権力の誇示
今回はあとがきにキャラクター紹介があるので先にこちらで挨拶をします!
調子に乗って書いた作品八号です。今回は少し重めですが、これよりもっと重い回というのも私の頭の中にあるのでご期待ください……
ちなみに青砥から修栄までは意外と距離があります
田道さんは走って駅の方に行ってしまった。
幼馴染が呼んでいると言っていたけれど、大丈夫なのだろうか。
……………もしくは、さっきの質問が嫌だったとか?
「助けていただいた人とはどのような人ですか?」
と聞こうと思っていた。
やはり答えたくないような質問だった?
そうだとすると嘘を使ってでも私のそばにいたくないだろう。
お母さんに昔から人の気持ちを理解するのが一番大切だと言われてきたのに…
ぶつぶつと考えながら堀切菖蒲園の改札に入る。
よし!ちゃんと謝ろう。
言いたくないことはどんな人でもある。
そう心に決心をつけているとスマホに通知が来た。
沙耶香から『青砥の改札に8時集合』とメッセージが来ている。『わかった』と打ってため息をつく。いつも呼び出されるのは面倒だ。私は自分でもわかっているがものすごく暗い顔つきをしているだろう。
青砥につき、改札を出たイスに沙耶香たちは座っていた。「おそい〜」少しどもって「ご、ごめん」と言う。
沙耶香は私にかばんを突きつける。
「はい、持って」
黙って持つ。ほかの二人の分も渡される。
きっと修栄中学のなかでの私という地位は低いのだろう。
だからこそよく言う「1軍女子」にこき使われる。
抗おうと思えば抗える。しかし、反抗したところで沙耶香たちがほかのクラスの生徒や先生などに根回しをして、私の立場がさらに悪くなる。
だから言うことに従うのだ。たとえ自分の感情を押し殺してでも。
修栄の敷地はかなり大きく、比較的きれいだ。登校する時間帯はいつもサッカー部がグラウンドを使用している。
沙耶香はモテる。顔がきれいだし、成績はいいもいいし、スタイルもかなり良い。だからこそ権力がある。
ほぼ学年を取り仕切っているのは沙耶香たちだ。
先生たちの信頼を勝ち取っている。大きなことを言ってしまえば夏休みの課題だってかなり少なくできてしまうのだ。そんな権力を持った者に逆らうとどうなるかなんてもう分かりきってる。クラスという檻のなかで社会的に消されるのだ。
沙耶香たちは教室に入って無言で私からかばんをとっていく。
まず話しかけるのは先生だ。そうやって信頼をじわじわと重ねて強力なものにしていく。
「せんせー!おはようございまーす!」
もちろんクラスの女神的存在の女子に話しかけられて嬉しくない男などいないだろう。
普段は生徒に優しいのだが、沙耶香の前だともっとデッレデレになる。
「はい、藤山さん。いい挨拶だねぇ、みんなにも挨拶しておくんだよ」
先生の目は見えないくらい薄くなっている。対する私が挨拶をすると
「はい、おはよう。席について準備しておいて」
この温度差である。私は黙って席に着く。
中学1年生の頃は友達だってもちろんいたが中2から沙耶香が転校してきてみんな沙耶香の親友になりたくて私とあまり話さなくなった。
2年生は本当に退屈だった。この学校は中高一貫だからこの退屈な時間が後4年も続くのだ。
そうしていつも通りの授業が始まる。
六限目が終わり、私は部室に行く用意をしていた。天文部だ。
幼いころから宇宙や空に興味がありどのような構造になっているかや、時折天体観測なども行う。部員はたったの5人。
かなり小規模な部だがクラスに居場所がない私にはとても良い部活だった。
部室に入ってかばんを置く。図解・宇宙図鑑と言う本をとって椅子に座る。
後ろから「なっちゃぁーん!」と元気な声がする。
私の唯一の同い年の友達、真白 天音だ。
「どうしたの天音?何かいいことでもあった?」バンッと机に手をつき真面目な顔で
「今日、宿題がなかった!」
それを聞いた瞬間、私は噴き出してしまった。
「ちょっ、ちょっとぉ!なんで笑うの!?」
私は「ふふっ…いや…ごめ…ははっ、だってそんな真面目そうな顔で宿題がなかったなんて言われたら面白いだけじゃん」
天音はムッとほっぺたを膨らませ怒ってますよアピールをする。
「だって!嬉しいじゃん!」
その直後あまりにほっぺたを膨らませすぎてブッと言って天音が噴き出した。
その吹き出した時の表情で私は思い切り笑った。
「あはっ!ははははっ!ふふふっ!」
その顔を見て天音も大笑い。
こんな友達がずっといてくれればきっと毎日学校に行くのも楽しくなるのだろう。
2人でまた話していると先輩が入ってきた。
「ごめん今日高2の先輩どっちも補習に引っかかってるから!今日解さーん!」
先輩が顔の前に手をそろえて言う。
「「はーい」」
帰りに天音と話しながら駅に向かう。
いろいろな話をしている中、天音が
「なんかねぇ最近、仲の良い男子がいるんだけど一緒にいると…その楽しいっていうかぁ?落ち着くんだよねぇ」
その言葉に私は即座に
「天音、好きなんでしょその男の子」
ふぇっ!?と変な声を出した後少し顔を赤らめる天音。
「い、いやいや!そんなことないって!たぶん仲が良いだけだし!」
私は確信づけたように
「いやいや、絶対好き!次の部活の日に詳しく教えてね!」
「えっ!?」
と天音はまた顔を赤くする。この顔の天音は女子の私が言うけれど、可愛い。
そのまま別れて堀切菖蒲園に向かう。電車のなかで、また沙耶香たちのことを思い出す。また明日も呼び出されるんだろうな…
そう思いながら電車に揺られる。
何も考えずに降りて、改札を出る。
おそらく顔に出てるであろう憂鬱な表情を映し出すように大きくため息をつく。
「どうしたんですか?そんなにため息なんか着いて」
はっと顔を上げると田道さんが改札の前の柱に寄りかかっていた。
これまで出てきたキャラクターの詳細を説明します!
一ノ瀬 夏海
背中の中間くらいまであるロングヘア
身長…158cm 体重…39kg
性格…大人しく、凛々しい一面もあるが、自分の感情をないがしろ(優先できない・無視しがち)にしてしまう
六角勇斗
身長…162cm 体重…48kg
ナチュラルな感じで前髪を下ろしている爽やかな雰囲気
性格…とにかく優しい。面白みやトーク力などもあるのでその点でも女子から大人気。
藤山 沙耶香
身長…154cm 体重…※※kg
ボブで茶髪 本人は地毛だと言っている
性格…男子の前ではいい子だが、自分に反抗してきたり従う気がない女子はメイドのようにこき使う。
真白 天音
身長…150cm 体重…37kg
団子結び 清楚感があるが本人は丁寧ではない
性格…笑いのセンスに長けており、クラスでも笑いをよくとる。顔に本人は自信がないが照れると可愛くなる。




