三十七、 激突
レイロウの監獄長への決闘は、正式に受け入れられました。
いつもは大監獄の中にある剣技場の中で対決が行われるのですが、レイロウが建物の壁を大きく壊してしまったこと、
また監獄長とレイロウの闘いは一つ間違えると大事になることが想定されたので、今回は大監獄のだだっ広い屋上で行われることになったのでした。
※屋上は竜牙の全激の影響を受けていないのでした。
監獄長の座を掛けた闘いは、古くからの"しきたり"に則り行われます。
正式なしきたりは、
・一対一で正々堂々と、お互いの身体と武器で戦う
・勝者として監獄長になるには、敗者の首を落として自分の頭より高く掲げる
です。
それに付随して細かい決まりを設けるのは、監獄長の権限になります。
現監獄長のゼゼクルは、
・敗者の首を落とす為に、仲間ふたりの助太刀人の協力が認められる
を追加しました。
これは、身体の大きなゼゼクルが敗者の首を落とす為に設けた独自の決まりでした。
レイロウは助太刀人にデーゼとサキシムを指名し、
ゼゼクルの助太刀人は、覆面の二人の警備兵が指名されました。
そして審判員は公平をもって大監獄の警備兵隊長・チシン氏が務めるのでした。
決闘で用いる武器はふたつまでが認められます。
レイロウの腰には"竜牙"ともう一本、伝説の刀匠・ペンリー氏の初期の名作と言われる刀剣が差してあります。
ペンリー氏は細かな装飾の施された優美な刀剣を作ることで名の知れた職人ですが、大戦中の活動初期には実戦向けの無骨で質実剛健な刀剣を作成しており、
これが蒐集家に人気なのでした。
レイロウはこの二振りの使用を宣言しました。
そして監獄長はというと、一つは手にしたこぶし大の鉄球、もう一つはゼゼクルの家に代々伝わる斬首用の曲刀でした。
しかし曲刀は決闘の"最後"に使うのみなので、助太刀人の一人に預けたままと言います。
つまり、監獄長の武器は剣ではなく鉄球一つのみなのです。
これを先ほどの石礫のように、念動力で操って飛ばすに違いありません。
「おいそんな鉄球が武器だなんて認められるのか!?」
デーゼが抗議しましたが、審判員のチシン氏はこれを跳ねのけました。
「問題ない。剣も鉄球も、元は同じ"鋼"である。これに不満があるのであれば、レイロウ氏の"竜牙"もただの剣ではないが?」
「……ふん。おい、椅子はいいのか?あいつは椅子に乗ったままだぞ、そんな決闘があるか」
「こちらも問題ない。椅子を武器として使用すれば違反であるがな。監獄長殿はただ座っているだけである。レイロウ殿もよければ椅子に座ればどうだ?」
「ううむ」
完全に言い負かされるデーゼに、レイロウが声を掛けました。
「いい、何も問題はない」
「しかし」
「もう私の勝ちは決まっているのだ」
そう相手を見据えるレイロウの表情に、虚栄は一切無いように見えます。
この超人族の大天才に、レイロウはどう立ち向かうというのでしょうか。
そうして両陣営が納得し、いよいよミサンガル大監獄の監獄長の座をかけた決闘が行われるのでした。
――――
だだっ広い大監獄の屋上で、レイロウと監獄長・ゼゼクルが対峙しました。
その真ん中あたりに、審判を務める警備兵隊長・チシン氏が居ます。
白刃会の選抜隊と大監獄の警備兵たちは、それぞれレイロウと監獄長の後方に離れて立ち、決闘を見守ります。
「それでは、始めい!!」
審判員のチシン氏がそう声を上げました。
それと同時に、レイロウは腰に差した"竜牙"の柄に手をかけようとします。
レイロウが監獄長を負かすには、"竜牙"で先手を打つしかない、という考えです。
事実、レイロウは剣の初速を如何に上げるかに、稽古の殆どの時間を費やしていました。
絶対の速さで剣を抜こうとしたその刹那、レイロウの右手の甲が勝手にひしゃげて潰れました。
いえ勝手に潰れたのではありません、目に見えぬ程の速さで飛んできた鉄球が、"竜牙"の柄を掴もうとしたレイロウの右手の甲を撃ったのでした。
「あっ」
あまりの速さにレイロウは目を見開きましたが、今度はその鉄球がグインと曲がり、勢いを付けてレイロウの頭部の右側を直撃しました。
レイロウのこめかみはベコンと凹み、目と耳から血やら何やらを吹き出し、そのまま剣を抜くこともなくドサリとその場で倒れてしまいました。
監獄長は相変わらずその場で浮いた椅子に座りながら、レイロウの方に右手を掲げていただけです。
右手の太い指についた幾つもの指輪や貴金属類が、陽の光を受けてキラキラと光りました。
そしてレイロウ頭に食い込んだ鉄球が宙に浮かび、監獄長の手の平にすうっと飛んで戻ったのでした。
あまりの速い決着に、その場にいた全員が絶句しました。
確かに、先ほど幾千もの石礫を念動力で飛ばして脱走する囚人の群衆を全滅させた監獄長にとって、たった一人の相手を一つの鉄球を操って倒すなど、
造作もない事のように思えるのでした。
「ええと、誰が監獄長になるですって?」
監獄長がそう皮肉を込めた笑みを浮かべて、床に這いつくばるレイロウに向けて言いました。
「お、おお……」
脳を破壊され言葉もまともに話せないレイロウですが、それでも不死人の特性でまた頭の損傷がみるみると治って行きます。
そして先に右手の甲があらかた元に戻ると、フラフラと起きようよしながらまた"竜牙"の柄に手をかけました。
その刹那、また見えない程の速さで鉄球が飛び、今度はレイロウの右手の前腕部にぶち当たりました。
「ああっ!!」
レイロウは悲鳴を上げました。
前腕部が鉄球によって撃ち抜かれ、腕の皮膚一枚で繋がって手がブラブラとしました。これではとても剣は抜けません。
しかしまたもその怪我がしゅわしゅわと音をたてて治っていきます。
「こ、これが不死人の治癒能力か。"決して死なない"という話は本当なのだな……」
間近でその様子を見ている審判のチシン氏が、レイロウの様子に啞然としています。
遠巻きに見ている警備兵たちにもその動揺が広がっています。
白刃会の面々も、レイロウの治癒能力の話は聞いておりますがそれを目の当たりにするのは初めてなのでした。
「成る程、不気味なものよ。これは忌み嫌われるはずだ」
監獄長は冷静にそう言うと、損傷が治りかけると鉄球をブチあて、損傷が治りかけると鉄球をブチあてを繰り替えしました。
その内に回復能力が落ちて治りが遅くなったところで助太刀人を呼び、その首を落として掲げようと画策していたのです。
しかし、鉄球でいくら攻撃をしても、レイロウの治癒能力は一向に落ちることがありません。なんと延々と回復し続けています。
その間、立ち上がろうとすると攻撃をされ続けるのでレイロウは何もできずに鉄球の攻撃を受け続けます。
そして周りもその様子を見続けるしかないのでした。
「おえっ」
その延々と続く拷問の様子に、ルユールがついにえづいて目を反らしました。
他の白刃会の面々も、まさかレイロウがこれほど一方的に攻撃され続けるとは考えてもおらず、強い困惑の色が見えます。
「やれやれだな……」
監獄長は少々うんざりして、鉄球をまた手元に戻しました。
そうして鉄球に自分の"念動力"の念を込め直しました。
どうやら物体を遠隔操作するには、その物体に直接触って監獄長の"念"を纏わせる必要があるのです。
その纏わせた念が無くなると、それを操れなくなるのです。
「よし」
そうしてまた鉄球は勢いよく監獄長の手を離れると、レイロウの顔面に一目散に飛んでガツンと直撃しました。
レイロウの鼻が潰れて歯が血とよだれと共にボロボロと落ち、片方の目玉が飛び出ました。
しかしレイロウもだんだんと慣れてきたのか、これ程の攻撃にいちいち倒れなくなりました。
「グぼ、グぼぼぼぼぼ……」
「おい、顔が潰れているから何を喋っているか分からないぞ。治ってから喋れ」
監獄長が呆れて言いました。
「グぼぼぼ、グムう。うん」
レイロウの顔面がまた修復され、どうにか話せるようになりました。
「……酷い事をしやがる」
「何を言う、その腰にある"物騒な剣"に手を掛けようとしたら、また即時に潰すからな」
「そのご自慢の"空飛ぶ鉄球"でか、汚い闘い方だ。監獄長殿は剣士ではないな」
「汚いのは貴様の身体だ。なんだ潰しても潰してもみるみる治って、気色の悪い。貴様、それでも生き物なのか」
「生憎ね」
「ふん」
「しかし、俺が剣を抜こうとする、そちらが攻撃する、俺が倒れる、俺が立ち上がり剣を抜こうとする、そちらが攻撃する、俺が倒れる、でいつまでも堂々巡りだ。いつか、監獄長殿の"念動力"が切れるのではないかね?」
「身体だけでなく頭も愚かだな。私を侮るな。こんな小さな鉄球など永遠に飛ばし続けらえれるわ。それより、そのうち貴様の身体の方が持たなくなるだろうよ」
「はっ、監獄長殿こそ不死人を侮ってもらっては困る。決して死なぬから、不死人なのだよ」
「どうだかね、しかし不気味な身体だな。貴様の仲間も全員引いているではないか」
その時、カチッとレイロウの足元で音がしたと同時に、大きな爆発が起きました。
ドンッ!!
そしてその勢いで、レイロウが監獄長の方にすっ飛んできたのです。
レイロウは右足の靴のかかとの中に高圧縮した火薬仕込んでおり、それを起爆させたのです。
これは"百足"の建築部門へ依頼をして、大きな岩を掘削する時に使う爆破の方法を応用して作ったものです。
その破裂音と爆破の勢いは凄まじく、大監獄の屋上に居る全員が目を背けて耳を塞ごうとしました。
それは監獄長も例外でなく、あまりの突飛な出来事に思わず目をつむりました。
そしてわずかに宙に浮いている玉座がどすんと地面に落ちたのでした。
これは監獄長の発する念動力が途切れた証拠です。
爆風に吹き飛ばされながら、レイロウは腰にある"竜牙"に手を掛けて監獄長に斬りかかろうとしました。
『行ける!!』
レイロウがそう核心した刹那、あたり方々から物凄い勢いで無数の石礫が飛んできて、レイロウの身体をバシバシと撃ち抜きました。
レイロウの身体は石礫で穴だらけとなり、胴も腕も脚もズタボロになって失速して床にズシャリと落ちました。
「う、ううっ!!」
レイロウの右足は無くなっていましたがそれは自分で仕込んだ爆薬のせいであり、それ以外の突然の攻撃は全くの予想外なのでした。
そして結局"竜牙"は柄から抜けないままでいます。
レイロウの身体は見事に全身ズタボロで肉やら骨やら内臓やらが辺りに散らばり、この修復には少しばかり時間がかかる見込みです。
「レイロウ!!」
「レイロウ殿!!」
ルユールやデーゼたち、白刃会の面々がレイロウの有様に心配の声を上げました。
やがて間近で爆風を受けた監獄長も目を開け、床に横たわるレイロウの姿を見下ろしたのでした。
「やれやれ、驚いたよ。不死人とはいえ、爆薬の力を利用して片足を犠牲にしてまで飛び込んで来るとは夢にも思わなかった。よく考えたものだな」
「ううう、いったい何を……」
レイロウも一体何が起きたのか分かりません。
実は、監獄長はあらかじめ自分の念動力を込めた石礫を屋上の方々に置いており、自分の身の周り30尺以内に近づいたモノを検知したら自動で飛んでいくよう"仕組んで"おいたのでした。
それらが一斉にレイロウに攻撃したのです。
そしてこれが監獄長・ゼゼクルの最大の能力でありました。
物に纏った念に"単純な命令"を仕込むことができ、その条件に当てはまる事態になると自動的に念動力が発動するのです。
大監獄から脱走した囚人に無数の石礫が攻撃したのも、石礫にあらかじめ『近くで動くものに飛んで行け』と命令した念動力を込めているからなのでした。
「ハッ、これが貴様の奥の手だったか。しかし私の方が何枚もうわてだったようだな」
そう言うと監獄長の座る玉座がまたフワリと浮きました。
これは監獄長が平静を取り戻した証拠なのです。
「汚いぞ、石礫を武器にしている!監獄長殿の武器はあの鉄球と助太刀人に預けている斬首剣だけだ!」
デーゼがそう叫んで審判のチシン氏に訴えかけました。
しかしチシン氏は冷静に返しました。
「―-であれば、右足に爆薬を仕込んでいたレイロウ氏も反則となるが?」
「レイロウ殿は爆薬で直接攻撃をしていない!」
「結局同じである!しかるにこれは王国で一番強い人間を決める闘いだ!些末な事に囚われず、最終的に首を斬って高く掲げた方が勝ちである!」
「……うぬ」
そうです、これは"試合"ではありません。
偉大なる大監獄の監獄長を決める戦士同士の"決闘"なのです。
そして超人族と不死人族の人智を越えた闘いでもあります。
その証に、こうしている内にも、レイロウの身体はどんどん修復されていきます。
「まったく面倒くさい奴だ……」
そう言うと監獄長は鉄球を自らの手に戻し、今度は更に時間をかけて念動力を込めました。
すると鉄球が手の平の上に浮き、グルグルと高速で回転をはじめました。
そのあまりの速さに『フィーン』と空気が切れるような音がする程です。
そして監獄長はその鉄球をまだ床に横たわるレイロウの身体の上に落としました。
「ああっ!!」
白刃会の面々が思わず声を上げました。
その鉄球は、レイロウの身体をむちゃくちゃに引き裂き、磨り潰し、蹴散らしながら独楽のように高速回転し続けたのです。
『ぎゃああああ!!』
レイロウの声にならないような叫びが聞こえます。
それはあまりにむごたらしく、レイロウの身体は生きながら挽肉のようになっていきます。
これは審判のチシン氏でさえ思わず目を背ける程でした。
するとレイロウの持つ"竜牙"と"初期ペンリー"の二振りがレイロウの腰であった部分から外れ、それぞれが鉄球の回転によって大監獄の屋上の向こうまで勢いよく弾き飛ばされたではありませんか。
『あっ』と白刃会の面々が息を飲みました。
レイロウが監獄長を打破する唯一の武器・竜牙が、柄から抜かれることも無くその手を遥かに離れてしまったのです。
もうこれは勝てる望みがない、との思いが皆の脳裏を過りました。
しかしレイロウは精神も身体もまだ折れてはおりません、ぐしゃぐしゃとレイロウの身体が床の染みにようになりながらも、また頭部が喋り始めたのでした。
「どうした監獄長殿、俺はまだ生きているぞ!ぶははははは!!」
「俺は不死人、不死人のレイロウ!レイロウは勇敢で質実剛健なる剣士である!」
「決して砕けぬ精神と身体を持つ者也!!」
「俺を恐れるか!?こちらを見ろ、超人族の王よ!!」
「こちらを見るのだ!怖いのか??目を反らすな、邪悪なる超人族の王よ!!」
高速回転する鉄球に身体を擦り潰されながら、レイロウの頭部はそう喚き続けます。
これは正に地獄の様相を呈しています。
「な、なんという不気味で惨めな生き物なのか。死ぬことすら許されないとはこういう事か……」
審判のチシンが立場を忘れ、思わずそう口からこぼしました。
「ふん、これはもう埒が明かないな。こうなってしまってはもう不死人に勝ちはあるまい。おい審判!」
「はっ!」
監獄長殿が呆けているようなチシン氏を呼びつけました。
「もうこやつに勝ちはあるまい、見よこの醜く無様な姿を。これが生きていると言えようか?もはや理性も失い喚き続けている。生きる屍とは正にこのこと!こんな勝者はこの世にあるまい」
「ええ」
「であれば、もう首を跳ねて勝負を決する!その為に助太刀人を呼び込んでもいいな」
「はっ」
監獄長殿は決着に為に、もう助太刀人にレイロウを抑えさせ、首を跳ねる算段です。
そして白刃会の選抜隊は、それもやむなしと思えていました。
一縷の望みをかけた右足を吹き飛ばしながらの捨て身の攻撃も、監獄長の念動力に阻まれてしまいました。
それに手元にもう"竜牙"もありません。
やはり統領のカルラが言ったように、相手の方がずっと上だったのです。
しかし皆の諦めとは対照的に、レイロウはまだギャアギャアと喚いています。
「俺が怖いだろう監獄長!俺を見ろ!俺の目はまだ死んでいないぞ!」
「何を恐れている!俺は不死人のレイロウだ!俺の声を聴け!俺の目を見ろ!」
「フハハハハ!俺が怖いのか!?」
普段物静かな性質のレイロウが、もう理性を欠いて何も分かっていないようです。
レイロウのこんな哀れな様子を見るのもみんな辛いのでした。
「おい、来い」
監獄長はそうして助太刀人に任命した二人の覆面をした警備兵を呼びました。
そのうち一人は監獄長の斬首刀を携えています。
そして半分挽肉のようになりしゅわしゅわと回復しつつあるレイロウの身体を無理に立たせて、膝まづかせました。
「俺が怖いのか!俺を見ろ!俺の目を!!」
警備兵たちに身体を抑えられても、まだレイロウは喚きます。
「いったい何なのだこいつは。剣を」
「はっ」
そう返事をして警備兵の一人が監獄長殿の方へ向かい、斬首刀の柄の方を差し出しました。
監獄長殿は浮いた玉座を少し傾け、警備兵の差し出した剣の柄を握り、鞘から引き抜きました。
「さあ不死人、首を落としてやるぞ!もっとも、お前に斬首など大して意味はないだろうがな」
そう言ってその巨躯をふわりと浮いた玉座の座面から持ち上げ、自らの足で立とうとしました。
やはり斬首するには玉座に着いたままでは無理なのです。
その時です、剣を手にした監獄長殿がフラフラとしてまた後ろの玉座にドスンと座りました。
座ったと言うよりも、後ろに倒れ込んだようです。
そして浮いていた玉座もズシンと床に落ちました。
「……どうした?」
急に襲った身体の異変に、監獄長自身が困惑しました。
これまで味わったことの無い虚無感が頭を襲い、全身の力がどんどんと抜けてくるのです。
監獄長殿はいくら巨躯とは言え、立って歩く事はできるのです。
しかし今はそれすらできる気もしません。
腕の力も抜けつつあるのですが、しかし手にした斬首刀はまだ握ったままです。
その時、監獄長殿はふと気づきました。
手にしているのは、自分の斬首刀ではありません。
その剣は見たこともない、白銀のような透き通った輝きを持つ美しい長剣なのでした。
「なんだこれは?」
その時、ふと助太刀人に抑えられたレイロウを見ると、その顔が笑っていました。
そして剣を差し出した警備兵の方を向くと、警備兵の覆面の奥の目も笑っていました。
その時、監獄長殿は直感しました。
今手にしているこれは自分の斬首刀ではなく、かの伝説の刀剣・"竜牙"であると。
~つづく~




