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「彷徨うタイムトラベラー雪子」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編⑧)  作者: サナダムシオ


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⑭ 万里の長城

 次にアタシが出現したのは、一目でソレと分かる場所だった。ここは、万里の長城だ。それにしても、時代は何時だろうか?どうやら、辺りに観光客が見当たらないようだ。つまり、現代ではない。


 それに、少しだけ寒い気がする。

 北京よりも、モンゴル付近に近い場所だろうか?

 確か嘉峪関……だっけ?


 よく見ると、駐在している兵士が数名居る。

 ただ明らかに、見た目が素人っぽい。

 恐らく、農民から徴用された者たちなのだろう。


「你好(こんにちは)」 

 アタシは出来るだけ友好的に見えるように、中国の標準語で挨拶した。


 こんな事もあろうかと、勉強しておいて良かった。

 兵士たちは身構えた。まあ無理も無い。

 目の前に突然、セーラー服姿の少女が降って湧いたのだ。


「調子はどう?怪しいヤツとか居た?」

 アタシは尚も喋りながら、ゆっくりと彼等に近づく。


「怪しいのは、オマエだろう。何処から来た!?」

 勇敢にも、兵士の一人がそう言った。

 可愛そうに、少し震えている。


「あー、アタシ?ちょっと遠くから来たのよ」

(ウソではない)

「詳しく説明しろ!敵対民族の娘か?間諜(スパイ)なのか?」


「私はただの小娘よ?匈奴とかではないわ」

(仮にスパイでも、自白する訳無いけどね)


 そんな問答を続けていると、何やら城壁の外で動きが有った。とたんにアタシの事は捨て置き、そちらに警戒モードに入る兵士たち。


「奴らが来たぞ!迎撃準備!」誰かが怒鳴った。

 兵士たちは手に手に弓矢を持ち、構える。


 それを聞いたアタシも、城壁の北側を覗き込む。

 下から這い上って来るのは、匈奴などではない。


 何故か見覚えの有る、バケモノたちだった。

「あれは爬虫類族……アラハバキね?」アタシは呟いた。


 こんなところでも、暗躍していたなんて……。

 奴らは、上から撃たれる鉄矢の攻撃など、ものともせず、這い上がる。


 一個中隊100名程居るか?仕方が無い。

 少しだけ加勢してやるとするか。


 アタシは近場の兵士の腰から、剣をひと振り頂くと、それを上段に振りかぶりながら、城壁の外へ跳び出した。


 突然の伏兵に驚く、アラハバキたち。

 中には「おい、コイツ、真田雪子だぞ?」と、アタシの正体に気づく者も居た。

 構うものか。どうせ皆、あの世行きだ。


 奴らの背後に回り、チカラを乗せた剣で、次々に首を斬り落としては、ソレを燃やすの繰り返し。途中で飽きて来たが、何とか最後までやり遂げた。

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― 新着の感想 ―
突然現れたセーラー服の少女に、兵士たちが警戒する場面が面白かったです! 軽妙なやり取りから一転、アラハバキの襲撃で戦闘に突入する展開もテンポが良く、最後は100体もの敵をあっさり片づけてしまう雪子の…
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