第48話「ティラノバード」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
セミナーが終わり僕を含め6人。いや、1人は剣を最初から持っているから5人が受付でショートソードをレンタルする。
お互い会話はしない。文字通り、馴れ合いはしないって感じだ。僕が最後にレンタルをするべくクララに話掛ける。
「クララ。ショートソードをレンタルしたいのですが。」
「はい。ちなみに、レンタル料は基本前払いですが、初回のみ後払いになってます。」
「え?そうなんですか?どうして、先払いなんですか?」
「それは・・・死んだらレンタル料が回収できないから。」
思ったより、えぐい理由だった。世知辛い世界だな。
「もし、お金が溜まったら、自分用の武器を買ってください。それが一般的な賞金稼ぎです。」
「はい。わかりました。」
まぁ新米向けの救済措置みたいなものか。救済になっているかは微妙だけど。
「これが、ショートソードです。無くさないように。」
「はい。ありがとうございます。」
クララからショートソードを受け取る。
「おい。チェリー君達!初日から死ぬなよ!!せめて、こっちが罪悪感が沸くぐらいは生き残ってくれないとな!!!がーはっはっは!」
荒くれ者達が僕達を嘲笑う。荒くれ者達を無視して北門に向かう。
もうお昼を過ぎている。暗くなる前に帰りたい。そう思っているはず。6人とも考えてるのは同じようで、北門に一緒に行く。
当然の如く会話は無い。全くの無言のまま、6人共歩いていく。僕の方から話掛けたほうがいいのかも?と思ったけど、やめた。
お互いそんな間柄じゃない。
北門に付いたら、門番が2人程常駐している。
「お前達!外に出るのか?何のために?」
門番は僕達を呼び止めたが、前を歩いていた男の子2人がギルドカードを見せた。
「依頼を遂行しにいく。」
「だから、通してほしい。」
初めて声を聞けたな。当たり前だけど、若いな。
「ギルドカード?ああ、賞金稼ぎか。」
「見ない顔だ。新米だな。ティラノバード狩りだろ。他の4人も同じか?」
聞かれたので、僕もギルドカードを見せる。結局6人全員ギルドカードを門番に翳した。
「いいだろう。通れ。ただし、入るときもギルドカードが必要だからな。」
なるほど。街に入る時も出る時もギルドカードが必要なのか。
北門から出たら、森に入って、6人バラバラに行動する。流石に一言も会話が無いのは苦痛だったけど、同業者だからね。っと人の心配をしてる場合じゃない。
最後に僕も森に入る。勿論、深く潜るつもりはない。森の浅い場所にいるって話だからね。
一匹探して倒すまでは、時間掛かっても良いと思っていたけど、獲物はあっさり見つかった。
ロイドが教えてくれた形の魔物だ。2匹いるな。
「やばい。思ったよりでかい。」
僕よりちょっとだけ大きい。足もセミナーの時より太い。これ本当に新米におすすめなのか?
疑問に思いながら、木の陰に隠れながら、様子を見る。
今は落ち着け。パニックになるな。セミナーで言ってたけど、いきなり2匹を狙うのは止めよう。
大丈夫だ。やれる!心臓がうるさい。
緊張する。汗が勝手に出てくる。大丈夫。やれるはずなんだ。1匹になったら、絶対重力で動けなくして、刃を突き立てる。
簡単だ。簡単なはずなんだ。焦るな。
そう思ったら、1匹が少し離れた。今だ!
「絶対重力!!!」
絶対重力で重力加重して動けなくする。
「っ!!!」
そのまま剣を頭に突き刺した。
ティラノバードが暴れようとするが、重力加重されて動けない。声も上げられず、そのうちに力が抜け、動かなくなった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
精々5分程度の事だったのにどっと疲れた。息も上がっている。でも、休むのは後だ。
もう1匹が戻ってくる前に運んでしまおう。重力を軽くして持ち帰ろう。
ティラノバードを軽くして担ぐ。
森から出て、門の見える所まで戻ってきた。ここまで戻ってきたら、流石に落ち着いてきた。自分で思うより興奮してたみたいだ。
「そうだ。中途半端だからちゃんと血抜きをしておくか。」
ティラノバードの喉と思われる所にも切りつけ、逆さまにして血を出す。
正直、頭を突き刺したからこれでも良いかと思ったけど、ちゃんとやった方がいい。多分。
しばらくして、血が出なくなったので、また担いで北門の門番にギルドカードを出す。
「帰りました。中に入れて欲しいです。」
「おぉ。思ったより早かったな。お前、結構優秀だな。」
「え?えーと、ありがとうございます?」
「ギルドカードを一応見るぞ。うん。異常なし。通れ。」
「はい。あっ。そういえば、何で出る時もギルドカードが必要なのですか?」
「ん?あー。厳密には出る時は必要ではない。ただ、お前らガキが外に出るなんてありえないからな。確認した。後は、怪しそうなやつも検問しているな。」
なるほど。確かにその通りだな。
「そうだったのですね。ありがとうございます。」
「ああ。あの6人の中じゃ、お前が一番早かったな。油断は論外だが、ちょっと誇っていいぞ。」
え?そうなの?それはちょっと嬉しいかも。
「ありがとうございます。」
「ほら!さっさと行け。」
言われた通りに、ギルドに真っ直ぐに向かう。
ギルドの門を開けたら、ちょっとだけ騒がしかった。
「おいあのチェリー野郎!もう戻って来やがった!」
「偶然だろ。運の良い奴ってのはいるもんだ。たかがティラノバードでもな。」
「でも、いくらなんでも早すぎじゃねーか?」
「さてな。実力なら生き残るだろうよ。運だけならそのうち死ぬ。」
相変わらず言いたい放題だけど、無視してクララに話掛ける。
「クララ。ティラノバードを狩ってきました。」
「・・・ずいぶん早いのね。まさか横取りとかしてないわよね?」
「してないですよ。」
「うん。一応信じるわ。」
一応ですか。とりあえず、ティラノバードを机に置いて、ついでにショートソードも返しておく。
「あら?血抜きもやっていたのね。正直ありがたいわ。」
「ええ。必要かと思いましてね。」
「獲物はこちらで預かるわ。後、武器もね。はい。200ルグの税金20ルグとレンタル料10ルグを引いた170ルグね。」
クララから硬貨を受け取る。
「ありがとうございます。」
「今日は初日だから、無理せず休んだ方がいいわ。」
「そうします。ありがとうございます。」
僕はそのままギルドを出ようとする。
「チェリー君!今日は運が良かったようだがな!次も上手くいくと思うなよ!」
捨て台詞のような言葉を掛けられるが無視してギルドを出る。
これが一番最初の・・・僕のギルドでの報酬だった。
所持金:170ルグ




