第41話「無力な蛮勇」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
今日は孤児院で重力制御の練習だ。基礎は大切。
「最近はユミル先生も一緒にいない日が多いな。自己鍛錬をサボる気はないけど。」
ユミル先生からもう一人でも大丈夫と思われたのだろうか。
「よし!やるか。まずは質量探査を使いながら、重力制御をしていくか。」
この二つは即時発動ができるようになった。質量探査を使いながら、重力制御をしていく。
その状態を維持。うん。しっかり出来てる。
「この状態でしばらく維持して・・・。」
10分ぐらいだろうか。基礎はこのぐらいでいいかな。その状態を維持して次のステップ。
この状態で重力加速の練習。重力波を発生させる。
「ん?」
そう思ったら、誰か近づいてくる。能力を止めて、向かってくる人に顔を向ける。
「リーネとマティス。どうしたの?」
「カナメがどこに行っちゃったのかと思って。」
「ああ。ごめん。いつも、練習するって言ってたけど、今日に限って言ってなかったね。ごめん。」
「うん。」
「・・・。」
二人共僕の傍に来る。リーネは昔からだけど、マティスって子も距離感近いな。
「そういえば、ディエは?」
「え?わからない。」
「・・・。(ふるふる)」
「そっか。」
あの後、あんまり話できなかったからな。変に意識したくないけど。
「失礼つかまつる。」
「えっと、リッケル様とエルス様?」
「覚えててくれたとは光栄かな。」
「先日は世話になったな。」
二人が訪ねてくる。一体何?リーネとマティスは僕の後ろに隠れてしまった。
「改めて自己紹介をしよう。私はリッケル。協会に所属している司祭だ。カナメ。よろしく頼む。」
「よろしくお願いします。」
いや、服装からして教会の人って分かってたけどね。
「今日訪ねたのは確認にきたんだ。」
「確認・・・ですか?」
何の確認なんだろう?
「先日の襲撃の件。門付近の城壁にヒビが入っていてな。その確認をしにきた。」
「あっ!」
あの件か。まさか、修理費を払えとか言われるのだろうか。
「あれをやったのは、カナメ。君だね。」
「はい。僕がやりました。」
「リッケル殿。その時は、ビペドメクスが街に侵入を許していました。緊急事態だったのです。」
「エルス様。わかっています。だから、事実確認をしているのです。」
エルス様がかばってくれる。
「カナメ。貴方の魔法でビペドメクスを討伐した。その余波で城壁にヒビがはいった。その認識でいいですね?」
「はい・・・その通りです。」
「わかりました。今日はそれが確認したかったのです。協力ありがとう。では、これで。」
「カナメ。心配しなくていい。ではな。」
そう言って、二人は去っていく。アレかな。危険因子判定されたかも・・・。
「カナメ。大丈夫なの?」
「・・・。」
リーネが心配そうに僕を見てくる。マティスはよくわからない。正直大丈夫かどうかなんてわからないけど。
「大丈夫だよ。大丈夫。そうだ!リーネ。マティス。僕の訓練にちょっとだけ付き合ってよ。」
「うん!いいよ。」
「・・・。(こくん)」
「よし。それじゃあね・・・」
一抹の不安を抱えた感じになったけど、空気を変えて訓練をしていく。一人で黙々とやるより、人がいたほうがいいね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しばらく、訓練を切り上げて、孤児院に戻ったけど、夕方になってもディエが見えない。
「ディエがいないな。他の子に聞いてみるか。」
「うん。」
「・・・。(こくん)」
そう言って、メラニーとリンダとカミラがいたから、ディエの行方を聞いてみるけど。
「え?わからない。」「知らないわよ。ディエの事なんか。」
うーん。誰も行方知れずか。ちょっと心配だ。
「ディエを探しに行こうと思う。もう夕方だ。暗くなる前に連れて帰らないと。」
「カナメが行くなら、私もいく。」
「・・・うん。」
リーネとマティスも連れて、孤児院の外に出る。
さて、どこを探すか。
「とりあえず、心当たりのあるところを探してみようか。」
「うん。」
「・・・。(こくん)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結果から言うと、ディエはあっさり見つかった。
広場に行ったら、木の枝で素振りをしている。
「ディエ。探したよ。」
「カナメか。」
ディエはちょっとこっちを見たけど、すぐにそっぽ向いて素振りを続ける。
「ディエ・・・?何をやってるの?」
「見てわかるだろ。」
「なにそれ?何で怒ってるの?」
「べつに・・・。」
リーネもディエに疑問を投げかけるけど、ディエはまともに取り合えってくれない。
「ディエ。今日はもう帰るよ。そろそろ暗くなる。」
「先に帰れよ。俺はまだやる。」
「帰れるわけないだろ。」
「俺の事はほっとけよ。カナメには関係ない。」
ディエは不貞腐れてるように素振りを続ける。
「この前は怒鳴って悪かった。謝るから。」
「そんなことはどうでもいい。」
「じゃあ、何が・・・」
気に入らないんだ?って最後まで言わないけど、伝わるだろう。
「余裕だな。お前はいいよな、最初から持ってる側で。俺は違うんだよ。」
「力を持っていたとしても同じだぞ。無茶な事をしていると本当に死ぬぞ。」
「魔道ギルドで説教の仕方も教わってきたのかよ。」
「違う!そういう意味じゃ・・・・・・」
「俺は“守られる側”でいたくねーんだよ!!」
ダメだ。聞く耳を持ってくれない。
「え?そんなことで怒ってるの?やめてよ・・・・・・そんなの嫌だよ。」
「女にはわかんねーよ。黙ってろよ。」
「なに?その言い方?こっちは心配してるのに。」
「誰も頼んでねー!」
・・・分からないわけではないが、このままじゃ危ない。でも、同年代の僕らでは届かない。
「・・・。」
終始、マティスは無言だったが、僕の方を見てくる。「どうするの?」って感じの顔だ。
「とにかく、もう暗くなる。ディエ。今日は一緒に帰るんだ。ユミル先生に怒られるよ。」
「・・・わかったよ。」
素振りを止めて、一緒に孤児院に帰るが、重い雰囲気のままだ。
僕から言えることはほぼない。何を言っても聞いてくれないだろう。ユミル先生に相談してみるか。
すれ違ったまま、今日という日が終わる。
嫌な予感が、胸に残ったままだった。




