002 憂鬱な日々
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楽しかったキャンプも終わり、月曜日に大学へ行くと現実へ引き戻された。
友達グループもダンジョンに入ったのか、ダンジョンのネタで盛り上がるが俺はついていけずに孤独感が強くなっていく。
調理スキルをユニークスキルで授かった女の子は、料理が上手になったということはなかったが、今までよりも完成度が高くなった気がするとか言っていた。
ネットの情報では、スキルは適正行動を行う際に何かしらの補正を与えているのでは? という仮説が有力視されていた。
それなら、キャンプ設営の俺のスキルって、どんな補正があるんだろうな?
俺と同じように、意味不明のスキルは多くあるようだが、本人たちもよく分っておらず気にすることをやめた人も多いようだ。
そういえば、世界中にダンジョンが現れたのだが、その数がかなりの数だった。
その多くがあまり強くない魔物が住んでいるダンジョンなのだが、日本で確認されている中で大規模と呼んでいるダンジョンがいくつか存在する。世界中にも大規模と呼ばれるダンジョンがたくさん現れたが、その大半が大きな都市の中に出現している。
日本でいえば、政令指定都市として定められた20都市内に、大規模ダンジョンが出現した。
確認できていない場所にもダンジョンが現れているが、それを知るすべが地球にはなかった。
今のところ、大規模ダンジョンで活動できるのは、武器を扱う系のユニークスキルを持っていて、ある程度訓練や修行をしている人たちだけのようだ。
戦う訓練をしていなかった素人が大規模ダンジョンに入ったが、大けがをして命からがらダンジョンから出てきたそうだ。
大半の人が、小規模と呼ばれるあまり魔物の強くないダンジョンに入り、戦闘を行っているようだ。
そういえば、ダンジョンの中で倒した魔物は、ゲームのように消えてドロップ品を落とすわけではなく、そのまま死体が残って放置しているとダンジョンが吸収してしまうらしい。
それなりに命懸けで倒すのに、得る物がない……という悲痛な叫びなどもあった。そんな中、ダンジョンから倒した魔物を持ち出して、解体を試みた人たちが出てきた。
最初は見た目がウサギに角が生えた魔物や、大きなネズミの魔物を持ち出して解体を行い、ウサギやネズミとの違いについて絵を使って話す動画から始まり、大規模ダンジョンで活動できる人に依頼して、強い狼に似た魔物を持ち出して解体した結果を伝えていた。
様々な国で魔物を解体すると、必ず心臓にくっつく形で結晶のような物があることが判明した。
宝石としては、あまり価値はないようだ。初めの1~2個は高値で売買されたが、すぐにすべての魔物から取り出せ、強い魔物からは比例して大きな結晶が取れたため、価値が暴落した。
そんなネットの情報を眺めながら、仲良しだったグループのあいつらも、ダンジョンに行って魔物を解体してるのかね?
それにしても、お金にもならないのに、よく危険なことをするもんだな。ファンタジー的に言えば、結晶は魔石だろうということだが、魔法が観測されていないこの世界では、魔というものを正確に理解したり証明したりできない。
結晶でお金を稼げないのなら、その魔物の肉や骨などに価値があるのか? 毛皮としての価値は高いようなので、キレイに倒せるのならそこそこのお金にはなるかもしれない、と考察している人もいた。
動物の毛皮は愛護団体が~という話があるが、魔物はダンジョンから生まれてくるので、供給量としてはかなり多い。
1~2日経って話題が少し変わり、有限かは分からないが、ウサギのような魔物はかなりの数が確認されているので、まだ数が出回っていない今の時期なら収支がプラスになっているようだ。
仲良しグループ以外にも、ダンジョンに通っている人たちがいて、そこかしこからダンジョンの話が聞こえてくる。
ダンジョンに行ってるって言うけど、まさか素手で戦ってるわけじゃないよな? となれば木刀? それでもむき出しで運べば、すぐに職質されるだろ……
その答えはすぐにわかった。
国は、ダンジョンがどういうものか判明するまで封鎖をしようとしたが、ダンジョンの数と若者の関心が高く完全封鎖が出来ないとすぐに判断し、凶器をカギ付きケースで持ち運ぶ場合に限り許可し、ダンジョン内でのみ使用を許可するという特例を公布していた。
だから、週明けくらいから大きなケースを持ち運んでいる人が多かったのか……電車の中にも持っている人がいたな。
とはいえ、戦闘が出来ない俺はダンジョンへの興味をなくして、来週に迫ったゴールデンウィークに行くキャンプ場を調べることにした。
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