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過保護な女神さまによる異世界転生  作者: 枡狐狸
第五章 問題児達の王国祭
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103 第一王子

 朝、リティが起こしに来た。

 ベッドから出て、リビングに向かう。

 椅子に座る……。


 寝ているところをリティに起こされた。

 朝食を用意してくれていた。感謝を伝えてもそもそ食べ始める。


 意識が飛んでいたところをリティに呼び戻された。

 少し残っていた朝食を食べきり、身支度の為に部屋へ戻ろうとする。

 ……うまく体が動かない。立ち眩みがする。

 ああ、これは駄目な日だな。


「リティ……先に行ってて……今日は遅れる、から」

「だいじょうぶ?」

「うん、時間が経てば治るから……」


 体が眠ったままのようだ。血が脳まで行かない。

 起こしてくれたリティには悪いけど、今日は遅刻決定だ。



=====



 流石にベッドに入ったらいつまでも爆睡しそうだから、リビングでお茶を飲んで過ごした。一口飲んだあと軽く寝ちゃったから冷めたお茶飲む羽目になったんだけどね。

 2時間ほど経ち、身体が十分に動かせるようになってから身支度をして家を出た。


 まだ眠いけど、立ち眩みは無い。

 というかなんで立ち眩みするんだろう。【状態魔法】の効果対象外なの?


 あー、学園到着。

 はあ、今は授業の途中だよなぁ。途中参加ってなんか気まずいんだよな。授業中居眠りしているやつの台詞ではないとは思うけど、全員から注目を浴びる気まずさは居眠りどころじゃない。

 億劫になりながらも校舎の中へ。学生用の玄関が閉められていたから受付がある方の玄関から入る。


「すいません」

「はい、どうしました?」

「遅刻してきたんですけど、入っていいですか?」

「ああはい、名前とクラス名をお願いします」


 伝えると、受付に出てきた事務員さんは名簿をめくり始めた。


「えっと? Dクラスのアカリ・ユミツキさんで間違いないですよね?」

「? はい」

「男……?」

「? はい」

「そ、そうですか」


 事務員さんが困った顔をしていて、疑問に思っていると後ろの玄関口が開かれた。


「やっぱりアカリさんだ。こんにちは、このようなところでお見かけするとは思いもしませんでした。学園になにか御用ですか?」

「あ、エーリロイスさん。こんにちは」


 以前お見合いした相手のエーリロイスさんだった。

 このようなところでというのはこっちの台詞……あれ、エーリロイスさんの恰好、この学園の貴族生が着ている制服だ。


「その制服、もしかして……」

「ええ、私はこの学園の3年生です。家の都合で入学が遅れましてね」


 エーリロイスさんはまだ20歳になっていないくらいだったと思うから学生なのはおかしくないと思うけど、そういえば貴族は入学が早いんだったか。


 というかさっきから違和感がある。

 ……アカリ、さん。

 …………あっ。


 男の姿に戻るの忘れていた。

 そりゃ事務員さんに変な顔されるわ。知らない人だよ。名簿にも性別くらいは書いてあったんだろう。

 エーリロイスさんってどう見ても貴族生だから、校舎違うはずだよな。もしかして俺が学園に入るのを見かけて追いかけてきたのか? なんて言い訳しよう。

 ……エーリロイスさんはともかく、事務員さんへの言い訳思いつかないんだけど。俺って完全に生徒を騙って不法侵入しようとしてたよな。


「すみません、この方と用事があったので一度失礼します」

「はあ、そうですか」


 エーリロイスさんを連れたって、一度校舎を出た。逃げるが勝ちさ。


「私に用事ですか?」


 エーリロイスさんが嬉しそうにしているけど、残念ながら用は済みました。


「間違って校舎に入ったのですけど、エーリロイスさんのお陰で怒られずに済みました。ありがとうございます」


 お礼と笑顔で誤魔化しておこう。

 効果はきっとある。


「そうでしたか。アカリさんのお役に立てたのなら何よりです」


 嬉しそうにそう返された。効果は抜群だったようだ。

 エーリロイスさんは授業を途中から抜けてきたらしく、名残惜しそうにしていたがすぐに貴族校舎へ戻っていった。

 教室の窓から俺のことを見つけたのだろうか? それにしてはやけに早くここまで来たな。俺の姿を確認した瞬間教室を出てくるくらいの速度だ。教師になんて言ったんだろう?


 それにしても、エーリロイスさんも学生だったんだな……。

 今後、気を付けよう。


 その日は着替えに家まで戻り、結局昼からの参加となった。



=====



 火属性の授業の単位が取れた。

 なんか、単位取得に十分な出席日数になったらしい。

 試験とかないのかと思ったけど、どうやら武器への魔法付与ができているならOKらしい。魔法の威力や魔力量に関しては本人のレベルによる影響が殆どだし、スキルレベルもここからは上がりにくくなってくる。応用的な内容は2年生になってからだから、1年で魔法付与までできるなら後はスキルのレベル上げのための練習くらいしかやることがない。


 まあ、楽に単位が取れたから良しとしよう。

 ……魔法付与に関しては【範囲魔法】を使ったインチキだから、ちゃんと使えるようになるよう練習しておこう。


 単位が取れたから、他の属性の授業にいく。

 今回は風属性の授業に参加。一緒に火属性の単位を貰えたリティと姫さまも一緒だ。


 姫さまは既に【風魔法】を持っているから通常のトレーニング。

 俺とリティはスキル習得から……と思ったら、リティが一瞬で覚えた。

 そういえばリティには『風精霊の加護』があった。『雷精霊の加護』を持っているダイキが【雷魔法】のレベル10だったくらいだし……。


 一人だけ魔法補助の魔道具を持って練習。

 なかなか習得できなかった。

 三日目にしてようやく習得。属性魔法は習得数が増すごとに覚えにくくなるらしいから、【土魔法】はもっと時間がかかりそうだ。


 基本となる呪文魔法を幾つか習い、単位取得。

 魔法の扱いに関しては他の属性魔法で慣れてるから早かった。


 風属性は十分ということで、お次は土属性。

 リティと姫さまはまだ風属性の授業を続けるらしい。少し残念だけど仕方ない。

 一人また地道に補助具を使ってのスキル取得。

 やっぱりすぐには取得できず、週休日になった。


 いつもだったら昼過ぎまで寝ている休みの日。でも今日は残念ながら予定があった。

 冒険者ギルドへ到着、かなり久しぶりな気がする。


「あ、アカリさんちゃんと来ましたね」

「来たよ。おはようカルテ、俺は眠いよ……」

「もうすぐ集合時間ですから寝ないでくださいよ?」

「そもそもなんで呼ばれたか詳しく訊いてないんだけど?」

「面白そうな依頼があったので一緒にという話だったじゃないですか。まあ、依頼内容は私もよく分かってないのでこの後の説明を聞いてからですね」


 うとうとしながら待っていると、やがて集まった人の前に一人の男性が立った。

 金髪黒眼でどこか見たことがあるような顔立ちをしている。でも、知らない人だな。


「皆、今日は集まってくれて感謝する。知っている者も多いかもしれんが、俺はこの国の第一王子アイガスト・イトラースだ。以後よろしく頼む」


 第一王子だった。

 言われてみれば王さまや第二王子のゼネ様と似ている。……え、王子からの依頼なの? これ。

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