第39話「チーマーの恐喝」
※本作の制作にあたり、誤字確認や構成検討の補助としてAIツールを利用しています。本文は作者が執筆しています。ご了承の上、お楽しみください。
「気を張るのだ。意識を集中しろ。」
「はい!ボラン師匠。」
今日はボラン師匠とタイマン訓練だ。
重力波を筒状に地面と水平に発生させて、石を打ち出す訓練だ。
このように、次元を歪めていけば、石を進行方向にGを印加できる・・・はず。
そのための、重力波を発生させて固定する訓練だ。めちゃくちゃ魔力を使うし、意識を持っていかれる。
「よし。いいぞ。そのままだ。そのまま維持しろ。」
「はい!ボラン師匠。」
重力波を固定するのをしばらく維持する。ずっと魔力を消費している感じだ。一気に疲れる。
「そのままだ。石を固定してみろ。」
「うぐ・・・はい!」
この状態を固定しながら、ポケットから石を取り出し重力波の中心に置く。見た目だけなら石が宙に浮いてるような状態だ。
「そのまま飛ばしてみろ。」
「は!!」
重力波によって押し出され、石を横にGを印加する。想像では、一気に石が高速に飛び出して壁にめり込むはず!・・・・・・なのだが。
ピョン。
石は大して飛ばず、1mくらいで地面に落ちた。
「はぁ・・・はぁ・・・ダメかぁー。」
理想とは程遠い感じになって、がっくり来る。
「うむ。少なくとも前には飛ぶようになったな。」
「はぁ・・・はぁ・・・はい。ボラン師匠。」
こんな感じだけど、最初は空間上に石を固定することもできなかった。前に飛ぶだけ進歩しているのだ。
「項垂れるな。魔法の道に終焉はない。幼少期から訓練して20歳でようやく一人前になるのが普通だ。むしろ、お前程の若いの魔導士は他と比べたら、各段に優秀だ。そこは誇っていい。」
「ありがとうございます。」
そう言われて、嬉しいが実感がない。ウィルも僕と変わらないくらいの年なのに凄かったし、エルス様も同じくらいの年齢だろう。
そういえば、ウィルもエルス様も何歳なんだろう?今まで気にしたことなかったな。
「だからと言って、胡坐をかくな。終焉が無いからこそ、生涯修行だ。才能ではない。続ける者だけが残るのだ。さぁ!続けるぞ!」
「はい!ボラン師匠!」
とにかく続けるしかない。ウィルの言っていた通り、努力や修行のほとんどは反復練習から始まるのだから。
もし、これが実戦でも使えるレベルになれば、強力な物理攻撃になるし遠距離でも攻撃できる。
期待を持ちながら、魔力が尽きるまで訓練する。虚脱感も出て、立っていられない。孤児院に帰るのが辛かった。
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その翌日、今日は夕方に買い出し行くことになった。
「カナメ君。申し訳ないのですが、買い忘れがあったようです。追加で買って来てもらえませんか?」
ユミル先生にそう言われて、ディエとリーネと3人で買い出しに行くことになった。
「さっさと終わらせようぜ!俺ちょっと腹減ってきたよ。」
相変わらず腕白な子だな。でも、このような子は嫌いじゃないんだよなー。エネルギッシュで羨ましいまである。
「カナメ。ディエと一緒じゃないとダメなの?」
リーネは気に入らない様子だ。でも、少しずつ他の子と慣れさせていかないとね。
「うん。リーネ。他の事も仲よくしようね。」
「・・・うん。」
どうすれば、リーネに社交性を持ってもらえるだろうか。
「ほら!早く行くぞー!」
ディエは先に走って行ってしまう。
「うん。分かってるよ。リーネ。行くよ。」
「うん。」
リーネと手を繋いで、ディエについていく。
そのうちに商店街に出て、目当ての物を購入する。
「あいよ。坊主達はお手伝いか?良い事だな。」
「ったりまえだよ!おっちゃんありがとな!」
ディエは元気の良い返事をする。うんうん。良い事だな。
「おっしゃ!カナメ!リーネ!帰るぞー!」
「はいはい。」
「うん。」
目当ての食材は買えた。左手はリーネと手を繋ぎ、右手でおつりと食材を持ってディエに付いて行く。
完全に暗くなる前に帰ろう。そのまま、孤児院まで一直線に帰ろうしばらく歩く。
「よう!坊主共!ちょいと待ちな。」
夕方になり始めだから、人が少なくなってきた。ちょっと油断していた。
ガラの悪いチーマー崩れの絡んできた。前に3人。後ろに2人か。
「俺達よ。腹減ってんだ。後な。金も無くてな。金と食べ物恵んでくれねーか?」
当たり前だけど、人にモノを頼む態度じゃないな。
「カナメ・・・。」
リーネは僕にくっついてくる。
「大丈夫。僕の近くにいて。」
安心させるように小声で言う。こう言ったらなんだけど、アメリア様やエルス様、ウィル達のような凄さは感じない。
正直どうとでもなる連中だ。
「なんだ!?お金も食べ物もやるわけないじゃん!さっさとどいてくれよ。」
ディエが威勢よく言い返す。
「このガキ。こっちが下手に出ていれば!こっちは気が短いんだ。さっさと金と食べ物を置いて行けよ!」
下手にもなっていなかったけどね。後、気が短いのは知らん。そっちの勝手だ。
「はあ?そんなの知らないよ。食べ物を渡したら、今度はこっちが」
「うるせえな!このガキ!」
「うぐぁ!」
チーマーのリーダー?みたいな奴にディエが殴られた。マジか。こいつら子供相手に暴力かよ。
「ディエ!!大丈夫!?」
リーネが心配するように声を掛ける。
「痛ぇ・・・」
ディエが泣きそうになってる。許せん。周りは、人が少ないけど、我関せずか。冷たい人たちだ。
「ディエ。大丈夫か?孤児院に帰ったら先生に癒してもらおう。」
チーマーのリーダーに向き直って宣言する。
「悪いけど、暴力には屈しません。僕達は帰ります。そこをどいてください。」
チーマーの手下みたいな奴が僕の胸倉を掴んできた。
「おい、このガキ!さっさと出すもん出せよ!!あ!!そっちのガキでもいいぞ!女ならちょっと遊べるしな。」
「ひっ!」
リーネは怯えて、手が強く服を掴んで僕に捕まってくる。悪いけど、もう辛抱できない。
リーネが目を瞑って怯えているし、ディエを戦意喪失している。これ以上は見過ごせない。正当防衛だ。
「「絶対重力」」
「ガッ!」
一気に数倍の重力加重して周囲のチーマー共を地面に叩きつけ、声も上げられないくらい限界まで這いつくばらせる。流石に殺しはしないけどね。
「悪いけど、僕達は急ぐんで。ディエ。リーネ。行くよ。」
「うぅ。」
「う・・・うん。」
ディエとリーネを連れて、そのまま孤児院に戻る。
「ユミル先生いますか?」
「カナメ君?どうし・・・ディエ君!?どうしたのですか?その顔!?」
「実は・・・」
事の顛末をユミル先生に報告する。
「そうでしたか。ホーリーヒール。」
「先生。ありがとうございます。」
「いいえ。」
「カナメ・・・怖かった・・・。」
僕に抱き着いてくる。
「リーネ。僕と一緒なら大丈夫だから。」
「うん。」
リーネの背中を摩って落ち着かせる。しばらくそうしてみたら、リーネも落ち着いてきた。
「えっと・・・ディエも・・・大丈夫?」
ここでリーネがディエを心配してくれた。不謹慎かもしれないが、僕以外の子を心配してくれるようになったのは良い傾向だと思ってしまった。
顔の腫れが収まったディエがいきり立って叫ぶ。
「畜生!あんな奴らにやられるなんて!」
「きゃあ!」
いきなり大声を出すから、リーネが驚いてしまった。
「俺は絶対将来強くなって、冒険者として生計を立ててやる!そして、いずれ騎士になって見返してやる!!」
「ディエ。落ち着けって。」
「ディエ君。落ち着きなさい。」
僕とユミル先生はディエを諫める。とはいえ、気持ちは分かるんだけど。
「カナメもユミル先生も魔力適正があるから俺の気持ちなんてわかんねーよ!俺は絶対に強くなってやる!」
痛い所を突かれた。ユミル先生も微妙な顔をしていた。この後、終始ディエを落ち着かせることに時間を要した。
大丈夫だろうか。いきりすぎて大事にならないだろうか。




