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「彷徨うタイムトラベラー雪子」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑧)  作者: サナダムシオ


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⑳ ダライ・ラマ

「どうもありがとう。満足したわ。コレが地下世界で、アタシたちが守った門なのね?」

「その通りです。本当にその節は、お世話になりました」

 ダライ・ラマは頭を下げた。


 アタシは流石に恐縮した。

「もう、いいですから。頭を上げて下さい」


「……その上、キミたちは、地上の悪魔やアラハバキまで、退治して廻っていると聞きました。まったく、頭が下りますよ」


「いやいや、大した事は有りませんよ」

 アタシは褒められ慣れていないから、どんな顔をしたらイイのか、本当に困惑してしまった。


 従って、早々にその場をお暇する事にした。もしかしたら、ソレがダライ・ラマの狙いだったのかも知れないが……。


「何時かまた、必ず何かの形で、皆さんには、ご恩返し致しますよ」

 ダライ・ラマはまだ、そんな事を言っていた。


 アタシは、もうお気持ちだけで充分ですから、とか何とか、ゴニョゴニョ言いながら、別れの挨拶もそこそこに、その場を去ったのである。


 無意識に時空ジャンプしたら、次に出たところは、とんでもない場所だった。雷が落ちたような爆音が、何度も繰り返され、花火のような光が、あちらこちらに見える。


 空は赤く燃え、遠くで煙が上がっている。結構派手なキノコ雲だ。かなりヤバイ感じだ。辺りは瓦礫だらけ。それに火薬の臭い……間違いない。ここは戦場だ。


 ここは……何処だ?いや、それより何時だ?

 人類は、ついに第三次世界大戦を、やっちまったのか?アタシはマジで焦った。


 その時、空を戦艦が通り過ぎた。間違いでは無い。戦闘機では無く、戦艦だ。"そうとしか表現出来ない物体"と言ってもいい。


 巨大な釣り鐘状の、その形には見覚えが有った。アレは確か……ヴィマーナだ!

 つまりここは、古代インドの核戦争の現場なのだ!アタシは愕然とした。


 そんな途方に暮れるアタシの目の前に、突然一人の半裸の少年が、転がり出て来たのだ。


 瓦礫と瓦礫の間からやって来たその少年は、直ぐに立ち上がると、右手に持った金剛鈴(ヴァジュラ)を、水平に構えた。


 するとその両端から金色の光刃が現れた。つまり、映画スターウォーズで、"ダース・モール"が使っていた、アレと同じ武器である。


 瓦礫の間から、次々に機械人形(オートマタ)の追手たちがやって来る。

 ただしその通れる幅は狭いから、自然に一列になる。


 良い戦法だ。

 アタシは感心して見ていた。

 彼は先頭の敵から、順番に始末して行った。

 

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