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107 異常ではあるが、問題ないらしい

アクセスありがとうございます。

 昨日、総合病院で診てもらった時には、身体的な怪我だけでなく、精神的な状態についても診てもらった。ただ、俺と健司の場合、精神的な問題は特にない。


 それなら、身体の方も総合病院で診てもらい続ける必要はないんじゃないだろうか?


 今後も通院することになるなら、地元の近くて通いやすい病院の方がいい。今日は総合病院へ行って、昨日診てもらった先生に相談してみよう。


 必要ないかもしれないけど、念のため紹介状を書いてもらう。もし紹介先の病院で判断できないようなことがあれば、その時はまた総合病院に戻ればいい。


 そんなことを考えながら、電車に乗った。


 大学の最寄り駅で降り、そのまま近くの総合病院へ向かう。受付で診察をお願いし、整形外科の待機エリアへ移動する。


 椅子に座り、小説を読みながら待つ……しばらくすると名前を呼ばれた。


「九十八さん、どうぞ」


 診察室へ入る。


「九十八さん、何か問題でもありましたか?」


「ありましたと言えば、ありました。ただ、身体は問題なく動くのに発熱してしまいまして……家族から病院へ行くように言われて、来た次第です」


「なるほど」


 医師が少し苦笑する。


「問題なく動けている時点で、君も友人の子も一般的とは言い難かったですからね……少し診てみましょうか」


「お願いします」


 昨日の診察内容も確認しながら、いくつか質問される。


 熱が出た時間、汗をかいた量、痛みの程度、身体を動かした時に痛む場所、食事が取れているか、眠れているか……それから、身体のあちこちを触診して、痛みのある場所を確認していく。


「ここは?」


「少し痛いです」


「ここは?」


「そこもですね」


「これは?」


「昨日よりだいぶマシです」


 しばらくそんなやり取りが続き、そして……医師が少しだけ首を傾げる。


「う~~ん、何と言えばいいのかな……」


「もしかして、すごく悪かったりしますか?」


「いや、そっちではなくて」


 医師はカルテを見ながら続ける。


「君の友人は、話を聞く限りかなり頑丈なようだったけど、君は君で回復力が異様に早いね」


「回復力?」


「ええ。昨日の状態から考えると、もう1週間もすれば、ほぼ完治していてもおかしくない勢いですよ」


「そんなにですか?」


 昨日は全治3週間とか4週間とか言われた。それが、もう1週間ほどで治りそうだという……


「今、発熱している理由は……例えるなら、高速で身体を修復している際に出ている熱、といったところでしょうか」


「身体を修復しているから?」


「正確なことは言えません。ダンジョン探索者の身体については、まだ分からないことも多いですからね。ただ、内出血もかなり治りかけています。このまま安静にしていれば、大きな問題はないでしょう」


「そうですか……」


 とりあえず安心した。熱が出ている以上、何か悪化している可能性もあると思っていた。


「仕事柄、ダンジョン探索資格を持っている人を診ることはありますが、その中でも君と友人は、かなり飛び抜けて異質に見えますね」


「……健司もですか?」


「ええ。あれだけの怪我をして、普通に動いている時点で十分おかしいですよ」


 やっぱり、そうなのか。俺たち自身はあまり実感がない。


 スキルによって身体能力が上がっている実感はある。その影響なのだろうとは思うけど、自分の身体がどれくらい普通と違うのかなんて、普段は分からない。


「それと、しばらくは熱が出る可能性があります。2~3日は、まだ発熱すると思ってください」


「分かりました」


「湯船に浸かったり、サウナに入ったりするのも避けてください。身体を温めすぎないようにして、水分もしっかり取ってくださいね」


「分かりました」


 必要な説明を聞き終えたところで、総合病院から地元の整形外科に紹介状を書いてもらうことにした。


 今後、何度もここまで通うのは大変だ。裁判の問題もあるが、俺と健司に関しては、精神的な問題はないから、身体的な治療と経過が分かっていれば問題ないはずだ。


 だから、近くの整形外科で診てもらえるなら、その方が楽だろう。紹介状を書いてもらっている間に、家族へ診察結果を連絡する。


 発熱は身体の回復によるものだと思われること、内出血も治りかけていること、1週間ほどで完治する可能性があること、しばらくは安静にして、湯船やサウナは避けること。


 一通り書いて送る。


 しばらくすると既読が付いたけど、返信はない……まあ、確認したってことだろう。


 俺としても、ちゃんと伝えたので問題ない。


 紹介状を受け取り、病院を出る。帰りも、もちろん歩きだ。タクシーを使えと言われたけど、本当に身体は問題なく動く。


 この状態で、高いタクシーなんて使ったらもったいない。電車だって空いているし、余裕をもって帰れるからな。


 そう思いながら家へ帰り、玄関を開けると……ミミがいた。


 玄関に座って、俺を待っていた。


「ただいま、ミミ」


「にゃー」


 ミミが立ち上がり、少し歩いてから振り返った。


「ん?」


 もう一度歩き、振り返る……そして、俺を見る。


「……ついてこいってことか?」


 たぶん、そうだと思う。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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