュン)が死を覚悟し、後宮へ乗り込むとあった。

志偉はその文を見て一目で、自分の配下たちの準備が整っていることを悟った。

今にも父たちのもとへ行きそうな濤と家豪を志偉が止めた。

「濤、家豪、私が向かう。二人は琳琅を守れ。皇上を止められるのは息子の私だけだ。安心しろ。終わらせてくる」

志偉は右手を大きく掲げ、力強く宣言した。

「私が平和な国に変えてみせる」

濤、家豪はその場で跪き、

「この命尽きるまで、あなたに付き従います」

白竜も慌てて、二人と同じように跪いた。

志偉は颯爽と馬に乗り、来た道を戻っていった。




高瑾は抵抗することなく、男たちの相手をしていた。

その中には薛嘉(シュエジャー)、傅恒(フーヘン)、陸良(ルーリャン)の他、息子や名だたる者が集まっていた。

「万暁東(ワンシャオドン)ではないか。お前はまだ女知らないだろ。ここで練習しとけ」

「私のような者は最後で構いません」


高瑾は屈辱的なことをされながらも琳琅たちのことを考えていた。

(琳琅は無事かしら。私があの子から目を背けさせないと)


戸が開き、皇帝が入ってきた。

万暁東は嫌な予感がし、皇帝が中に入った時に皆にわからぬようそっと部屋を出た。

(何だったんだ。こんなことしても意味はないだろう。おそらく、今は娘の方と関係を持たないとこの国は手に入れられないはずだ)


「瑾、気分はどうだ?これだけの名だたる者と交わったのだ。きっと神童が生まれるだろう。最後に私の相手でもしてもらおうか」

高瑾は最後の力を振り絞って抵抗しようとしたが、できるはずもなかった。

「瑾、今でもこんなにも美しい身体をしているなら、さぞかし若い頃は・・・」

その時、突然戸が開いた。

そこに現れたのは剛泰と家軍だった。

剛泰は高瑾と皇帝のあられもない姿を見て、怒りは最高潮に達した。

「趙志強(チャオヂーチャン)ー!ここでお前を殺す!」

皇帝は周りの男たちに守られながら逃げていた。

剛泰は次から次へと目の前に現れる男たちを斬り殺した。

「剛泰、ここは私に任せて、高瑾のところに行け」

剛泰は家軍に任せ、涙を浮かべながら高瑾に駆け寄った。近くにあった布をかぶせ、身体が見えないようにした。

高瑾は疲れ果てており、息も絶え絶えだった。

「あなた・・・ごめんなさい。子供たちを守るためにはこうするしかなかったの・・・」

「すまない・・・私がお前を守れなくて」

高瑾は首を横に振った。

「私は幸せでした。あなたと一緒になって、濤と琳琅が生まれて。後悔はないわ。だた・・・。最後にあの子たちを抱きしめたかった」

「瑾、帰ろう、子供たちが待ってる」

「あなた・・・ごめんなさい」

高瑾は隠していた短剣で自分の胸を刺した。その瞬間、口から血が噴き出し、剛泰の顔にも飛び散った。

剛泰は動揺していた。

家軍も衝撃を受けていた。

「あなた・・・。白き姫は一度交わった男以外の男と交わってはならないの。どっちにせよ、私は、後宮に来た時から死ぬ運命だったの。ごめんなさい、言えなくて。あなたは生・・・」

高瑾は最後の言葉を言い終わる前に息を引き取った。

「瑾ー!」

剛泰は冷たくなった高瑾の身体を抱きしめながら、泣きわめいていた。


剛泰は急に立ち上がり、皇帝が逃げた方へ向かっていった。

目が虚ろなまま、ぶつぶつ呪文のように何か言っていた。

家軍も全員始末し、ついていった。

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