第47話「ノービスセミナー」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
クララに案内されて、ちょっとした講演室に連れてこられた。
クララが言う通り、僕以外に5人いる。
すぐ隣に座ってる男の子が2人。すでに剣のような武器を持っている男の子が一人。ガラが悪い男の子が1人。意外だけど女の子も1人いた。
とりあえず、適当な席に座る。しばらく待つと顔に傷が入った強面の人が入ってきた。
「命知らずのひよっこ共!俺の名前はロイド!このギルドのマスターをやっている。賞金稼ぎの間で敬称は不要だ。ロイドと呼べ。今日はお前ら新米に現実ってものを教えてやる!」
何かいきなりぶっこんで来るな。
「まず言うべきことがある。お前達は半年後には死ぬ!」
ロイドは僕達に夢から覚めるような現実を突きつける。
「賞金稼ぎのほとんどは道中で死亡するか再起不能で引退がほとんどだ。臆したのなら、止めておけ。死ぬだけだ。」
周囲、って言っても僕を含めて6人しかいないけど、ちょっとざわつく。
「少し時間をやる。出ていきたいなら出ていけ。」
そういって、ロイドは机に手をついて、目を瞑るように待つ。当然だれも出て行かない。そりゃそうだ。皆事情はあるだろうけど、覚悟してここに来たのだから。
「残るってことは、それでも賞金稼ぎになるって理解でいいな!まぁいい。嫌なら、いつでも出ていけ!誰も止めないからな。」
ここで、ロイドから基本的な賞金稼ぎの説明が始まった。
「俺達賞金稼ぎは、世間じゃ冒険者だの掃除屋だのスカベンジャーだの好き勝手呼ばれてるが、やることは同じだ!ギルドの依頼を受けて依頼を遂行する。簡単だろ。」
僕達は黙ってロイドの話を聞く。色々呼び方はあるけど、基本は同じってことか。
「後、基本的に同業者の賞金稼ぎは信用するな。賞金稼ぎ同士のトラブルに対して、ギルドは関与しない。但し、街中で暴れるなら別だが、街の外での戦いは基本的に当事者同士の問題だ。気を付けるんだな。」
いや、流石にそれは放置しすぎでは?って思うが声に出して質問できる雰囲気じゃない。
「ギルドの目が届くのはあくまでも、街中だけだ。街外までの治安維持はギルドの範囲外だ。それは、俺達バウンティギルドも騎士団も同じだ。そこまでしているだけの人員もいないからな。」
つまり、人手不足ってことね。確かに、そうなんだろう。
「勿論、犯罪はご法度だ!もし、詐欺、テロ行為、裏切り、依頼人等への殺害、非人道的な行為に対しては、厳しく処罰する。最悪、ギルド側の権利で死刑執行もある。まぁ今のお前らには関係ない話だと思うが、暴れすぎるなよ。」
ロイドはその後に続けて説明をしていく。
「俺達賞金稼ぎは厄介者、荒くれものも多い。それは事実だし、世間からもそう見られてるってことを覚えておけ。謂れのない偏見をつけられることだって珍しいことではない。覚えておけ。」
ロイドは淡々と依頼の受け方を説明していく。
「依頼の受け方は簡単だ。掲示板に張り出されている依頼票を受付に提出するだけだ。依頼票には報酬が書いてある。特に難易度やランクとかは設定していない。そんなものを一々調査していられないからな。腕に覚えのある奴は高額な依頼を受けるといい。まぁお前達では死ぬだけだがな。」
へー。ゲームや漫画とかだとランクとかが決まってるようなイメージだった。Sランク冒険者!とかプラチナ級!みたいなのは無いのか。
「だが、依頼遂行数と依頼達成率はカウントしている。つまり、依頼をこなしていければ、名も売れるようになるかもな。名が売れてくれば、指名依頼というのがある。それこそが、賞金稼ぎにおける名誉のようなものだ。そこまで、生き残ることができたらの話だが。」
やたら、生き残ることを強調してくるね。でも、ランクとかつけられてもね。欲しいのは名誉じゃないし。
「逆に依頼を失敗し続ければ、どうなるか。想像できるだろうが一応説明しておくと、指名依頼が来ないし、一時的にパーティを組むってことも無くなってくる。どん詰まりだな。とはいえ、実際はそこまで行く前に死ぬと思うがな。」
失敗は積み重なる、ってことか。
「ここまで説明してどうだ?逃げたくなった奴はいるか?繰り返すがいつでも止めて良いぞ。誰も止めん。」
最初から最後まで突き放したような言い方をするな。
「さて、続けよう。ギルドカードは作成したな。これで、お前達は新米でも賞金稼ぎになったが、ひよっこはひよっこだ。まともな装備も無いだろう。そこで、最初は、まずティラノバードという魔物狩りから始めろ。新米は誰でもこいつから入るんだ。可食部位が多く、皮も使える。年中依頼が出てるからな。街の外の北門から出て森の外縁にいる。」
ティラノバード?まぁバードって言うんだから、多分鳥なんだろうけどね。そういえば、街の外ってそんなに出た事ないな。この街って森に囲まれてたような気がするな。
「無論、ティラノバードだけじゃない。こういった可食部位が多かったり、皮や内臓等に価値がある魔物は、需要がいつでもある。それらは固定依頼になっていて依頼票ではなく、黒板に書かれているからそれを見ろ。」
なるほど。それ以外のものは依頼者がいるってことだね。ロイドはティラノバードの絵を見せながら説明を続ける。
「ティラノバードは一匹に付き200ルグだ。こんな魔物だ。甘く見るなよ。奴らの蹴りをまともに貰えばおまえらでは怪我ではすまん。そして、戦いの中で怪我をしたら命は無いと思え。特にソロの場合はな。」
1匹200ルグか。高いのか安いのかわからないけど。っていうか、見た感じ駝鳥だな。
「お前達に金が無いのは知ってる。だから、最初だけだが、このショートソードをレンタルできるようにしてやる。レンタル料は一日10ルグだ。有難く使え。それと、依頼料は全部貰えるわけじゃない。税として依頼料の10%はギルドの取り分となる。つまり、ティラノバードの場合は一匹に付き180ルグが実質お前らの手取りだな。これらの固定依頼は一日何匹でも受けられる。一日に2匹狩れば、360ルグだ。急ぎたい奴は頑張ることだ。」
ロイドはショートソードをわかりやすく、目の前に見せた。刃渡り30cmぐらいだろうか。そんなに長くないな。1匹につき180ルグ。実際どうなんだろう?一匹狩れば生きていけるんだろうか。まだわからないな。
「ティラノバードの狩り方だが、お前達は単独でいるときを狙え。色気だして、2匹、3匹を狙うなよ。死にたくなかったらな。」
狩り方まで教えてくれるとはね。怖い顔してるけど、意外と面倒見は良いのかもしれない。
「他にも護衛や探索依頼、遠征、討伐が主にお前達が受ける依頼になるだろうが、今はそこまで考えなくていい。死にたくなきゃ、欲張るな。わかったな。」
ロイドは念押しするように言う。
「分からないことはあるか?・・・無さそうだな。もし、不明点があれば、受付に聞けばギルドに関係ありそうなら答えてくれるだろう。俺もギルドにいれば、教えてやる。間違っても他の賞金稼ぎに聞くなよ。そいつらが本当の事を言ってる保証など無いのだからな。」
なんというか、自分以外皆敵って感じになりそうだ。他の子を見ると、皆鋭い目つき。覚悟を決めた顔をしている。女の子ですら既に怖い顔をしている。
「では、新米共。これから生き残れるかは貴様らの運と実力だけが頼りになる。幸運を祈る。」
リーネを、一人にするわけにはいかない。絶対に生き残ってやる。




