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135 最終確認

アクセスありがとうございます。

 ダンジョンへ向かう当日、俺は母親から借りた車を運転していた。


 助手席には荷物を置いているので、健司と隼人を迎えに行ったあとは、2人には後部座席に座ってもらう予定だ。


 今日の出発前に、


「ミミ、本当に大丈夫なんだよな?」


 ソファーの上で毛繕いをしているミミに、何度も確認をしていた。


「ニャー」


「……楓、どうだ?」


「大丈夫だって」


「本当に?」


「お兄ちゃん、さっきから何回聞いてるの?」


「いや、念のためだよ」


「もう3回目だよ……」


 楓が呆れたように言う。ミミは俺が今日ダンジョンへ行くことについて、特に問題ないと言っているらしい。正確には、楓がミミの言葉を聞いて、そう言っていると教えてくれているだけなんだけどな。


 それでも、俺は何度も確認してしまっていた……1月1日に起きた、同時多発ダンジョンスタンピード……あの日、ミミは何かを予感していたようで、俺のキャンプを止めて行かせようとしなかった。


 もちろん、ミミ自身がどうしてそんなことを感じ取れたのかは分からない。何かを感じ取っているようだが、ミミも詳しいことまでは分からないそうだ。ただ、実際にあれだけのことが起きた以上、俺の中では、ミミの感覚を無視できなくなっている。


 今回行くダンジョンについても、ミミが何も感じていないなら、大丈夫なのだと思いたい。


「お兄ちゃん、ミミちゃんが呆れてるよ……」


 楓にそう言われて、俺は黙る……ミミを見ると、確かに少し呆れたような顔をしている気がする。


「分かったよ。もう聞かない」


 そんな家でのやり取りを思い出しながら運転していると、最寄り駅へ到着する。そこには、健司と隼人がすでに待っていた。


 俺は車を2人の近くに止め、窓を開ける。


「お待たせ。荷物は、後ろに積んでくれ」


「迎えありがとな。荷物の最終確認は……ちょっと移動してからするか。問題ないと思うけど、一応最終確認しよう」


 健司がそう言って、荷物を荷室に積み込み後部座席へ乗り込む。隼人も自分の荷物を積み込み、そのまま後部座席へ乗り込んだ。


 助手席には俺の荷物が置いてあるので、2人には後ろでシートベルトをつけてもらう。


 少し車を走らせると、


「そういえば、翼君って、よくあのダンジョンのことを知ってたね。調べても詳しいことが分からなかったダンジョンなのに」


 隼人が後ろから聞いてくる。


「前にキャンプに行った時に、巻き込まれた話ってしなかったっけ? その時に、近くにダンジョンがあるってのを知ったからな。あそこなら近いし、ほとんど人がいない小さなダンジョンだと分かってたからな。どういうわけか分からないが、近隣の住人に負担をかけないように、情報統制してるっぽいけどな」


「公然の秘密ってやつか? ダンジョン庁の施設に行って、ダンジョンの位置情報を確認する場所でしか、発見できなかったダンジョンだもんな。他にも、いくつもああいった小型のダンジョンはたくさんあるんだろうな」


 こういう場所は、普通に生活しているだけなら知る機会もない。大規模なダンジョンならニュースになるし、周辺の施設も整備されている。


 でも、小型のダンジョンまで同じように管理するとなると、どうしても人手も金も必要になる。なので、比較的安く済ませられるように、色々考えているそうだ。


「でも、そういったダンジョンの方が、俺的にはいろいろ試せるから嬉しいんだけどな。安全に試せる場所で人が少ない場所って、結構貴重だからな」


 そんな話をしていると、目的地へ向かう途中にあるスーパーが見えてきた。


「一度スーパーに寄るぞ」


「まだ何か必要なのか?」


「昼飯を買っておきたい。非常食は健司が準備してくれているけど、できる限り消費しない方がいいだろ? それに、荷物の最終確認もしておこう」


「ああ、それはそうだな」


 俺は駐車場へ車を止める。3人で店内へ入り、まずは食料品を見て回る。


「やっぱり、おにぎりとか、手に持って簡単に食べられる方が便利だよな……あっ、ウェットティッシュとか持ってきたか?」


 健司に聞かれて、俺と隼人が首を横に振る。


「持ってきてないよな」


「僕もないよ」


「衛生面を考えると、手をきれいにする道具があった方がいいよな」


「そうだな。隼人は手拭きを探してきてくれ、俺は消毒用のアルコールを探してくるわ。健司は、弁当の候補を考えておいてくれ」


 俺と隼人は、ウェットティッシュやアルコール、食事に使うものなどを購入して、再び健司のところへ集まる。


「弁当は、やっぱりおにぎりと総菜系がいいと思うけど、潰れる可能性がな……」


 健司が弁当とおにぎりを見ながら悩んでいる。


「戦場じゃないけど、食事は大切っていうもんな……」


 隼人も真剣に考えている。


「それなら、隣の100均でハードケースを買って、それに入れていけば? おにぎりと総菜なら、そこまで大きくならないでしょ」


 隼人がそう提案してきたので、俺と健司は少し考える。


「確かに、それなら潰れにくそうだな」


「それでいこう」

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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