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138 戦闘とスキルの検証

アクセスありがとうございます。

 俺たちは荷物を入り口側へ置く。そして、健司を先頭にして、3方向に伸びている通路の確認を始める。


 しばらく進んだところで、健司が足を止めた。


「おそらく、1匹で足音からゴブリンが近付いてきてる。いったん部屋の近くまで引くぞ」


 俺たちは来た道を戻り、健司が通路の出口に待機し、俺と隼人は、健司を挟むように両側へ立つ。


 やがて、暗闇の向こうから姿が見えてきた……俺たちのライトが、その姿を照らす。


「やっぱりゴブリン1匹だな。しかも、剣持ちか……翼、任せてもいいか? 俺でも大丈夫だと思うけど、盾がないから突き攻撃に弱いんだよな」


「分かった」


 健司と位置を交換して、俺は盾を構え、ゴブリンを待つ。


 ゴブリンがこちらへ近付いてくる。そして、部屋へ向かってきたところ、通路の途中で突然その動きが止まった。


「……?」


 ゴブリンは、何か見えない壁にぶつかったように立ち止まっている。ただ、壁があるようには見えていないので、首をかしげている。


「おぉ、本当にセーフティエリアになってるんだな。しかも、話にあったみたいに、壁という感じじゃなくて、全てのエネルギーが吸収されているような違和感のある動きだな」


 ゴブリンは俺たちのいる部屋へ向かってきているが……それ以上進むことができない。


「翼君、このなかって、攻撃的になったら、追い出されるって言ってたけど、ゴブリンに対してもなのかな?」


「多分、そうじゃないかな……? 確か前の時は、俺ともう1人の人が前に出て……エリア内で攻撃したっけ? あれ? どうだった?」


 あの時のことを思い出そうとするが、絶対にセーフティエリアの中にいたとは断言できない。


「もしかしたら、翼だけ良くて、他の人間は中から攻撃できないとかもあり得るのか……なら、戦闘をしても問題ない俺が前に出るか」


 健司が拳を胸の前で突き合わせてから、そのままゴブリンへ向かって進んでいく。


 ゴブリンの目の前まで近付き、健司が拳を振りかぶったその瞬間……


「わお、こんな感じで移動するのか……」


 健司の身体が、すっと部屋の外へ移動した。驚いているような表情をしているのに、それでも、動きは止まらない。


 そのまま拳をゴブリンへ、何度も叩き込んだ……ゴブリンが倒れて、動かなくなる。


「少なくとも、俺たちはセーフティエリアの中からは攻撃できないんだな。次は翼がやってみろ。ちょっと連れてくるわ」


 そう言って健司は、通路を走っていった。


「……本当に行ったね」


 隼人と顔を見合わせていると、しばらくして健司が戻ってきた。今度は2匹のゴブリンが一緒に向かってきている。


「この先、ちょっとした部屋にゴブリンがいたけど、これで最後みたいだったぞ」


 健司は疲れた様子もない。2匹のゴブリンを連れてくるだけでも、かなり大変そうだと思ったんだけどな。


「2匹いて、俺が攻撃して外に行ったら……2匹に囲まれるけど、どうしたらいい?」


「俺も近くにいるから、もしお前が移動したらすぐに外に出るから、安心しろ」


 健司が強く断言してくれたので、俺は前に出る。


 盾を構え、斧を持ち直し、ゴブリンが止まっている通路へ向かっていく。2匹とも、こちらを攻撃しようとしているが、セーフティエリアの壁に阻まれて、変な鳴き声を上げている。


 俺は、そんなゴブリンに向かって、斧を振り上げそのまま振り下ろした。


 ゴブリンへ攻撃が当たる……健司のように外へ追い出されることなく、そのまま攻撃することができた。


「お前は、問題ないんだな。でも、これはいい情報だな」


 健司が倒れたゴブリンを見る。


「俺の場合は、セーフティエリアの中でも攻撃できるってことか」


 その後も、モンスターを使ったり、俺たち同士でいろいろ試してみた。


 どうやら、セーフティエリアの中で人を攻撃しようとした場合、その対象が外へ移動させられることは間違いないようだ。それが戯れであっても、キャンプ設営は人の心など関係なく移動させてしまう。


 そして、俺の意思で誰かを追い出した場合も、同じようにエリアの外へ出すことができる。


 さらに、前述した2つの条件で追い出した相手は、次にセーフティエリアの中へ入るためには、俺が意識的に許可をしないと入れなくなることも分かった。


 モンスターについても同じだった。俺が意識的に入れようとすれば、セーフティエリアの中へ入れることができる。ただし、こちらへ攻撃しようとした瞬間、すぐに外へ追い出された。


「なるほど……」


 俺はテントを見ながら考える……思っていた以上に、いろいろなことができそうだ。


「隼人、翼が意識的に許可をしないと入れないって部分は、動画消しといてくれ」


「……確かにな。何かの拍子に追い出されて入れなくなった奴が、死んだとかなった場合にいろいろ言われるかもしれないよな」


「そうだね。法整備が追いついたら、こっちにいろいろと罪を擦り付けようとするかもしれないしね」


「それなら、記録に残す内容も考えないとな」


 隼人がカメラを操作し、俺と健司はスマートフォンを操作する。


 俺たちが何を試して、どんな結果になったのか……それ自体は記録しておく必要がある。でも、すべてをそのまま公開する必要はない。


 特に、俺の意思によって誰かを入れなくできるという部分は、扱いを間違えれば危険な能力に見える。


 3人で話し合いながら、必要な部分だけを残していく。


 そうしていろいろ実験しているうちに、3人ともスキルが上がっていたので、思っている以上に身体能力が上がった感じがする。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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