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059 キャンプ初日②with楓&ミミ

アクセスありがとうございます。

 この小説を書いていて、ソロ要素がほとんどなくなってしまったので、題名を少し修正しました。

 プロットの中にも、よくよく考えればソロ要素がほとんどなかったので、今更ながらなんでソロって入れてたのかを首をかしげてしまいました。

「しずか、21時には帰ってくるのよ。お兄さんたちの邪魔はダメだからね」


「は~い!」


 楓と一緒になって嬉しそうに返事をするしずかちゃん。その様子を見ていた俺は、気付かれないように一歩だけお母さんの方へ寄る。


「すいませんが、よろしくお願いします。キャンプで食材が限られているのに、本当にすいません。あとで、しずかの食事は何か準備しますので……」


 申し訳なさそうに何度も頭を下げられてしまう。


「気にしなくても大丈夫ですよ。食材は多めに持ってきていますし、しずかちゃんの夏休みの思い出として、一緒に何か作らせてもらいますよ」


「ありがとうございます……ちなみに、お昼は何を作る予定なんですか?」


「簡単なものですよ。おにぎりをもらえたので、サバ味噌缶を使った具沢山のお味噌汁と、ジャガイモだけのポテトサラダにすると思います」


「あら、美味しそう」


 少し考えた後、お母さんは笑顔で頷いた。


「夜には、おかずになりそうなものを一品追加で持ってきます。本当にありがとうございます」


 そう言うと、また何度も頭を下げて家へ戻っていった。


「お兄ちゃん! これから何する?」


 楓としずかちゃんが揃ってこちらを見上げる。スマホで時間を確認すると、まだ11時だった。


「ん~11時か……少し遊んだら、昼食にしようと思うけど、何して遊ぶか?」


「せっかくきれいな川があるから、少し遊びたい!」


 楓が勢いよく手を挙げた。


「じゃあ少しだけな」


 靴を脱ぎ、ズボンの裾を膝近くまでまくる。川へ足を入れた瞬間、ひんやりとした冷たさが伝わってきた。


「きゃー! 冷たーい!」


「でも気持ちいい!」


 楓としずかちゃんは、浅瀬を走り回って水を掛け合っている。何がそんなに楽しいのか分からないくらい、2人とも笑いっぱなしだった。


 俺は少し離れた流れのある場所へ、ミミを連れて移動する。


「ほら、水だぞ」


「にゃ」


 ミミは、怖気ることなく、ちょいちょいと、流れる水を軽く突いていた。


 もう一度、ちょいちょい……飛び散る水滴が面白いのか、夢中になって前足を動かしていた。


 手が濡れるたびに、ぺろぺろと、丁寧に舐め始める。


「……寄生虫とか大丈夫なのか?」


 少し心配になる。


「ミミ、水を飲みたいなら用意するから、川の水を舐めるのはやめとけ」


 そう言って背中を優しく撫でる。


「にゃ」


 素直に舐めるのはやめた。その代わり……バシャッ!


 前足で川面を叩いた。もう一発……バシャァッ!!


 飛んできた水が勢いよく俺の脛へ当たる。


「おっ!」


 結構な勢いだった。いや、水だから痛くはないけど、思わず声に出てしまった感じだ。


「ぷっ!」


「ふふふっ!」


 振り返ると、楓としずかちゃんがお腹を抱えて笑っていた。


「ミミちゃん強い!」


 本人……いや本猫はというと、


「にゃ!」


 得意げにもう一度猫パンチ……バシャァッ!!


「だから強いって!」


 また脛へ直撃する。普通に水を払っているだけとは思えない勢いだった。スキルによる身体能力強化の影響なのか、革の首輪による補正の影響なのか……


 30分ほど遊んだところで切り上げることにした。


 ミミの前足をタオルで丁寧に拭いてやる。


「はい、おしまい」


「にゃ」


 一方、楓はしゃがみ込み、


「しずかちゃん、足出して」


「うん!」


 優しく足を拭いてあげていた。


 時計を見ると、まだ12時前だ。


「そろそろ昼飯作るか」


「今日は何作るの?」


「しずかちゃんは、サバは食べれたよね?」


「うん!」


「じゃあ今日のお昼は、サバ味噌の具沢山お味噌汁と、ジャガイモだけのポテサラでも作ろうか」


 本当は、前回作ったサバ味噌缶を使った炊き込みご飯にする予定だった。でも、おにぎりをいただいたおかげで予定変更。


 炊き込みご飯に使うはずだったサバ味噌缶と野菜を、そのまま味噌汁へ回すことにした。


 まずはジャガイモを3つ用意する。


「2人とも、一口くらいの大きさに切ってみようか」


「はーい!」


 包丁の持ち方を確認しながら、ゆっくり切ってもらう。


 切り終えたジャガイモを大きめのコッヘルへ入れ、水をたっぷり注ぐ。


「家で洗ってあるから、このまま茹でられるぞ」


 シングルバーナーへ火を付ける。


「火が通るまで十15分くらいかな」


 その間に味噌汁作りだ。こちらはカセットコンロを使う。


 鍋へサバ味噌煮缶を1缶、レトルト野菜ミックス、水を2杯分……


「3人なのに2杯分?」


 しずかちゃんが不思議そうに聞く。


「具が多いし、サバ缶の汁も入るから、これでも十分なんだ。あと、普通の味噌汁なら顆粒出汁を入れるんだけど、サバ味噌缶を使うと、出汁がなくても十分美味しくなるんだよ」


 これがミソだ……味噌煮だけに。


 いやいや、父親じゃないんだから……危うく口に出しそうになり、慌てて飲み込む。


 もし言っていたら、間違いなく2人に苦笑いされていただろう。


「じゃあ楓、しずかちゃん。サバを半分ずつに分けてくれる?」


「こう?」


「背骨を中心に割る感じ」


 箸で丁寧に身を分けてもらう。軽く火が通ったところで味噌を追加。味を整えれば完成だ。


「しずかちゃん。今日は火が通ってるレトルト野菜とサバ缶だから簡単だったけど、生の野菜を使うならもっと煮込むんだよ」


「うん」


「あと、お味噌を入れた後はグツグツ沸騰させないこと。風味が飛んじゃうからね」


「わかった!」


 ちょうどその頃、ジャガイモも茹で上がった。


「じゃあ2個分は潰してみよう」


 お玉とスプーンを使って2人が一生懸命マッシュする。俺は残りを小さなサイコロ状に切る。潰したジャガイモへ加え、


 塩、砂糖、マヨネーズ、粗挽き黒コショウ、しっかり混ぜれば完成だ。


 いただいたおにぎりを2個ずつ、ポテトサラダ、漬物、具沢山味噌汁……思っていた以上に豪華な昼食になった。


「ねね、お兄ちゃん!」


 しずかちゃんがスマホを取り出す。


「これの写真撮っていい? しずかが作った昼!」


「もちろん」


 すると少し考え、


「お兄ちゃんたちも写すと小さくなっちゃうから……一緒に作ったことが分かるように、手だけピースしてもらっていい?」


「こう?」


「うん!」


 俺と楓は料理の横へ手を出し、ピースサイン。


 カシャッ。


 満足そうに写真を確認している。


 あとでお母さんに見せるのかな? それにしても、小学生くらいでスマホか。高価な機種ではないんだろうけど、時代なんだなと思ってしまう。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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