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062 キャンプ2日目①with楓&ミミ

アクセスありがとうございます。

 ふと目が覚める……まだ辺りは暗く、川のせせらぎだけが静かに耳へ届いてくる。


 スマホを手に取ると、時刻は4時を少し回ったところだった。


「……さすがに早いな」


 昨日は、楓がお風呂から戻ってきてから映画を1本見たけど、途中までは元気だったのに、終盤にはこくりこくりと船を漕ぎ始め、そのまま寝落ち。


 起こすのもかわいそうだったので、フラットにした車の後部座席へ抱えて運び、そのまま寝かせた。


 前より軽く感じたけど、もちろん楓の体重が減ったわけじゃない。


 スキルのレベルが上がって身体能力が強化されているせいなんだろうな。以前なら、寝ている楓を抱えて運ぶだけでも結構大変だったはずだ。


 車の方へ目を向けると、少しだけ開けた窓から中を覗くと、毛布に包まれた楓が気持ち良さそうに眠っていた。


 そして、その腕を枕代わりにして眠るミミ。


「……お前ら、本当に仲いいな」


 思わず笑ってしまう。起こさないように静かにその場を離れ、チェアへ腰を下ろした。ひんやりした朝の空気を胸いっぱいに吸い込む。


「ふぅ……」


 肺の中が新鮮な空気で満たされていく。街では味わえない、この時間だけの贅沢だ。


 今日の朝食は何だったかな。スマホで保存していたメニューを開く。


「ツナマヨと……ハムチーズエッグか」


 どっちもうまそうだ。


「でも、まだ早いよな」


 4時過ぎでは火を起こすには早すぎる……カセットコンロを使うから、火は関係ないか。


 ぼんやり景色を眺めながら時間を潰していると、視界の端で何かが動いた。


「ん?」


 次の瞬間……ひょいっと、膝へ小さな重みが乗る。


「相変わらず動きが早いな」


「にゃぁ」


 いつの間にか起きていたミミが、当然のように膝の上で丸くなっていた。


 頭を撫でると、ごろごろごろ……気持ち良さそうに喉を鳴らす。


「そういえば、お前……昔より抜け毛が少なくなったか?」


 手を見ても、ほとんど毛が付いていない。以前は、この時期なら一回撫でるだけでも結構毛が付いていた気がする。


「そういえば、毛玉も最近吐いてないな」


 1~2ヶ月に1度くらいは吐いていたはずなんだけど。


「楓が帰ってきてからブラッシングの回数が増えたから、そのおかげか?」


 理由は分からない。でも、健康そうならそれでいい。


「にゃっ」


 突然ミミが膝から飛び降りて、そのまま川の方へ歩いていく。


「また遊びたいのか」


 リードの持ち手を拾い、一緒についていく。


 川辺へ着くと、ちょいっと前足で水面を突く。


 もう一度、ぱしゃっ。


「完全に気に入ったな」


 昨日から飽きる様子がない。流れる水を見つけては猫パンチ。飛び散る水滴を眺めて満足そうにしている。


 そんな様子を見守っていると、


「ふぁぁぁ……」


 後ろから欠伸が聞こえた。


「おはよぉ……」


 楓だった。まだ眠そうに目を擦っている。


「よく起きられたな」


「ミミちゃんが起こしてくれた」


 俺の膝に乗る前に、楓に何かしてきていたのか。それなら納得だ。


 ミミは川遊びを続けながら、ちらちらとこちらを見ている。


「そういえばさ、猫ってこういう所へ来ると、ダニとか体に付かないのか?」


「にゃー! にゃあ、にゃ」


「……分からん」


 俺には猫語は理解できない。


「楓、通訳」


 楓は少しだけミミと鳴き合ってから頷いた。


「ダニは虫と変わらないから、お兄ちゃんの能力の中に入ると、きれいに落ちるんだって」


「え?」


「だから最近、かゆそうにしてるところ見なくなったよね」


「……そういえば」


 確かに見ていない。以前は耳の後ろや首を後ろ足で掻いている姿を見かけた気がする。


「普通にキャンプへ連れてきてたけど……今考えると結構危ないことしてたな」


「にゃー」


 またミミが鳴く。楓が笑った。


「それが分かってたからキャンプへ行きたかったんだって」


 思わずミミを見る。


「お前……自分で分かってたのか」


 自然の多い所に行けば、ダニとか体に悪いものがつくから、あまりよくないっていうけど、ミミは俺のスキルがあるから、問題ないって思ってキャンプに行きたがったのか……


「お前、本当に賢い猫だな」


 頭を撫でると、満足そうに目を細めていた。


 空を見上げる。少しずつ東の空が白み始めている。


「遊び終わったなら朝飯にするか」


「やった!」


「楓はミミのご飯お願い。俺はホットサンド作る」


 そう言うと、楓はすぐに猫缶を取り出し始めた。相変わらず行動だけは早い。


 俺はホットサンドメーカーへバターを落とし、じゅわっと溶け始めたところへ溶き卵2個分を流し込み、木べらでゆっくり混ぜる。


「スクランブルエッグはこれくらいかな」


 1度取り出し、軽くホットサンドメーカーを拭く。


 食パン・ハム・チーズ・スクランブルエッグ・ハム、最後にもう1枚パンを重ねて挟む。


 じっくり両面を焼いていく。香ばしい香りが漂い始める頃には、


「お兄ちゃん、準備できた!」


 焼ける頃には、準備万端の楓がお皿を持って待っていた。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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