十三、久しぶりの再会
雪華は朝からそわそわしていた。
「雪華お嬢様が珍しいですね。今日のお嬢様は私でなくても楽しみなのがわかりますよ」
雪華は少し恥ずかしくなり大人しく座った。
外から門が開く音が聞こえた。
「お久しぶりです。お嬢様がお待ちです」
護衛の一人が雪華の部屋へ案内していた。
「養父上ー、養母上ー」
雪華が走って二人を出迎えに来た。
「久しぶりだな、小蘭。元気そうだな」
「すっかりお嬢様ね。よく見せて」
雪華は二人の目の前でくるりと回った。表情は変わらないがうれしそうな感情が二人には伝った。
二人は元気に過ごしている雪華を見て喜んでいた。
「林晨、徐媛、ご苦労だったな。雪華の部屋でゆっくりするといい。何かあれば雪華の侍女の冰夏に言ってくれ。では、雪華、私は行ってくる。久しぶりの再会だ。ゆっくり話すといい」
「ありがとうございます、父上。お気をつけて」
家豪は雪華の頭をなで、名残惜しそうに行った。
林晨と徐媛は雪華と家豪の様子を見て安心した。幸せに暮らせている様子をうかがうことができた。
雪華は林晨と徐媛に二人が去った後の出来事を話した。
生き生きして話す雪華に二人は優しく微笑みながら聞いていた。
「そういえば、勇敢は元気?」
林晨と徐媛は顔を見合わせ少し悲しそうな顔をした。
「勇敢・・・。小蘭、実は勇敢、今どこにいるかわからないんだ」
雪華はあまりの衝撃に返す言葉が見つからなかった。
「俺たちが悪いんだ。ここから町に戻った日、勇敢が訪ねてきてな、お前の事を聞いてきたから話したんだ。そしたら放心状態になってな。そのまま帰ったのだが」
林晨は思い出しながらゆっくり話した。
「次の日、勇敢の母親が店に来てな。勇敢が跡を継げない、小蘭を守りに行くと言って家を出たっきり、戻ってこないらしい。てっきり俺らはここに来てるものだと思っていたのだが、その様子だとここにもいなさそうだな」
それからしばらく沈黙が続いた。
「小蘭、勇敢は必ずここに来るはずだ。会ったら帰るように伝えてくれ。親父さんもお袋さんも心配しているってな」
「うん・・・わかった・・・」
雪華は少し責任を感じていた。勇敢の性格からして雪華を追いかけてくることは予想はできた。町で一言でも言ってきてたらこんなことにはならなかったかもしれない。
(一体勇敢はどこにいるのだろう・・・)
「勇敢、いいぞ。もう少しで軍部の訓練にも参加できそうだな」
「軍部ですか?」
勇敢は護衛として雇われたはずなのに軍部の話が出て、少し混乱していた。
「劉家の護衛は軍部と同等の戦いができなければならないのだ。旦那様が将軍であるのもあるけど、奥様、そして何よりも雪華お嬢様を絶対に守る必要がある。それゆえ、劉家の護衛は定期的に軍部の訓練に参加している。今やっている訓練と比にならないくらい大変だぞ。覚悟しておけ」
「はい!」
(いつになったら小蘭のところへ戻れるのだろうか。小蘭待ってろ。強くなってお前を絶対守れる男になる)
勇敢は雪華のことを思いつつ、再び訓練に戻って行った。
「主様、決行はこの日がよろしいかと。しかし、問題なのは・・・は屋敷にいることになるそうで」
主は鼻で笑って、
「あいつはいてもいなくても一緒だ。構わない。予定通り実行しなさい」
「御意」
劉家に魔の手が迫っていた。




