↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「彷徨うタイムトラベラー雪子」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑧)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/23

⑤ ニンゲン

 目を凝らして見ると、海面近くに、何か白い人影のようなモノが、漂うのが見える。まさかこんな冷たい水の中に?それにしても、人間だとすると、些かカラダが大き過ぎるような……一体アレは、何だろう?


 やがてソイツは、海面から飛び出し、まるでイルカのようなジャンプを見せた。全身を見せたソイツは、独特な姿だった。


 人間のような頭部。人間のような両腕。しかし脚は無く、イルカのような尾ヒレが有る。例えるならソレは、北極海に居るベルーガに、人間の頭と腕を足して、巨大化させたような、バケモノだった。


 ソイツがジャンプしながら、コチラを見たのだ。チラリと視線を向けられただけだったが、その青い瞳まで、人間そっくりだった。


 あまり気持ちの良い想像では無いが、もしも人間とベルーガの間で、異種交配をさせたら、こんな鬼子が出来そうな気がした。


 と、同時に、アタシはそいつから、慣れ親しんだ気配を感じたのだ。そうだ。今のは間違いなく……そこまで考えた時、そいつが目の前の海面に浮上し、頭部だけを出して、コチラを見つめて来た。


『何しに来た?』

 ソレは、ソイツからアタシに向けられた、テレパシーだった。

『別に何も。ただ無目的な旅の途中で、ふらりと立ち寄っただけよ』

 アタシは、細かい事情を端折って答える。


『貴様はアノ真田雪子なのだろう?』

『あら、アタシったら、すっかり有名人なのね?そう言うアナタは、四次元人の成れの果てなのね』


『そうだとも。向こう側からコチラへやって来た者だ』

『何しに来たの?まさかこんな極地方から、三次元の世界の征服を始めるつもり?』


『まったく、貴様たち人間と来たら、二言目にはソレだな。何故それ程までに、常に発想が好戦的なのだ?』

『お陰様で。アナタ方の世界の住人から、何度も攻められて居るのでね』


『言葉を返すようだが、我々の領分を、先に侵したのは、貴様らサン・ジェルマンの仲間たちだからな?』

『いいじゃないの、少しくらい目を瞑っても。ちょっとしたタイムトラベルと、並行世界への旅よ。何も、アナタたちの世界を、征服しようってんじゃないんだし……』


『最初は小さな始まりでも、貴様ら人間は、やがて大きな欲望を抱き出す。そうなったら、本格的に四次元世界への進出を、目論むだろうさ。ソレはこれまでの、貴様らの歴史が、証明している。』


『……耳が痛い話ね。でも少なくとも、アタシたちは違うわ』


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。