第57話「お泊りデート(下)」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
翌日、朝起きたら、横でリーネが寝ていた。
しばらくこの光景は見てなかった。
孤児院ではこれが普通だったんだけどね。
やっぱり、寝ていてもリーネは可愛いな。
そう思っていたら、リーネが目を開けた。
「う~ん。カナメ?」
「うん。リーネ。おはよう!」
「おはよう・・・。」
リーネは眠たい目を擦りながら、返事をする。寝起きだからちょっと寝ぼけてるみたいだ。
僕は身体を起こして、リーネをちゃんと目覚めさせる。
「よし、じゃあ着替えようか。」
「うん。」
リーネは寝ぼけながら、支度をする。
昨日と同じように、僕が部屋の外に出て、リーネに着替えてもらい、僕も普段着に着替えて、宿をチェックアウトする。
「さて、まずは朝御飯食べようか。」
「うん!」
いつもの通り大通りに出る。流石にこの時間は人が少ないな。
「よし!朝御飯は美味しいもの食べよう!」
「うん!」
昨日はサンドイッチを食べたから、今日は違うのにしたいよね。何が良いだろうか。
リーネと手を繋いで歩いていたら、フレンチトーストが売っていた。何か良い匂いだな。
「フレンチトーストか。良い匂いがするね。リーネ。朝はこれにしようか。」
「ふれんちとーすと?」
あ、そうだった。ここは異世界だからフランスなんて無いし、フレンチトーストって言っても伝わらないよね。
「うん。あの美味しそうなパンにしよう!」
「カナメがそれが良いならそれにする!」
リーネの賛同も得られたことだし、今日の朝はフレンチトースト(のようなもの)を買う。
「すみません。それ2つください!」
「うん?坊や。金は持ってるのか?言っておくが、これ一つで20ルグだぞ。」
20ルグ・・・朝御飯には若干高い。けど、もはや、リーネのためなら、この程度の出費はなんてことない。
「はい。お金はあります。2つください。40ルグです。」
「・・・まぁいいさ。はいよ。」
40ルグを払って、商品を受け取る。
「後は、飲み物だよね。ミルク買ってくるからちょっと待ってて。」
「私も一緒に行く!」
「うん。じゃあ、一緒に行こうか。」
そう言って、他の屋台でミルクを買う。そうして、場所を見つけて、2人で腰かけて朝御飯を食べる。
「美味しい!カナメ!甘くて美味しいね!」
「うん。美味しいね。」
多分、ハチミツかな?微糖というか、甘ったるくない感じで朝御飯には丁度いい。
2人で朝御飯を完食する。
「さて!今日はどうしようか?」
「うーん?」
リーネはどこでも良いみたいだ。ならば!
「じゃあさ。今日は孤児院に顔を出してみようか。ユミル先生に挨拶しにいこう!」
「孤児院に?うん。カナメがそうしたいなら、いいよ。」
リーネと手を繋いで孤児院に向かう。たまにリーネのほうを見るけど、機嫌が良さそうで良かった。
「カナメ?どうしたの?」
「いや、リーネが可愛いなって思ってさ。」
「え!?・・・ううぅ。」
リーネが顔を赤くして俯いてしまった。しまった!直接的過ぎたか。でも口に出してしまった以上取り消すもの違うよね。
「さ、さぁ!孤児院に行こう!」
「う・・・うん。」
無理やり話題を変えて、孤児院に向かった。
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孤児院について、僕達は扉をノックする。
「ごめんください!」
しばらくすると、扉が開いて、ユミル先生が顔を出した。
「カナメ君!リーネちゃん!」
「ユミル先生。こんにちは。」
「はい。こんにちは。リーネちゃんも元気そうでなによりです。」
「はい。ユミル先生。こんにちは。」
「お二人共、上がってください。お茶しましょう。」
「はい。リーネ。そうしよう。」
「うん!」
そうして、3人で客間に移動しているときにマティスが廊下から走ってきた。
「あ!マティス!久しぶり!元気してた?」
「・・・。(こくん)」
マティスは無口で頷いてくれる。相変わらず、内向的だな。久しぶりって言っても、4カ月くらいしか経ってないものね。
結局いつもの3人になったな。
4人で机を囲んで、お茶をする。
「カナメ君は上手くいってそうですね。賞金稼ぎになっていると聞いてます。」
「ええ。まぁそれなりに上手くやってます。少なくとも日常生活に支障がない程度には。」
「リーネちゃんもお仕事上手くやってますか?」
「うん。ちょっと大変だけど、大丈夫です。」
「それは良かった。貴方達はこの孤児院の中でも特に将来性を感じてました。だから、貴方達を誇りに思います。」
「いえ、ユミル先生がいたからですよ。この孤児院のおかげで生活できるようになったのですから。」
「そう言って貰えると自分の行いに自信が持てます。ありがとうございます。カナメ君。」
「でも、流石に最初は大変でしたね。稼ぎは良いですけど、賞金稼ぎは簡単じゃないってことを思い知りましたよ。」
「そうでしょうね。命を落とす者も多いと聞きます。あまり危険な依頼は受けないようにしてください。」
「善処はしますけど、難しいです。賞金稼ぎで生きていくなら、ある程度の危険は覚悟しないといけませんから。」
「もう!リーネちゃんはどんなお仕事をしているのですか?」
「えっと、飲食店で住み込みで雑用してます。カナメがお仕事を見つけてくれたので。」
「そうですか。住み込みで働ける場所が見つかってよかったです。リーネちゃんは少し心配でしたけど、カナメ君がこうして顔を見に来てくれているなら安心ですね。」
「はい!」
「・・・。」
マティスが相変わらず無口で何もしゃべらないけど、特に退屈してるような感じはしない。
4人しばらく世間話をする。
孤児院を卒業して大変だったこと、賞金稼ぎになったこと。それなりに稼げていることを共有する。
「そういえば、他の子達はどうしてるか知ってますか?」
ユミル先生に他の卒業生の事を聞いてみる。
「・・・わかりません。元気でやってると良いのですが。」
ユミル先生は少し悔しそうな顔をしながら、答える。
ウィルも似たような事を言っていたし、この表情を見る限り、卒業後の子供たちが必ずしも順調ではないことを、ユミル先生も感じているのかもしれない。
でも、ユミル先生は頑張っていると僕は思う。この孤児院にいたから、リーネも就職ができた。なんのツテもなく、ストリートチルドレンになっていたら、夜盗でもしないと食べていけなかっただろう。
「そうですか。孤児院に顔出せなくても、生活できていればいいんですけどね。」
「ええ。本当に。」
そして、ディエの話題は出さなかった。この和気藹々とした空気に暗い話題は出したくない。
「そろそろ行きます。ユミル先生も忙しいと思いますし。」
「いえ、気にしないで。いつでも顔出してください。その方が私は嬉しいです。」
「分かりました。じゃあ、リーネ行こうか。」
「うん!」
定期的に顔を出すことを約束して、孤児院から出ようとしたら、マティスもついてきていた。あれ?僕と一緒に遊びたいのかな?マティスは無口で無表情だから分かりにくいんだよな。
「マティス?孤児院のお手伝いはいいの?」
「・・・。(こくん)」
えっと?本当に大丈夫なのか?分からないけど、日常的にお手伝いってあったと思うのだけど。
「でも、今僕達についてきたら、孤児院のお昼ご飯、食べられなくなっちゃうよ?」
「・・・。」
なんとも微妙な顔をした。マティスはかなり内向的だから、友達って存在がいないのだろうか?
「カナメ君。もしよければ、マティス君も遊びに連れて行ってくれませんか?マティス君には気晴らしが必要なんだと思います。」
「ユミル先生?まぁ、良いですけど。リーネも良いよね?」
「うん。良いよ。」
「はい。マティス君。暗くなる前に帰ってきてくださいね。」
「・・・。(こくん)」
本当に良いのか?こんなこと、孤児院の在籍してる時、一回も無かったけど。
僕に任せても大丈夫だと思われてるってことなのだろうか?そう考えると、少し嬉しかった。
ユミル先生に信頼されてると好意的に解釈しよう!
「それじゃあ、リーネ!マティス!行こうか。」
「うん!」
「・・・。(こくん)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リーネとマティスと手を繋いで3人で大通りにきた。もうお昼時だな。ちょっとお腹空いてきたし。
「リーネ。マティス。お腹空いてる?何か食べようか?」
「うん!」
「・・・。(こくん)」
屋台でキッシュとレモネード(っぽい飲み物)とペイザンヌを買ってきた。少し値は張ったけど、リーネとマティスが喜んでくれるなら安いものだ。
「買ってきたよ。どこか腰かけて食べよう。」
「わあ!美味しそう!」
「・・・。(ニコッ)」
大通りは座れる場所も多いから、適当に腰かけて、3人で食べる。
ちょっとお高いだけあって、美味しいし、お肉も入ってて腹持ちがいい。
安い屋台の食べ物はお肉が入ってなかったりするからね。
「うん!美味しい!リーネはどう?」
「美味しいよ!カナメ!」
「それは良かった。マティスも美味しい?」
「・・・。(こくん)」
マティスは頷くだけだったけど、表情が柔らかく笑顔?っぽく見える。喜んでくれてると思いたいね。
その後も、広場に向かおうとすると、いつぞやの雑貨の露店を発見した。
「あの時の露店だね。」
「ちょっと見て良い?」
「良いよ。寄っていこう。」
「・・・。(こくん)」
3人で雑貨を見る。あの時の簪がまだ売っていた。
「お!兄ちゃん女の子とデートか?良い男は女の子にプレゼントするのが普通だよ!」
「あはは。そうですね。リーネ。何か欲しいものある?」
「え?えーと・・・。」
いつぞやの簪はまだ売っていた。その簪が気になるようだ。
「すみません。その簪っていくらなんですか?」
「え!?カナメ!ちょっと!」
「お!良いねー兄ちゃん!この簪はちょっとしたツテのあるドワーフが作ってくれてね。500ルグで売ってやるよ!どうだい?」
「500ルグ!?カナメ・・・そんなに高価なものは流石に。」
「リーネ。良いから。じゃあ、その簪をください!」
「流石兄ちゃん!太っ腹!はいよ!」
500ルグを払い、簪を受け取る。
「はい!リーネ。プレゼントするよ。」
「本当にいいの?」
「勿論!」
「カナメ・・・ありがとう!!」
リーネが笑顔になってくれる。こっちまで嬉しくなってくるな。これだけで500ルグ払った甲斐があるってものだ。
「・・・。」
気が付いたら、マティスは別の物に興味があるみたいだった。
「マティス?これは・・・なんだろう?」
何か液体が瓶に入ってるけど、なんだろう?
「マティス?それなんなの?」
「・・・。」
リーネも聞いてみるけど、マティスは答えない。でも、興味があるみたいで、ジーっと見てる。
「兄ちゃん。それはアロマオイルだな。ある地方の花から香りを抽出した油だ。貴族や王族や成金が良く買っていくんだ。そっちの小さい弟君はそういうのが好きなのかい?」
「・・・。(こくん)」
へー。マティスってアロマ系?そういうのが好きなのか。何か意外っていうか。マティスにも好きなものってあったんだな。
そりゃそうか。
「マティス。それが欲しいの?」
「・・・。(こくん)」
「そっか。じゃあ、それいくらですか?」
「これは、130ルグだよ。兄ちゃん。あんまり人の事を言うのもなんだけど、散財は控えておいた方がいいぜ?」
「いえ、大丈夫です。じゃあ、買います!」
「本当にいいのか?返品は受け付けないからね。はいよ。」
130ルグを払って、アロマオイルを受け取る。
「はい。マティス。大事に使ってね。」
「・・・。(こくこく!!!)」
マティスは勢いよく頷く。嬉しそうだな。これだけ喜んでくれるならプレゼントして良かったかな。
「よし!行こうか。」
「あいよ!兄ちゃん!まいどありー!」
その後も蜜菓子を食べたり、飲み物を買ったりしながら三人で街を歩いた。少し値は張るけど、こうしておやつを楽しめるだけでも贅沢なのかもしれない。
その後、暗くなる前にマティスを孤児院に送り届けた。
「またね!マティス!」
「バイバイ!マティス!」
「・・・。(こくん)」
こうして、孤児院に送り届け、僕とリーネは昨日と同じ、銭湯と宿に向かう。
「さて、今日も同じ銭湯に行こうか!」
「うん!」
昨日と同じ少し高めの銭湯で汗を流す。
「やっぱり、お風呂は良いな。疲れが全部吹き飛ぶわ。」
完全にリラックスして、お風呂を堪能する。
銭湯から出たら、昨日と同じようにリーネはまだいなかった。しばらく待つとリーネが銭湯から出てきた。
「お疲れ様。じゃあ、宿に泊まろうか。」
「うん!カナメ!本当にありがとう!」
「良いんだ。リーネが気晴らしになったのならさ。それが目的だから。」
そうして、昨日と同じ宿に泊まる。
お互い寝間着に着替えて、一緒のベッドで眠る。
今日も歩き疲れてたのかリーネはすぐ寝てしまった。
「いっぱい歩いたものね。お疲れ様。リーネ。」
今日はかなり散財した気がする。
でも、リーネもマティスも楽しそうだった。
なら、悪くない使い方だったと思う。
そうして、お泊りデート最後の夜は更けていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝、目が覚めると昨日と同じで、リーネはまだ寝ていた。
「目覚めるまでそっとしておくか。」
そうして、しばらく待つとリーネが目覚める。
「・・・おはよう。カナメ。」
「おはよう。リーネ。さて!お泊りはこれでおしまいだね。」
「・・・もっと寝てたいよー。」
「うーん。もうちょっとだけね。」
「うん。」
そうして、少しだけゆっくりした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後は、宿をチェックアウトして、リーネと手を繋ぎながらタベルナヴィーヴァに送り届ける。
「カナメ。これで終わっちゃうんだね。」
リーネは寂しそうにつぶやく。
「これから、何回だってデートできるさ。大丈夫。」
「カナメは、大丈夫だよね?」
曖昧な問いだ。でも何を聞きたいかはわかってるつもりだ。
「うん。大丈夫。ちゃんとリーネの傍にいるよ。必ず、戻ってくるから。」
「うん!」
そうして、タベルナヴィーヴァの前までくると、女将さんが待っていてくれた。
「おかえり。ちゃんと気分転換できたみたいだね。」
「はい。女将さん。」
「うん。良い顔になったみたいだ。さぁ、これから仕事だよ。坊やもありがとうね。」
「いえいえ、僕も楽しかったですから。じゃあ、リーネ。頑張ってね!」
「うん!カナメ!また行こうね!」
「坊や、あんたも頑張んな!」
女将さんはそう言って送り出してくれた。
「うん。頑張るよ。僕はまだ死ぬわけにはいかないからね。」
そうして、決意を新たにする。そうだ!次は装備とアイテムを揃えよう。そう思い、サーガスのお店に向かった。
所持金:32680ルグ
カナメ装備
武器:オーククラブ
腕 :革のグローブ
身体:革の胸当て




