第53話「鍛冶屋のサーガス」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
魔道ギルドにお邪魔してから、さらに数日が過ぎた。ウィルに言われた通り、毎日のルーティーンに洗濯屋に行くことを取り入れた。
かなり情けない話だけど、リーネに「臭いから嫌い」なんて言われたら、立ち直れないだろう。
前世ではコインランドリーで洗濯乾燥をしてたけど、魔法がある世界だと一瞬だ。
水が足から上がって首まで来て、そのまま弾けた。
気が付いたら、汚れが落ちて、臭いもしなくなったようだ。
便利なものだ。
勿論、僕自身の魔法の練習も取り入れている。生き残るために。
所持金は4600ルグになった。
しばらく休んでも大丈夫な感じになった。
朝起きて、ケッラスペルから出た時、
「そういえば、自分用の武器と防具が欲しいな。」
ふと、つぶやいてしまった。
2日前にクララと会話した内容を思い出す。
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「装備ですか。毎日ティラノバードを3匹狩ってましたからね。この短期間でそこまで貯めたということは、カナメ。貴方は優秀ですね。」
正直、かなり嬉しい。あの、クールな感じで褒められるとね。
「この街には鍛冶屋が集まっている場所がありますので、そこに行くと良いです。」
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と言われたので、今日は鍛冶屋が集まる場所に来た。
クララに教えられた鍛冶屋街を歩いて、店の中に入る。
どの店も高く、とても手が出ない。安くても10000ルグとかだ。
「参ったな・・・高すぎて買えないな。次行くか。」
そう思って4軒目に入った店には、筋骨隆々の男が腕を組んで立っていた。
「おう!客か!?・・・なんだよ。ヒョロガキかよ。ここにはおもちゃなんて売ってねぇぞ。」
口も悪そうだ。店主はヒゲを生やした男の人だ。筋肉がすごい。ドワーフっぽい。
店の中もグラインダーのようなものがあって、刃を研ぐことも出来るようだ。
「すみません。武器と防具を見せて欲しいのですが。」
「おい。坊主。ここは遊び場じゃねー。帰りな!」
完全に子供だと思って見くびられてる。
「いえ、これでもギルドの賞金稼ぎです。カナメと申します。」
そう言って、ギルドカードを見せた。
「賞金稼ぎ?こんなヒョロガキが賞金稼ぎとはね。見たところ、新米だな。全く金にならない相手だ。」
愚痴りながらも奥からいくつか武器を持ってきてくれた。
「俺の名はサーガス。で、お前は?」
「カナメです。」
「そうか、カナメ。・・・どうせ金も持ってねぇんだろ。まずは、武器からだな。この中から選びな!」
口は悪いけど、面倒見はいいのかもしれない。
目の前には、剣や槍、斧、棍棒が並んでいる。
一番安いのは、ギルドでもレンタル出来たショートソードか。これでも、400ルグか。
他は、鈍器が700ルグか。
「一応言っておくが、剣術や槍術の心得はあるのか?」
「いえ、ありません。」
剣道なんて、前世で中学生に授業でやっただけだ。
「・・・・・・お前、よくそれで賞金稼ぎになろうと思ったな。」
「孤児なもので。お金が必要なんです。」
「別に賞金稼ぎじゃなくても仕事なんてあるだろ。まぁ、稼ぎはしれてるがな。」
「僕には、しれてる稼ぎじゃダメなんですよ。」
「・・・そうか。孤児って言ったか。孤児で仕事なんて、使いつぶされるのがオチだからな。」
そうなんだろうな。それがメインの理由では無いけど。気にせず、武器を見ていく。
うーん。剣、槍、斧かー。そもそも、刃がある武器は一定のメンテナンスが必要だと思う。
刃こぼれしたら研がないといけないし。
それに、僕の重力制御と相性がいいかと言われると刃物系は微妙かも。
そうすると、鈍器が良いかもしれない。
「すみません。この鈍器にします。」
サーガスにそう伝えると、びっくりした顔をされた。
「・・・驚いたな。てっきり剣を買うかと思った。新米は剣を選びがちだからな。」
サーガスは布で鈍器を磨きながら続ける。
「硬い木材を芯にして特殊な加工を施してある。かなり頑丈だぞ。ちなみに、この鈍器はオーククラブという武器だ。オークってついてるが、実際の魔物のオークは関係ないがな。」
そうなのか。でも、あまり関係なさそうな雑学だ。頭の片隅あたりに入れておくか。
「次に、防具だが、坊主。悪い事は言わん。最初はこれにしておけ。」
サーガスは簡単な胸当てを出してきた。
「革で作った胸当てだ。武器も同様だが、特に魔石を使ってるわけでは無いから、魔力的な効果はない。だが、これがあるだけで大分マシになると思うぞ。革製だからと言って甘く見るなよ。」
実際に胸当てを触ってみたけど、かなり硬い!これ本当に革なのか?それに、軽い。
「それと、グローブだ。これも革製で同じく魔力的な効果はないが、素手はきついからな。」
そういえば、ずっと素手だったな。使ってる時間が少ないからあんまり気にしてなかった。
「頭は・・・今はいいだろう。金が溜まったら、また来い。これセットで2つのセットで2500ルグ。オーククラブが700ルグ。合計で3200ルグだ。」
痛い出費だが、これは必要経費だ。
「サーガスさん。その3つ買います。」
「そうか。じゃあ、3200ルグだ。」
僕はポケットから3200ルグをサーガスに渡す。
「・・・3200ルグをポンと出すとは、子供でも賞金稼ぎか。まぁいい。着付けしてやる。これはサービスだ。」
サーガスは僕の身体に合わせて、着付けまでしてくれた。
「カナメと言ったか?狩りをするなら、血抜きが必要かもしれねぇ。このナイフもサービスだ。せっかく客になったんだ。簡単に死ぬんじゃねぇぞ。」
ケースに入った刃渡り5cmぐらいのナイフも渡してきて、最後にそう言ってくれた。
口は悪い。でも、本当は面倒見のいい人なのかもしれない。
「はい。絶対に生き残ります。」
「そうだ。生き残っていればなんとかなるからな。金が溜まったらまた来い。」
そうして、サーガスさんの店を出る。
所持金が1400ルグになった。色々歩き回ったし、もう夕方に近い。
今日の狩りはお休みして、リーネに会いに行こう。そうしよう。
ちょっと、嬉しくなりながら、リーネに会いに行った。
タベルナヴィーヴァに入ったら、武器と胸当てをしていたから、リーネと女将さんに驚かれた。
次からは宿に置いてから来よう。
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翌日、ギルドに行ったら、何故かクララじゃなくて、ロイドがいた。
「おはようございます。ロイド。今日もティラノバードを狩ってきます。」
「あのときの、新米か。この短期間で装備をそこまで整えられるとはな。」
装備をしている僕を見たロイドは少し驚いていた。
「棍棒?なぜ棍棒にした?」
オーククラブに目を向けたロイドは僕に疑問をぶつけてくる。
「理由は2つあります。1つは、鈍器系の武器は刃こぼれの心配がなく、実質的にメンテナンスフリーで使い続けることが出来ると思ったからです。」
「・・・続けろ。」
「2つ目は、僕に剣術の心得が無いので、剣や槍は返って生兵法になると思ったからです。」
そう聞かれたから、素直に答える。
「ほう・・・。なるほど。お前、名前は?」
「カナメです。」
そういえば、ロイドには自己紹介してなかったな。僕の名前知らなかったのか。
「カナメか。覚えておいてやる。今日もティラノバード狩りだな。行ってこい。」
僕に関心を持ってくれたようだ。これは、少しは認めてくれたってことだろうか。
何はともあれ、装備は一新した。一張羅から一つ昇格した感じだ。
所持金も1370ルグ。
胸当てを軽く叩く。
「今度は、生きて帰る。」
そう思い、今日も狩りへ向かった。
所持金:1370ルグ




